【”考え方”を考える】物事を「プロジェクト」として捉える|ダイエット編(完結):Check&Actionの実践

AUTHOR :  田中 耕比古

為せば成る

プロジェクトマネージメントの視点でダイエットを捉える、という記事を以前書きました。今回は、その続報です。(ちなみに、ダイエットが主なのではなく、プロジェクトマネージメントが主でダイエットが従、という主旨なのですが、ちゃんと伝わってますでしょうか?笑)

過去記事:”考え方”を考える|物事を「プロジェクト」として捉える ダイエット編

目標達成できたのか!?

さて、5月初より取組みを開始し、5月19日以降、禁酒にも取り組んできた結果は、以下の通りです。

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連載第1回で、目標としてセットした「大学卒業時の体重=58㎏」には届きませんでしたが、3ヶ月で7.1kgの減量ができましたので、僕自身としては満足できる結果となっています。また、体重はあくまでも「日々計測・管理可能な指標」としてセットしましたので(このあたりは、第1回をご一読ください)、本来的なターゲットであった「中性脂肪の数値を改善する」という部分では”成功”と言って良いでしょう。

というわけで、一旦「完全禁酒」はこれにて終了とし、「減酒」および「体重管理」を継続していくこととしようと思っています。(尚、58kgを目指す気持ちは、まだ失っておりません。)

 結果分析:停滞期とかあったの?

日々管理可能な指標としてセットした「体重」の推移を見てみましょう。目標としてセットした100g/日の減量は実現できませんでしたが、着実に結果が出ていることが分かります。

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毎朝体重計に乗っていると、前回記事の7/1以降は「停滞している感」が満載で、心理的にはキツかったりもしたのですが(上記グラフでも横ばいしている印象を受けませんか?目標ラインとの乖離も焦燥感を煽ります)、見方を変えるとこうなります。

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このように、5日移動平均でみると、全体傾向としては「ジリジリと下げている」ことがわかります。

また、実際に「前日と比較した体重変化」を見ても「停滞していた」とは言い難いこともわかります。

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※「全期間」の減少回数が35回なのは、8/1の計測分も含んでいるためです。

大切なのは、結果よりもプロセス

結果はさて置いて、「プロジェクトマネージメント」という観点で、前回記事以降、どういうCheck & Action を行ってきたのかについてご紹介していきたいと思います。

Check及びActionについて

上記の通り、結果を振り返れば「停滞していたとは思えない」ということになるわけですが、実行中のCheck&Actionプロセスにおいては、「停滞の検知」と「改善策の検討」を行うことが重要です。

7/1~の1週間をみてみましょう。

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前回記事以降、7/1~7/7までの体重変化をみると、1週間停滞しています。いわゆる「停滞期」だという自己判定により、7/8よりアクションを実施します。

尚、詳細は第3回をご覧いただきたいのですが、今回の「プロジェクト」におけるCheck&Actionの”考え方”はこのように定義しています。

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今回の場合、「禁酒」「野菜の積極摂取」「間食の炭水化物をやめる」の3つの打ち手は継続的に行っていましたので、上記表では「NO」→「NO」で一番下の”施策の見直し”となったわけです。(つまり、第1回で「効果が小さい」として後回しにした施策群に手を付ける、ということです)

追加施策(1)運動量の増加:7/8~

というわけで、消費カロリーを増やしてみることにしました。

  • ウォーキングの頻度を少し増やす(週末に加えて、平日でも可能なら1時間程度の散歩をする)
  • 筋トレ(軽めに)を開始。腕立て伏せで大胸筋を刺激する。
  • 階段を使うことを「より」意識する。

これを実行しながら、一週間モニタリングを行いました。

その結果・・・

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残念!まったく効果なし。7/14時点でもしっかり停滞しております。どうやら62kgあたりに「壁」があるようです。

そこで食生活を振り返ってみると、7月初からは、禁酒・間食の禁止は継続しつつも、居酒屋・お寿司屋さん・イタリアン・焼肉、と結構ガッツリな外食(仕事関係が大半)が続き、さらに、プライベートでも友人宅のホームパーティーでラザニアをたらふく食べるなどの「ダイエッターにあるまじき生活」でしたので、それらも影響しているのかもしれない、と深く反省。ということで、「レコーディングダイエット」的な事にも取り組むこととしました。

