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第1回:結局ビッグデータって何なのさ?/「会社を強くするビッグデータ活用入門」を振り返る

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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 結局ビッグデータって何だろうか?

私は2013年の11月下旬に著書「会社を強くするビッグデータ活用入門」を出版致しました。準実用書と言う位置づけで出版しており、商業的には成功も失敗もしていない予定通り淡々と細々と出荷されている本ですが、読んでもらう人を明確に定義したため、”読んで頂いた方からは”比較的好評を得ております。
そうした中で、この本を読んで頂いた読者、及びこのテーマに関したセミナーにご参加頂いた方からの質問などを整理する形で、対して売れていない自分の本を改めて振り返ってみよう、と言う企画の記事になります。笑

会社を強くする  ビッグデータ活用入門  基本知識から分析の実践まで

 「ビッグデータ」とは何をさすのか?

まず最初の1章では、この本で述べて行く「ビッグデータ」とは何かと言う事を説明して行きました。

「結局さー、ビッグデータって何なの?」

おそらく皆さんの本音でしょう。ビッグデータと言う言葉を連呼している人も、実は内容を理解し、定義して使っている人はあまりいないように感じます。弊社はクライアントさんから「ビッグデータをやりたい!!」と言う日本語になっていない日本語によるざっくりとした相談を受ける事が非常に多いのですが、この「ビッグデータ」と言う言葉の整理から入る必要があります。

本書の中では世の中で通称「ビッグデータ」と呼ばれているタイプ分類として、ビッグデータの定義4種類を紹介しました。これは、どちらかと言うと本を書いている方やビッグデータはこういう物だと主張されている方からの定義のまとめになります。世の中の宗派を見ると4つのタイプがおりますし、どれが正しい、間違っているではなく、見ている角度、そして表現している角度が違うと言うことになります。

一方で、クライアントの方から発せられる「ビッグデータやりたい」と言う時の「ビッグデータ」では多くの場合が下記になります。

例えば、「自社で使っていないデータがたくさんあって、それを何かに使いたい。」と言うニーズです。ここで、あえて「たくさん」と書いたのは、データ量が膨大と言うことだけではなく、使っていないデータがたくさんの種類で存在している、と言う意味も含んでおります。そして、使っていないたくさんの種類のデータは、ひとつひとつ見ると決してビッグデータでないことも多々あります。例えば、「ほんの一部の顧客登録をしてくれたデータ」「別の一部の顧客が回答してくれたアンケートデータ」「販売チャネルなど別の企業や部署のプロセス上で発生したデータ」など分断されていて、統合もされておらず、また統合も難しい複数の散在したデータ類達を、「使っていないデータがたくさんの種類で存在している」ために、うちのビッグデータという言い方をされている事が多いと感じています。

そうした企業において、ITベンダーさんから宝の山を使っていないとそそのかされるのか、はたまた自分達のデータを使い切れば非常に価値があると思いつくのか分かりませんが、自社にはたくさんのビッグデータが活用されていないまま埋蔵されいて、それを活用したい。ひいてはそのやり方を考えてくれ、と言うご相談になります。

私はコンサルタント時代において「(保有する)データを活用した新規事業立案」と言うテーマのプロジェクトを多数経験させて頂いておりました。この場合は、「データ」と言う素材にスポットライトを当てて、データを主人公にマネタイズの方法、もしくは自社やグループ企業での活用方法を考える事になります。正直な話を書くと、この手の今使っていないデータを使って何かマネタイズできるのではないか、と言うテーマのプロジェクトにおいて、ちゃんとマネタイズできるようなワクワクのシナリオになる事は少ないのが現実です。「見て面白いデータ」と「他人が金を出しても欲しい情報」には大きな乖離があり、そこを埋められる程の価値のある素材としての「データ」を持っている企業はあまり多くないと言うことです。「今のデータに加えて更に新たにデータが必要」になる場合と、「そのデータを使ってインサイト力などを組み合わせて、情報にまで昇華する事が必要」になることが多々あります。すると、その企業が保有する既存のケイパビリティとは大きく異なることになるので、仮に「情報化」させることによりマネタイズできる場合でも、新規事業として成功させるには相当高いハードルになります。

「今ある素材としてのデータを使って何かできないか?」と言う相談を受ければ、我々としては真摯に対峙して検討しますし、その中から新たなデータ活用が生まれる事があることも事実です。ただ、そうしたケースは一部に留まる事が多いのです。つまり、データにスポットライトをあてて、データを主人公にしても、主人公になり得ない事が多々あると言う事です。ただし、本質的にライアントにやりたい事を聞いて行くと、クライアント企業の多くは別に新規事業を立ち上げたいわけではなく、せっかくあるデータなので、それを活用できれば良いなと言うことだったります。

アウトカム(Out Come)を考えた方が手っ取り早い

私は元々マネジメントコンサルタントと言うビジネスサイドに属している人間なので、直截的に最終的なビジネスの目的を求めると、クライアント企業の事業強化になればよいと言うことになります。そのように考えると、このデータが何に使えるのかを考える一方で、その企業が強くなるためには何が必要であり、そこにどのようなデータ活用の方法があるのか、と言う流れで考える方が手っ取り早いと言う考えに行き着きます。

そうなると結局のところたった2つの考えでビッグデータの使いどころを検討する事が可能になります。

  • 企業が一番強くなるポイントでビッグデータを使え。
  • 大量データであってもデータをタイムリーに収集分析できる利点を生かして事業構造を正確に把握し、PD(CA)∞サイクルを高速に何度も回せ。

事業家サイドから見ると、語弊を恐れずに言い換えてしまえば、ビッグデータとは自社の競争力強化を考える際の一つの「視点」だと思ってしまえば良いわけです。「コスト削減」と言う観点から自社の競争力を強化する方法は色々と考えらられます。業務の効率化と言う観点からも同様です。データを活用して自社の競争力を強化すると言う視点で考えて実行する事、それこそがビッグデータ活用だと捉えています。テクノロジーの進歩により「早く」「安く」「簡易に」データを活用できる環境が整った。そのテクノロジーを活用して、知恵を絞って競争力を強化して行くやりかたを考えて行く。これは大企業でも中小企業でも変わらない取り組みですので、そのような事を行って行くのがビッグデータ活用だと捉えております。

次回に続く。
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