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ギックスの本棚/ゼロ秒思考 ~頭が良くなる世界一シンプルなトレーニング~ 赤羽雄二著

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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「できる奴」の思考回路をトレースする

ゼロ秒思考  頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

本書は、マッキンゼー出身の赤羽氏が、「考え方」と「その実践方法」を語った本です。

非常に実践的ではありますが、さらっと読めば30分で読めてしまいます。ですので”読み方”が重要だと僕は思います。

「考え抜け」って、何のことか分かってる?

コンサル界隈では「考え抜け」「もっと考えろ」「ほんとに考えたの?」「浅いんだよ」「んー」「・・・」みたいなレビューを日々、小耳に挟みます。

しかし、それは「訓練したことが無い人」には、「何を言われているのか分からない」という、現実的には非常に意味が薄いレビューだったりします。では、誰ならば「訓練したことがある」のか?実は、そんな人は殆どいません。

はじめに より引用します。

「もっとよく考えてください」「この考えは浅いね」などと言われ、深く考えることを要求されていることは分かる。深く考えられると、なんだか素晴らしいことができそうな気もするが、みなその具体的な方法論を知らない。こうかな、と思ってもあまり自信がない。

思い起こしてみれば、日本では小学校の時から、考える訓練、効果的に考えをまとめる訓練がほとんどなされていない。自分の考えをどのように深めていくのか、という教育は若干の作文の時間以外ほとんどなされない。(中略)ましてや、考えるプロセスや悩みへの対処法などは到底カバーされていない。

日本の学校教育において「考える訓練」というのは殆どなされていないのが実情です。そして、社会に出たからと言って「体系的に、”考え方”を考える」という機会も殆どありません。

で、あるが故に「もっと考えろよ」と言っている上司や先輩も、実際のところ「考えるって何?」ってことが良くわかっていないことも多いのです。カオスですね。

考え抜く とは 適切に言語化すること

この本の「見出し」は非常に良くできています。それぞれの見出しが、その章立てを見事にサマライズしています。「目次」を読むだけでも、非常に示唆深いです。

第1章「考える」ためのヒント

  • 頭に浮かぶイメージ、感覚を言葉にする
  • 言葉を自由に、的確に使うことを目指す
  • 言葉の中心的意味と揺らぎをとらえる
  • 浅い思考、空回りの思考を避ける
  • 「沈思黙考」も「話すだけ」もむずかしい

非常に良いですね。これらをスッと理解でき、また実践できているなら、あなたは「考えられる人」だと思います。

この第1章の「見出し」を解説すると

  • 「考える=言葉にすること」。
  • その際、正確な言葉で表現しないと、他人に説明するどころか自分自身が物事を整理できませんから「的確な言葉選び」が重要。
  • その正確性において「人によって意味合いが違うあいまいな表現」を理解し、排除する若しくは使い分けることが大切。
  • また、「深く考えないで表面的に捉える」とか「言葉の定義をもやっとしたまま感覚的に使う」とかで考えたつもりになりがちだが、それはダメ。
  • 黙って考えても行き詰まるし、人に聞いてもらうだけでもまとまりにくい(だから、書け)

というようなことになります。詳細は、原典にあたっていただくとして、この章は「考える」ということを定義してくれています。

そして、(ここが非常に重要なのですが)この見出しは「できる限り正確に、言葉によって表現した」好例です。これが「考えた結果」ということになるわけです。

書く は非常に大切。書かない奴は考えてない。

この第一章を踏まえて、2章以降は手法(メモ書き)の話になります。

尚、コンサル界隈ではきっと常識だと思うのですが、「書かれない思考は、思考ではない」です。(関連記事:プレゼンのコツ 資料に落とし込む)本書でも「メモ書きをしろ」「まずは書け」と繰り返し語られますが、「書く」ことは「考える」と同義と言っても過言ではないと思います。

「書く」ということは、思考を”具体化する”、”視覚化する”ということです。そして、それは思考を”客観視する”ことにつながります。主観的に物事を捉えているだけでは、思考が深まりません。ですので、本当に「深く考えたい」とあなたが願うのであれば、客観的に物事(や、自分の考え)を捉えることが重要です。(関連記事:ギックスの本棚/読むだけですっきりわかる国語読解力