追加施策(2)摂取カロリーの管理:7/15~

「カロリーコントロール」を意識するために、食べたもののカロリーを記録することにしました。(追加施策(1)も継続)

無料アプリを3種類入れてみて、3日間ほど並行運用し、一番使い勝手の良いものを選びました。(その結果、「楽々カロリー管理」となりました。)

楽々カロリー管理

余談ですが、このアプリは「便利に使い続ける」ために、①他のアプリのインストールをする、②お金を払って制限解除する、の選択を迫られます。ご注意ください。(僕は①としましたが、wifi環境でないと、指定されたアプリをインストールしたことが上手く連携されないので、そのあたりもご注意ください。)

で、記録した結果ですが、

  • 7/15: 昼食)ラーメン+ライス、 夕食)サラダ×2、お豆腐 →1,320kcal
  • 7/16: 昼食)生姜焼き定食 夕食)枝豆、冷奴、サラダ、鶏のから揚げ、餃子  →1,550kcal

と言うことになりました。思ったより「食べてない」ことが判明したわけです。しかし、これに、生ビール4杯=808kcal を足すと・・・

  • 7/15: 1,320kcal → 2,128kcal
  • 7/16: 1,550kcal → 2,358kcal

と、(ダイエットをしない場合の)標準摂取カロリーの目安 2,200kcalに近しくなります。ここに、おつまみや、シメの炭水化物を加えると・・・そりゃ、太るわー。って感じですね。禁酒効果の絶大さを痛感。

その後、7月末日まで、実際に記録した結果がコチラ。

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7/18は食べ過ぎたかな、などの具体的なモニタリングが可能となり、「Check」が容易になると共に高度化されました。また、「カロリーを調べて入力するのが面倒くさい」という理由で、間食などをする意欲がさらに低下することもわかりました。

その甲斐あってか、レコーディング開始後に、体重の減少傾向が(やや)見えるようになりました。

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追加施策(3)運動量の増加 part2:7/18~

上記施策(2)に取り組んだところ、摂取カロリーは、7/15、16と2日間記録した時点で「思ったよりも食べていない」ということが分かりましたので、これによる劇的な改善が難しいだろうと感じました。(「食べ過ぎ」を減らす効果はあるが、減量加速になるか疑問だったわけです。)

そこで、追加施策(1)に加えて、「ガチの筋トレ」を追加しました。スポーツジムに通ってウェイトトレーニングを実施して、運動による消費カロリー増と筋肥大による基礎代謝UPを目指すのです!(みなさん、あまり興味ないと思いますのでサラッと書きますが、レッグプレス、チェストプレス、フロントプルダウン、サイドレイズ、ダンベルカール、トライセプスプルダウンを12RMで10回x3セット という感じです)

7/18~7/31までの14日間で、5回のトレーニングを実施。3日に1回ペース、という「筋トレ入門書」に書いてあるような理想的なペースで実施しました。

その結果(因果関係は不明ではあるものの)体重の減少傾向が見え始めました。※前掲のグラフと一部の期間が重なります

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このように、状況を正確に把握する「Check」プロセスと、その状況に対して改善策を考える「Action」を短サイクルで繰り返すことができれば、プロジェクトは成功に近づきます。

関連記事:ギックスのコンセプト「大きなPDSと小さなPDCA」

最初から、できることをすべてやろうとする、のは効率が悪い

上記のように「Check & Action をしっかり行う」という前提であれば、全ての施策を最初にやる必要はありません

全部やる、と決めて、中途半端になるよりは、コレとコレだけは確実にやる(≒効果が高い/RoIが高い と思われるものから優先度をつけて行う)、と決めて、それを徹底的にこなす方が良いと思うのです。「思い付くものは全部やる」と最初に決めて実行できなかった場合の”改善策”は、前掲した「Check&Actionの考え方」チャートの「真ん中」の”決めた施策をちゃんとやる”になってしまうわけです。これは、非常に効率が悪い状態です。なんのためにPLANしたのだか・・・いやはや。

いわゆる「急がば回れ」と言うヤツですね。着実に、一歩一歩が大切です。狼男を撃つ銀の弾は無いのですから。

ということで、4回に渡って「プロジェクト管理」の視点でダイエットを取り上げてみました。何度も繰り返して恐縮ですが、”ダイエットはあくまでも事例”です。実際の業務においても同様の考え方を活かし「成果」を生み出していただければと思います。

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