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ギックスの本棚/ドラクエⅧ (play with iPhone6)|携帯でできるゲームと携帯ゲームは違うんじゃないか

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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iPhone6でドラクエをプレイしたオッサンが思うこと

祝日(秋分の日)ですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

さて、先日、発売初日にいきおいこんで話題のiPhone6を買ってみたのですが「画面が綺麗で薄くてバッテリーが長持ち」という”いいことづくめ”だと感動する一方で、そんなナウな端末で僕がやることと言えば、メール、カレンダー、フェースブック、ツイッターくらいなもので、テクノロジーの粋を集めたデバイスに対して失礼なんじゃないか・・・と思っておりましたところ、なんとドラクエ8アプリ(通常2,800円)が、1,000円引きの1,800円となっておりまして、こういうのが「実力を発揮できるコンテンツなんじゃないか?」という言い訳を声高らかに叫びまして、嫁に内緒で購入してしまった次第です。怒られてます。

そんな最新端末で10年前の最新作ドラクエ8をプレイしながら「ゲーム」について感じたことをツラツラと書かせていただきます。休日ということで、ユルい感じでご容赦くださいませ。

ドラクエは凄い。

まず、ドラクエですが、以前、ドラクエ4をiPad miniでプレイした際にも思ったのですが「すごい良くできてる」RPGです。(関連記事:ドラゴンクエストⅣ: 「第三章 武器屋トルネコ」|実は、ファミコン版キッザニアだったのではないか?

そして、ドラクエ8は、映像も良くできています。プレステでリリースされた頃に「おおっ」と思ったあのドキドキが、iPhone6の画面で、バッチリ再現されています。美しい。(ちなみに、iPad miniだと、画面が大きい+解像度が低い ということで、イマイチ流麗感を楽しめません。)

操作性に関しては色々な意見があると思いますが、なんにしても「RPGとしてのクオリティ」は、サスガとしか言いようがありません。名作です。

しかし、携帯ゲームではない

しかしながら、これは、携帯電話でやるゲームではないです。デバイスが携帯できる、という意味では携帯ゲームですが「スキマ時間でちょっとやる」というものではありません。当たり前です、そもそも、そういう目的で作られていませんから。

もちろん、携帯されるため「ちゅうだん」というコマンドで、フィールド上(敵が出るような所)では自由に保存できます。また、これは「ゲーム専用機で遊ばれるソフトウェア」ではなく「携帯のOS上で動くアプリ」という性質上、フリーズや異常終了が起こってしまうことに対する対抗策でもあります。そういう意味で「携帯電話で、遊ぶための工夫」は十分されています。

とはいえ、上述の「ちゅうだん」は、街や城、建物の中では使えません。教会に行って「おいのりする」ことで、「冒険の書」に記録するしかないわけですね。

たったそれだけのこと、なのですが、これがかなり致命的です。(一応、オートセーブ機能もありますが、100%信じられるわけでもありませんので。)

街は広大

なぜか。そこにはいくつかの理由があります。

まず、街の広さが携帯ゲームに向きません。正統派RPGとして、頑迷なまでにまっすぐ突き進んできた「スクウェア・エニックス」名で初のドラクエとなった本作の街はとても広く、複雑です。そして、いろんな情報を集めたり、いろんなアイテムを見つけたりします。

アイテムのみならず情報も、その内容そのものよりも「その話を聞いた」ということが重要だったりしますので(別のイベントのトリガーになる)それをやってる最中に「ちょっと、やめたい」という場合には相当困ります。(また、それを怠ると、その広大な街の中での全てのプロセスを全部やり直す、という悲惨なことになります)

イベントが長い

また、イベントが長いです。これは、2つの意味で携帯向きではありません。

1. そもそも、ムービーが長い

当時としては画期的な「CGっぽくない(アニメっぽい)ムービー=FFっぽくなくてドラクエ(っていうか鳥山明)っぽい」ムービーは、非常にスムーズで、僕たちを物語に惹き込んでくれます。素晴らしい。

が、携帯向きではない。電車に乗りながらプレイしていて、目的の駅についてしまったら・・・途中で止めることもできません。

2. ムービーが終わっても、そのまま次のイベントムービーに入ることがある

これも、RPGとしての演出上は最高だと思います。物語性があり、まさに「主人公というロール」をプレイしている感じになります。

然しながら、このムービーとムービーの間に移動などの操作ができる場合にも、そのイベントが前述の”街や城の中”で起こっている場合は「ちゅうだん」ができるわけではないので、スキマ時間でのプレイには向きません。(そして、大半のイベントは街や城の中で起こります)

我慢強さが求められるゲームは、スキマ時間潰しには向かない

そういう意味で、ドラクエ8は、完全に「我慢強く、集中して楽しむゲーム」です。

本来的な設計が、座り心地の良い椅子に座って大画面でやるべきゲーム、つまりコンソールゲームです。(要するに、僕たち30代以上の世代が愛した、古き良きゲームです)

例え懐古主義だと言われようとも、僕自身は愛してやまないと自信を持っていたのですが・・・その自信は崩れ去りました。もう、ゲームに対して、そこまでの情熱を注ぎ、徹底的に数百時間を投下して”やりこむ”ことなんてできそうにありません。(やる気の問題よりも、時間的制約の問題かも。)

モバゲー、グリーの”ピコピコゲーム”は間違ってはいなかった

何年か前に、DeNAの南場さんの講演を聞く機会があったのですが、彼女はこんなことを言っていました。(発言要旨です)

