戦コンスキルは起業に役立つか?(1):コンサルティングファームから得た学び

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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戦略コンサルタントは起業の役に立つのか?

 戦略コンサルタントという職業が世の中でどのようにとらえられているのか。おそらく私は正しく把握しておりません。戦略コンサルティングの必要性に関する是非は、以前からも、そして今も変わらず、物議をかもしているように見えます。

 コンサルタントを使うクライアント企業側から見た時に、コンサルタントは役に立つのか、立たないのか。将来経営者になる、もしくは起業をする際にコンサルタントという職業が役に立つのか、立たないのか。世の中に絶対的に役に立つ職業は存在しないので、おそらくこの答えは各人によって異なります。

 私も戦略コンサルタント卒業生です。正直に答えると、私がコンサルティングを行ったクライアントにとって、意味があったこともあるでしょうし、意味が無かったこともあるでしょう。どれほど楽観的に考えても、残念ながら全ての企業に対して付加価値を創出できたと言うことはできません。

 また、今起業している状況において、戦略コンサルタントの経験はもの凄く役に立っておりますが、それが事業会社では経験できずに、戦略コンサルタントだけに依存しているものだったのかを切り分けることはできません。複数の企業で経験してきた十数年間が複合されて現在の私になっており、どの経験が今の私のビジネス上のセンスやスキルにどの程度貢献しているのかは客観的に計りようがないことも事実です。

 「戦略コンサルティングの経験なんて起業や事業経営においてはクソの役にも立たない。」という議論を耳にすることがあります。それでも将来起業を目指す学生や若手のビジネスパーソンにとって未だに興味のある職業なのだと思います。コンサルティングファームを卒業し、その後事業会社でミドルマネジメントを経験し、起業した私に対して、戦略コンサルタントとはどういうものなのか、自分のキャリアにとってどのような意味があったのか、といった質問を頂く機会が非常に多い事も事実です。

 この手の質問にお答えしている良書は数多く存在していると思います。私も数冊は読んだことがありますが、そうした良書が数多く存在しているのになぜ私が質問をうける機会が減らないのでしょうか。

 一つには、世の中の本には、コンサルタントを経験することにより、事業経営や起業に役に立った話もありますし、役に立たなかった話もあります。結局はどちらなのかわからないということでしょう。

 結局は”その人”に依存することなので、人により異なるという結論に帰着します。そのため、まさに”自分のケース”を判断するために質問や相談をするのだと捉えています。

 もう一つには、コンサルティング経験の本を出されている方々は、勝利をおさめた、もしくはその時点では成功をしている方々が大半です。そういった方々の多くは、最高学府を卒業し、海外トップランクのMBAを卒業し、戦略系のビッグファームを卒業しているレジュメ的にも美しい模範生の方が多いようにも思えます。(あくまで私の偏見ですので、思いますと書いています。笑)

 一方で、私は私立の学部卒、MBAも海外留学もなし、最大手の企業にも勤めていない、ブティック系の戦略ファームではなく大手コンサルティングファームの戦略コンサルティング部門、起業してこの1年大きな失敗も成功もしていない、という至って現実的にすぐそこにある世界の経歴です。ですので、比較的自分事に照らし合わせやすいのだと思います。笑

 言うなれば、成功者の武勇伝は本で読みつつ、一般人である私に対して現実的な相談をしたいということでしょう。

 よく聞かれる質問を端的にまとめると、下記の2つに収斂されます。

「戦略コンサルタントの経験は起業の役や事業運営の役に立っているか。」

「役にたっているなら、どういった経験がどのような点で役にたっているのか。」

 一つ目の答えは、「少なくても私にはとても役に立っている。」になります。これは弊社のサービス領域であるコンサルティングを実行するにおいて役に立つという意味ではありません。起業し、自社の事業として運営していく上でとても役に立っていると捉えています。

 では、「役にたっているなら、どういった経験がどのような点で役にたっているのか。」

 これには正しく答えられる力量が私にはありません。いくつかの経験に関して言えば、この経験がこの時に役に立ったと散発的には言うことはできます。

 一方で、具体的にこの経験がどの程度今の経験に寄与しているかのメカニズムを説明することはできません。

 そのため、二つ目に関しては、相談の受け手にその答えを委ねるしかありません。私がお伝えできることは、戦略コンサルタントとして何を学んだか、だけになります。

 私にできる精一杯のことは、「私がコンサルタント時代に得た教え」をあくまで主観をもとに共有することになります。そこから、この2つの質問に対する自分なりの答えを持って頂ければ幸いです。

戦略コンサルタントとは何か

 では、そもそも戦略コンサルタントとは何者でしょうか。経営コンサルタントとは何が違うのでしょうか。世の中には明確な定義は存在しておりません。そのため、勝手に私なりの解釈を書いております。

 以下はあくまで私が勝手にイメージする定義だと認識ください。

経営コンサルタント

 いわゆる白髪系のコンサルタント。今までの経験や知見をもとに、限りなく答えに近い回答をその場で経営者に指南する人。

 言い換えれば、初期仮説がほぼ最終的な答えであり、相談から回答までの時間は限りなく短い。その知識や経験からもたらされる回答に対して対価を頂いている。

 そのため、社会人経験のない学卒の新人には勤まらない職業。

戦略コンサルタント

 答えるべき問いを設定し、その問いに対して(過去の経験や知見はふんだんに活用するが)時間をかけて答えを見つけて行く人たち。

 そのため、新たな問いでも答えにたどり着くが、数週間なり数ヶ月の期間とそのための調査や仮説の検証などの作業を必要とする。

 言うなれば、(知見や経験も含まれている上で)作業に対して対価を頂いている。そのため、ある一部の作業であれば社会人経験の無い学卒の新人であれ勤まる。

 明確な区分や区切りがある訳ではありませんので、あくまで私が用いている定義です。戦略コンサルティングファームのパートナークラスやそれに近い方々であれば、自分の得意な業界やテーマであれば、基本的には経営コンサルタントと同一の動きはできます。その具体的な肉付けのためにある程度の期間を用いて仮説検証を行い、その企業にとって最も成果が出やすい提言に仕上げていくことになります。

 コンサルタントが経営的に意味のある作業をしているのか、もしかすると虚業ではないのかの、という判断はそれぞれ当事者にお任せしたいと思いますが、それでも作業を実施している側は至って本気で取り組んでいると理解してください。

 戦略コンサルタントの中で、作業を行うメンバー達は主に、アナリスト、アソシエイト、コンサルタントやマネージャーなどになると思います。名称は各ファームにより異なりますが、パートナーの下で、日々具体的な肉付け作業を懸命に行っている役割がコンサルティング会社の若手〜中堅コンサルタント達になります。

 プロジェクト期間中は土日の夜中も関係なく仕事をするため、肉体的な体力が求められますし、また誰よりも考えることを求められるため、知的な体力も必要とされます。正直仕事が好きでないと、やってられない職業ですが、今から思うと、ある程度若手のコンサルタント時代には魔法がかけられていたのだと思います。笑

 戦略コンサルタントは士業とは異なり、資格が必要とされません。そのため、なろうと思えば誰でもなれる職業です。

 だからこそ、誰よりも自らを律することが求められていました。

 それらを「前提」「心構え」「行動規範」という形で紹介していきます。

これらは相互に重複する部分もあるため、決してMECEな関係になっていないのですが、実体験をお伝えするには最前の策と思いますのでご容赦頂ければと思います。

 今後の投稿予定は下記を予定しています。

次回に続く

 

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