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Microsoft Power BI 活用レポート:Power Viewを使ってみた② ~BIツール初級版として最適

AUTHOR :  花谷 慎太郎

Power Viewの位置づけ=Tableauよりも廉価・シンプル

本特集では、Power BIの導入・活用についてレポートしています。前回Power BIファミリーの一つのコンポーネントである、「Power View」で何ができるのかを具体例を交えながら紹介しました。弊社で重宝しているBIツールであるTableauと比較しながら、Power Viewはどう位置づけられるかを見ていきます。

Power ViewとTableauの違いは?

では、Power ViewとTableauを、価格面、機能面、操作性という切り口で比較していきましょう。

価格面:導入のイニシャルコストはPower Viewのほうが安い

まず価格面ですが、Power ViewとTableauの導入のためのイニシャルコストを比較します。こちらの記事でお伝えしたとおり、Power BIには「お手軽導入」と「本格導入」がありますが、Power Viewは「お手軽導入」で利用できます。月額4,450円で導入でき、1ライセンスで5ユーザーまで使えます。一方で、Tableauは買い切り価格約20万円で、1ライセンスで2ユーザーの利用が可能です。

イニシャルコストは、Power Viewのほうが安く、月額料金なので、安価での試用が可能となります。

機能面:Power ViewでできることはTableauでもできる

前回の記事では、Power Viewでできることとして、「多次元データをさまざまな切り口でビジュアライズでき、100万件を超えるデータでもスムーズに試行錯誤できる」ということをダミーデータ処理の動画とともに紹介しました。実は、同じことはTableauでも実施できます。例えば、前回ご紹介した、「購買時間帯ごとの購買傾向の差異 ~性別・年代」や「購買時間帯ごとの購買傾向の差異 ~商品カテゴリー」といったグラフ作成はTableauでも簡単に実施することができます。ここではタブローでの2つのグラフ作成を動画で紹介します。データは前回と同じ、小売業の220万のダミーデータです。

購買時間帯ごとの購買傾向の差異 ~性別・年代 in Tableau

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=FSEC_72c2kQ&feature[/youtube]

購買時間帯ごとの購買傾向の差異 ~商品カテゴリー in Tableau

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=W2vdMBvZtKw&feature[/youtube]

操作の仕方は違いますが、Power Viewでサクサク作成したグラフを、Tableauでも同様にサクサク作成することができます。

機能面&操作面:Tableauの気が利いているところ

ここからは少し主観も入りますが、上記に加えて、私がTableauを利用していて、Tableauが気が利いていると感じる機能面と操作面でのポイントを3点ほど紹介します。

1. 色の濃淡での表現ができる

Tableauでは通常の2次元で表現されるグラフに加え、色の濃淡での値の大小の表現が可能です。具体例を見てみましょう。上述の小売業220万レコードのダミーデータに平均利用額という項目を加えました。性別・年代ごとの売上高を横棒グラフで作成し、そこに性別・年代ごろの平均利用額の大小を色の濃淡で見ることができます。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=snEFMuSTWvc&feature[/youtube]

この場合は、緑色の濃淡で平均利用額の大小を表現しています。男性では40代、次いで60代以上の平均利用額が高く、女性では、30代・40代・60代以上の平均利用額が高いことが一目でわかるように表現されます。

2. 時系列単位の柔軟な変更

少し特殊な分析になりますが、弊社では、ソーシャルメディアデータの分析や、ログ関連の分析を実施するときに、時系列で発言数やログ数を見るという機会は多いです。その時に時系列の単位を月⇔週⇔日⇔時間⇔分(⇔秒)と変えて、一番効果的な時系列のスケールで発言数やログ数の変化を見たいというケースが頻繁にあります。そのニーズに対して、Tableauでは時系列単位の変更を簡単に実施できます。例えば、ソーシャルメディアの発言数データサンプルで、時系列単位は以下のように変えることができます。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=RUF89FHgQ1I&feature[/youtube]

このように時系列単位をクリックやドロップ&ドラッグで瞬時にサクサク変更できる機能は、弊社の場合非常に重宝しています。

3. Amazon Web ServicesのRedshiftで処理した最終テーブルに簡単に連携でき、それをビジュアライズできる

弊社ではAmazon Web Services(クラウド)のビッグデータ向けDWHサービスであるRedshiftで分析している案件もあります。その際に、Redshiftで作った最終テーブルにTableauからダイレクトにアクセスして、Tableau上で処理し、ビジュアライズしている。RedshiftからTableauへのデータの取り込みがスムーズで、作業効率をあげてくれる非常にありがたい機能です。

———

ここに紹介した1と3はPower Viewにはない機能ですし、2はPower Viewでも関数を書けば表現できると思いますが、Tableauほどは簡単にサクサクと操作できるわけではありません。これらは、BIツールとして必須な機能というわけではないですが、特定の表現をしたいときにありがたい気の利いた機能・操作性がTableauにはあります。

Power BIとTableauのどちらを使う?

さて、このようにPower BIとTableauを比較してみましたが、これからBIツールを導入したいと検討されている方は、Power ViewとTableauのどちらを利用すればいいでしょうか?

主観を含みますが、ここまで紹介してきたことを纏めると以下のようになります。

1. Power Viewは、100万行を超えるデータを”サクサク”ビジュアライズでき、BIツールに求める基本要件を十二分に満たしている。
2. TableauはPower Viewでできることはほぼ全てできる。しかも”痒いところに手が届く”(機能・操作性)の魅力。AWSのRedshiftでの作ったテーブルに連携できるのも優れた点。
3. 導入のイニシャルコストは、Power Viewのほうが安い。

上記を踏まえ、これから「BIツールを導入」する方は、まずは低額のPower Viewで自社の分析結果をビジュアライズを試行してみた上で、自社の分析要件に対して十分か否かを確認することをオススメします。Power Viewの機能で、十二分である、という場合も多いでしょう。

その後、先述したような「Tableauでしかできない機能」や「Tableauならではの操作性」を求めるのであれば、Tableauの導入を検討すべきではないかと思います。

尚、弊社では、TableauもPower Viewもすでに導入していますので、各々の特徴を活かしながら併用していこうと考えています。

前回、今回とPower Viewについてみてきましたが、次回はPower BIファミリーのもう一つの強力なビジュアライズのコンポーネントであるPower Mapについてご紹介します。

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