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基礎から学ぼう!長並列型仮説思考(第4回):長並列型仮説思考の使い方 パターン① 情報長並列型

AUTHOR :  網野 知博

  長並列型仮説思考は2つのパターンがある 初心者編

前回はデートというシチュエーションにおいて、皆さんは既に長並列型仮説思考を実用していると言うことをお話しました。今回は少し真面目な話に戻して、長並列型仮説思考の考え方のパターンを説明していこうと思います。

長並列型仮説思考のパターンは「情報長並列型」と「仮説長並列型」

まず、長並列型仮説思考には「情報長並列型」と「仮説長並列型」の2パターンがあるのですが、今回は「情報長並列型」をお話していきます。


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情報長並列型の仮説思考

情報長並列型の仮説思考ですが、どちらかというと、こちらは初心者向けの仮説立案方法になります。

まずは仮説を立てるために「答えるべき問い」が設定されます。簡単な例で紹介すると「トーマスくんはなぜ困っているのか?」、「今日の天気はどうなりそうか?」などになります。この答えるべき問いに対して、仮説をたてるために必要となるインプット情報は何になるのか。これらをロジック・ツリーなどを活用しながら、答えるべき問いに必要となるインプット情報を網羅し、それを理解することから始まります。

トーマスであれば、極端な話ですが、全ての「きかんしゃトーマス」を見て全てのトーマスの困り事を理解することで、困っていることの仮説を立てることができます。もう少し気が利くやり方としては、10話程度を見て、「誰かに意地悪されるケース」、「自らミスをするケース」、などパターン分類をして困り事の仮説を立てるためのオプション出しを行うこともできます。その仮説のオプションから、確率、インパクト、優先度、実現度などを踏まえて、ベストと思われる回答を出していく形になります。ぶっちゃけで言えば、もの凄く泥臭いアプローチを取ることにより誰でもこのような仮説を立案することができます。

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情報長並列型仮説思考からの成長に向けて

先の例で言えば、「トーマスくんはなぜ困っているのか?」であれば、私の息子はすぐに仮説のオプションを出し、その中から最善の仮の答えである仮説を導き出すことができます。なぜなら、彼はきかんしゃトーマスに関して情報通であり、いわばベテランなのです。同様に「今日の天気はどうなりそうか?」と言う質問はどうでしょうか?私の息子は現在は4歳児であり、残念ながら天気に関しては素人なので、空をみて判断する、天気予報や東京アメッシュを活用して天気の仮説を立案することは不可能です。ですが、この記事を読んでいる皆さんはおそらくは天気に対する仮説を立案することはベテランだと思いますので、複数の情報からいきなり精度の高い仮説を立案できると思います。

ここがひとつのポイントで、仮説立案のプロである以前に、自らがある程度知っている業界であるか否かで仮説立案の効率と精度は大幅に異なってきます。仮説思考の本を読んでも直ぐにビジネスの世界で直ぐに仮説思考のプロになれないのは、皆さんが仮説を立てるビジネスの世界、対象となる業界に対して素人であるという可能性もあります。仮説立案のスキルに長けたコンサルタントであっても、未知の領域の仮説をいきなり立案することはできません。その場合は、下記で言う「駆け出し」のようにある程度網羅的なアプローチを取らざるをえません。

仮説立案の手法を学びプロ級の腕前になるのと、その領域に長けていると言う両方が揃わないと下記の「ベテラン」レベルにはなりません。天気の仮説のプロになりやすいのは、仮説のオプションが「晴れ、曇、雨、雪」程度に少ないからだとも言えます。一般のビジネスの世界ではいきなり可能性の高い仮説を立てることがなかなかできないのですが、それは「仮説立案のスキルと対象領域の知識」の両方が揃わないことが多いからです。それを理解せずに、仮説立案の本を読んで付け焼き刃のまま仮説立案を行うので、世間からは「思いつきアイデア」と言われてしまうことになります。

 

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次回はこのベテラン領域に入った人達のアプローチである「仮説長並列型の仮説思考」に関して説明をしていきます。

目次

第1回:そもそも仮説ってなんだろうか?
第2回:長並列型仮説思考とはなにか 〜「そら・あめ」のケーススタディから考える!
第3回:長並列型仮説思考とはなにか 〜初デートのケーススタディから考える!
第4回:長並列型仮説思考の使い方 パターン① 情報長並列型
第5回:長並列型仮説思考の使い方 パターン② 仮説長並列型
第6回:仮説立案のプロフェッショナルに向けて

※本連載はschooにて行われた授業を元に記事化しております。
http://schoo.jp/class/660

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