繰り返しになりますが、「書く」ということは「言語化する」ということなので、言語化できない人は”書けません”。つまり、書くことから逃げた時点で、考える事(言語化すること)から逃げています。まずは、そのマインドセットを変えましょう。「いま、考えてます」って言いながら机の前に座ってる人の大半は、控えめに見ても、脳みその60%くらいを「今夜の晩御飯」及び「昨日飲んだ女の子」に使ってます。 PCの前で、手が止まってる状態も同じです。

実践できるかどうかは別問題→やってみないと始まらない

この本には、非常に良いことがたくさん書かれていますが、正直な話、上記の「マインドセット」を変えないと何の意味もありません。頑張ってる、という自己満足で成果を出せない人は、往々にして「頑張ってると思ってる」だけだったりします。(そもそも、自分のマインドセットが良くわからない、という人は、「夢をかなえるゾウ」を読んでください。ウダウダ言ってないで実践することが重要だ、と教えてくれる良書です。 関連記事:ギックスの本棚/夢をかなえるゾウ もご参照ください。)

本書を、まずはサラッと読もう。

というわけで、冒頭に述べた”読み方”のお話です。

まずは、1回さらっと読みましょう。読む速度が遅い、というひとでも1時間はかからないと思います。(僕は15分でした)

深く考えない人は、多分、この本をさらっと読むと「わかったつもり」になります。実際に、僕の身近な人でも、そういう人がいます。が、それではダメです。そんなことでは成長しません。(本書を買った意味もありません)

次は実践だ。

本書は「書く」(特に、メモを書く)ということに主眼を置いて説明されます。これを「実践」しましょう。

猿真似でOKです。いいんです。素直に「やる」ことが重要なんです。

p.96で「レベル感」、p.176で、レベル感を踏まえた「ロジックツリー」について語られます。また、p.120あたりで「文具にコダワる意味」が語られます。これら全て、考える職業の人にとって必須の事項です。良くわからなくても、いいから猿真似しましょう。

この「猿真似フェーズ」を徹底的に、真剣にやりつくすこと、が次に活きます。

最後に「ちゃんと考える」

前述の猿真似フェーズを「実践」できたあなたは、その時点で「読んでわかったつもりになった大半の読者(というか、本の購入者)」よりは何十歩も先に進んでいます。だからこそ、ここで「一度立ち止まって考える」ということができるかが、後々の成長ができるかどうかの大きな分かれ目になります。

非常に残念なことに、著者の赤羽氏自身が「当たり前のように”考えることができる”人」であるが故に、本書に書かれている「こういう場合、普通、こういうふうに思うでしょ?」という説明そのものが、『考えたことが無い人』には理解できないと思います。

しかし、前述した通り、本書を一度読み通し、きちんとその内容を実践した人、は、赤羽氏の思う最低ラインを満たした(というか、前提条件を共有できた)わけです。そんな貴方は、きっと「自分自身の思考プロセス(”考え方”)を考える」ことができるようになっているハズです。

この「立ち止まって考える」フェーズは、早くて3ヶ月後(これは、コンサルファームで1プロジェクト寝る間も惜しんで追い込まれた場合ですね)に訪れます。それなりに”頑張って過ごした”場合では1~2年後でしょうし、のんべんだらりと普通に生きてると永遠に訪れません。どれだけ早く、このフェーズに辿り着くか、が成長の鍵だと僕は思います。

できる奴になりたいなら、答えは「自分の中」にしかない

世の中には「できる奴」はたくさんいます。そして、そこに至る「方法論」もたくさんあります。その方法論のどれが自分に適するか、は、様々な要因があるため、一概には言えません。(たとえば、本書の主題である「ゼロ秒思考」と似た概念として、僕は「思考のショートカット」というものがあると考えています。)

それら無数の手法が「自分に、合うか合わないか」を判断するためにどうするか?

答えは「やってみて判断する」しかありません。

世の中には唯一無二の答えなんてありませんし、万能の手法もありませんから、「自分で試してみる」ことが重要です。誰かが答え・正解を教えてくれる、と思っている時点で、自分の成長を他人に委ねてしまっていることになります。

本書は、非常に平易な文体で、とても論理的且つ整理された形で書かれています。だからこそ「わかったつもり」にならずに「本書に書いてある通りに実践してみる」ことをお勧めします。「知っている」と「できる」のギャップを知るのに、本書は最適ですから。

そして、その「実践」をし、さらに「立ち止まって考えた」上で、自分に合う・合わないを判断し、次のステップ(別の書籍・方法論)に進みましょう。ローマは1日にしてならず、といいますしね。気長に行きましょう。

 

ゼロ秒思考  頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

 

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