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基礎から学ぼう!長並列型仮説思考(第6回):仮説立案のプロフェッショナルに向けて

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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量が質を凌駕する

本日がいよいよ最終回になります。長並列型仮説思考には「情報長並列型」と「仮説長並列型」の2パターンがあり、仮説立案の初心者、いわば駆け出しの頃は「情報長並列型仮説思考」のアプローチを取り、ある程度慣れてきたベテランレベルなら「仮説長並列型仮設思考」になります。更にプロ級になれば「仮説短並列型仮説思考」として、いきなり筋の良い仮説にたどり着くことも可能になります。ですが、いきなり仮説の初心者が「仮説短並列型仮説思考」をやろうとしても、ただの思いつき、当てずっぽうの域をでることはありません。

では、このプロ級を目指すにはどうしたら良いでしょうか。答えはひとつしかありません。訓練あるのみ、努力あるのみです。キーワードは「量が質を凌駕する。」になります。

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アマチュアとプロフェッショナルの決定的な差

野球の例で考えてみましょう。私が大リーガーのツーシームの打ち方を本で学んだとします。いきなり大リーグに行って、ダルビッシュ投手のツーシームを打てるでしょうか?

イチロー選手や前田智徳選手は天才と言われるのを非常に嫌っていたと聞きます。彼らは人一倍誰よりも考え抜きながらバットを振ってきて、試行錯誤して努力しまくって、準備の上の準備を重ねた結果として試合での成果と捉えているので、それを「天才」と言う一言で片付けられることに非常に嫌悪感を覚えていたようです。

あえて野球の例を出しましたが、野球では本を読んですぐに打てるようになると考える楽観主義者は皆無ですし、皆さんもそんなことは期待しないでしょう。ではなぜビジネスの世界になると本を読んですぐに実戦で使えると考えてしまうのでしょうか。海外のトップランクのMBAを卒業した優秀な方々でもすぐにビジネスの世界で実践的に活躍するとは限りません。少なくても、彼らは2年間も猛勉強をしてきたにも関わらず。それなのに、たった3時間程度本を読んで、それで即戦力としてすぐに実戦で使えると想定するのはあまりにも虫の良い話ではないでしょうか。

私が研修やトレーニングの講師をしている時に、「ああ、もうそれ知っているよ。」「それやったけど意味なかったんだよね。」などという声を聞くこともあります。ですが、そのケースの多くが、「知っている。」「使ったことがある。」に留まっていて、「モノゴトの本質を捉えた上で、使いこなしている。」と言う状況には程遠い場合があります。

この仮説立案のスキルも同様です。「本を読んですぐにやってみたレベルの思いつき仮説立案」は役に立ちません。仮説立案素人がモノゴトの本質を捉えないで「カセツカセツ」言いながら思いつきの持論を振りかざすくらいなら、仮説なんて言わないで、愚直に網羅的に考えろと言う方が有効かもしれません。最近増え始めた世の中の仮説不要論者は、このようなことを伝えたいだけであり、本質的には仮説重要論者の私と同じ考えなのかもしれません。私もいきなり「短並列型の仮説思考」を目指すのは間違えだと思っており、まずは愚直に「情報長並列型の仮説思考」からひたすら訓練を繰返し、徐々にステップアップを行っていくべきだと考えております。

 

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大前研一さんのトレーニング法

大前研一さんはマッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントに成り立ての時に次のようなトレーニングを繰返して仮説思考を鍛えていったと言われています。

「通勤電車の中で短時間で問題を分析して解決策を提案する練習。電車に乗って最初に見た広告でその日のテーマを決め、問題を解決する方法を考える。」

知らない業界に対して最初からいきなり問題解決の仕方を考えるのは難しいかも知れません。その時は、何を調べたら初期仮説の候補を立案できるか、そしてどのように初期仮説を立案し、どのように検証・証明していくか、などのアプローチを考えてみるのでも良いと思います。実は私も若かれし頃に実践したトレーニング法になります。

クリエイティビティ

最後に努力に向けて蛇足ながら少しだけ補足をしたいと思います。

残念ながら「最高レベルのものがすぐに身につくTips」は存在しません。1週間で英語がペラペラになるという本を読んでペラペラになった人に会ったことがありません。ですが、3ヶ月や半年愚直に訓練してペラペラに話せるようになった人にはたくさんあったことがあります。

少し前にソーシャルメディア上で話題になったネタです。ナレッジ、エクスペリエンス、クリエイティビティに関して非常にうまく表現した図になります。仮説立案の仮説も高度な「短並列型」の場合は一瞬のクリエイティビティに感じることがあります。ですが、点からどんな動物を描けるかと言う問いと、直線だけでなく曲線を使ってみようと言う前提があり、猫と言う仮説を立案することになると思います。短期的な発想法なら「点から猫の絵を発想する方法」と言う練習方法で良いのかも知れませんが、それが実際に意味があることとは思えません。

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良い仮説は「問いの設定力」と「アナリシス・シンセシス」の掛け算から創出されます。そして「仮説を出すための問う力」と「仮説立案の力」はどちらか伸ばすというより、表裏一体と言うか相関して伸びていくものだと考えられます。まだ仮説立案の素人の方は、どのような問いを設定するか、どのようなインプット情報を得るか、どのようにその情報を長並列で束ねるか、どのように複数の仮説候補を出すか、どのように複数の仮説候補から有力な仮説を取捨選択するか、などを順序立てて訓練していくことが結局は仮説立案のプロに向けた近道だと思います。

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最後にもう一度伝えたい言葉があります。「量が質を凌駕する。」

目次

第1回:そもそも仮説ってなんだろうか?
第2回:長並列型仮説思考とはなにか 〜「そら・あめ」のケーススタディから考える!
第3回:長並列型仮説思考とはなにか 〜初デートのケーススタディから考える!
第4回:長並列型仮説思考の使い方 パターン① 情報長並列型
第5回:長並列型仮説思考の使い方 パターン② 仮説長並列型
第6回:仮説立案のプロフェッショナルに向けて

※本連載はschooにて行われた授業を元に記事化しております。
http://schoo.jp/class/660

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