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ギックスの本棚 古典を回想する/問題解決プロフェッショナル③

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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事業企画者必読の一冊

”問題解決プロフェッショナル「思考と技術」” 齋藤嘉則

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

第1章の思考編でゼロベース思考と仮説思考を、第2章の技術編ではMECEとロジックツリーが説明されました。

3章ではプロセス編との位置づけで、ゼロベース思考、仮説思考、MECE、ロジックツリーを活用して問題解決を行うことをソリューション・システムと言う言葉で説明されています。

ソリューション・システムのステップは、『課題を設定』して、『解決策の仮説』を立案して、『解決策の検証・評価』であると説明されています。ここでは課題を主要課題と個別課題との2つと置いていますが、おそらく最も難しいのは課題の設定でしょう。

コンサルタントでは「答えるべき問い」などと言われることが多々あります。コンサルティングに関する提案依頼はきっちりしたペーパーによるRFPがクライアントより提供され、それをきっちり読み解いてそれに対して提案で答えると言う事は殆どありません。システム開発なら数十ページから数百ページに及ぶRFPが出ることも珍しくはありませんが、所謂マネジメントコンサルティングと言う領域は異なります。経営層の漠然とした問題認識や将来に対するアスピレーションから、議論を重ね「答えるべき問い」を設定する所から仕事が始まります。ある程度正しい課題設定ができれば、解決策の仮説作りやその評価は(簡単とは言いませんが)決して難しいものではありません。実は正しく「答えるべき問い」を設定できるかが、2流コンサルタントと1.5流コンサルタントの分水嶺になると言っても過言ではないでしょう。ちなみに、1流のコンサルタントは「答えるべき問い」に対する設定の視座の高さ、見識の広さと深さ、そして鋭さが群を抜いており、私もしばし呆然とすることがある程なので、ここで私が諸説を書くのは控えます。

実は筆者の齋藤氏も問題の発見こそが非常に難しい旨を語っており、本書の4年後に「問題発見プロフェッショナル」と言う書籍を執筆しているくらいです。問題は解決するよりも発見が難しいと言う事だと思います。ですが、本書では、比較的答えやすい課題を設定して、まずはソリューション・システムと言う考え方にのっとり、そのシートを埋めることの事例にて説明を進めています。

まずは決められた問いに対して、解決して行くやり方を学ぼうよと言うスタンスですが、これは非常に合理的な考え方であると言えます。この3章で一番の見所は事例8のOEM事業の今後の方向性を決めるでしょうか。問題を構造化して、何を証明/検討する必要があるかを整理し、その仮説を立案し、仮説の立案・評価を行うと言う点を1枚のシートにまとめております。このフレームワークだけによりませんが、1枚に構造化してまとめると言う取り組みは広く汎用的に活用できると思いますので、これらは取り入れて実戦してみる価値があるでしょう。ステークホルダーが多岐にわたる際には、このように1枚の紙にまとめられており、誰もが共有できるシートと言う存在は非常に有効なものです。そのシートだけによりませんが、1枚でまとめて共有すると言う試みは非常に有効です。

 

第4章ではソリューション・システムの実戦と言う位置づけで実際の事例が紹介されています。事例から、明らかにこれは「タッ◯ーウェア」ではないか?と自明な点はご愛嬌でしょうか。

事例としては、おそらく齋藤氏が経験したと思われる内容のエッセンスが記載されているため、当たり前ですが非常にリアリティがあり、また示唆に富んだ内容なため、まだお読みになったことが無い方は是非本を手に取って読んで頂きたいと思いますが、ここでは導入部分だけを伝えたいと思います。

「same food for the same fish in the same pond」つまり、ずっと同じ商品で同じ市場で同じ顧客を相手にしているためいずれは限界がくる。では、それをどのようにズラして戦って行くのか。これらをまずは3C(Customer, Company, Competitor)により分析して現状を把握して行きます。余談になりますが、3C分析の生みの親、大前研一氏は3Cは死んだ的な発言をされておりますが、3C分析だけしても競争優位は築けないとの意味であり、逆に言えば3Cすらもしていないようならそもそも戦う土俵にも立っていないとも言えるでしょう。大学受験には数学レベルが必要だが、算数ができなければそもそも話にもならない、と言う感じでしょう。

話を書籍に戻します。ここで一つのキラーチャートが出てきます。そもそもの問題は何か? 戦わずして負けていると言う事が明確になるグラフ1枚です。まずは現状の問題点を明らかにするキラーチャートが出て来た際にはまさにコンサルタント名利につきるのですが、おそらくこのケースでも齋藤氏、もしくは部下の方は狂喜乱舞したのではないでしょうか。ここからは非常に論理的でありながら、エキサイティングな話が続くために是非ご自分で本を手に取ってお読み頂ければと思います。フレームワークなんてクソの役にも立たないよ、とお考えの方々も使い方次第でとても役に立つものだと言う認識が得られるのでは無いでしょうか。

事業企画部署のスタッフに取っては最初に手に取るにふさわしい一冊だと自信を持って推薦できます。

 

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

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