「ほんとに仕事仕事で毎日寝てなくて、疲れ果てて、そういうときに、タクシーの移動時間とかでピコピコってやると、ホッとしたんですよね。いや、ほんと。いいゲームだなって(笑)」

これを、当時の僕は「ポジショントークだ」と思いました。しかも、これは某大学での学生向け講演(僕は社会人大学院生の友人と一緒に参加してました)だったので、「ああ、あざといなぁ」なーんてことを思っていました。

でも、今となって思い返すと、「携帯ゲームなんて、ほんとにそんなもの」だったのではないかと思うのです。

僕はゲームの専門家ではありませんし、最近の携帯ゲームをプレイしたこともありません。(3ヶ月以上やり続けたのは、Infinity Bladeシリーズと、Candy Crushくらい。脱出ゲームは20~30種類。あとは、LINEツムツムを2週間ほどやってみたくらいです。ちなみに、ファイナルファンタジーは7=クラウドvsセフィロスが最後にプレイした作品です。)

そんな僕でさえも、結局「3~4分で一区切りつく」ということに慣れてしまっていました。また、「そこまでのストーリーや、NPC(ゲーム内のキャラ)の発言内容だったりを覚えておく必要がない」のも当たり前、ということに慣れてしまいました。(※脱出ゲームは、いろいろメモすることが重要なのですが、何十時間もやりこむタイプのものではないので、また話は別です。)

携帯ゲームにとって、ストーリーは「味付け」

要するに、これらのアプリゲームでは、「1プレイ3分程度の”作業”の繰り返し」がベースあり、その繰り返しに飽きさせないための工夫(味付け)として「ストーリー性」を持たせていたに過ぎなかったわけです。(僕ら世代で言うと、ぷよぷよ、がそんな感じだったかなと思います。)なので、ストーリーを覚えていようといまいと、久々に起動して、やることは変わりません。一方、僕が慣れ親しんだRPG(ドラクエやファイナルファンタジー)は、ストーリーが先にありました。

映画を延々と見させられてる感じがする、などという批判も当時からありましたが、それでも「ストーリーを伝える」「観客(プレイヤー)を惹き込む」ということに力を注いでいたのは間違いありません。ただ、それは「携帯ゲーム」ではないのです。)※繰り返しますが、最近の携帯ゲーム事情には疎いので、何とかすぎる何とかゲーム、とかだと最早全く状況が違うのならばすみません。)

「求めるもの」が違うと「感じ方」も違う

などと言いつつも、ここ10時間程度プレイしてみた結果感じた「ドラクエ8の面白さ」は格別なものでした。おいしゅうございました。久々のご馳走を食べた感です。前回プレイしたのが相当昔のことなので内容を”もやっ”としか覚えていないこともありまして、常にワクワクします。ドキドキします。レベル上げも苦になりません(そもそものゲームバランスがいいのかも?)。時間的に許されるのであれば、このままガッツリやりこんでみたい、という気持ちになります。

その一方で、これを”携帯ゲーム”として買った人が、皆一様に同じ気持ちになれるんでしょうかね?という事に関しては、疑問を感じたりします。

例えば、ゲーム=無料で手に入れるもの、ということが”常識”であれば、1,800円(定価2,800円)というのは高いです。そもそも買わないんじゃないか?と思ってしまいます。

また、前述の通り、ゲーム=スキマ時間でやるもの、ということであれば、ドラクエ8は冗長です。スキマ時間でやるタイプのゲームではありません。ちなみに、長時間連続でプレイさせるとプレイヤーが早々に飽きてしまうので、最近のソーシャルゲームは”ライフ”を時間で回復させる仕組み=半強制的にインターバルをつくらせて”枯渇感”を演出している、という話を聞いたこともあります。そういう観点ではドラクエ8は”飽きられる恐れがあるゲーム設計”ということになります。

さらに言うと、最近のゲームは「ソーシャル」ということで、他人と交流するもしくは、他人と競い合うことが前提で設計されていることが多いです。それがないドラクエ8は、モチベートされないおそれもあります。

連続性を大事にするのか否か=生き方の問題かも

これは「ハイクオリティな”連続性(ストーリー)”を、有償で買い求める」か、「スキマ時間を埋めるためのものを無料(ゲーム内課金は別)で求める」かの違いだと思います。どちらが良いとか悪いとかではなく、性質の違いです。(僕が懐古主義のオッサンだ、というだけなのかもしれません)

ただ、まったく同じことが、仕事に対しても言えるように思います。つまり「超苦労して”深み”を求めるやりこみ型の仕事」か「単純作業を積み上げて時間給を稼ぐ仕事」かの違いですね。

前者は、連続性が求められます。その分、面倒なことも多いです。過去に蓄積した知識や経験を総動員し、さらに、想像力を働かせて価値を生んでいかないといけません。日々の作業を「単純に、考え無しでこなす」という態度では求められた価値をだせません。24時間それだけを考えていくという姿勢を求められます。

この働き方は、口でいうのは簡単ですが、実際にやると体力(HP)のみならず精神(MP)を削ります。到底、万人にお勧めできるものでもありません。(余談ですが、某コンサルファームにはトゥウェルブフィンガーズという呼称がありました。皆さま十二指腸潰瘍経験者だそうです。削りすぎです。いやはや。)

まぁ、別にゲーム選びが人生を決める、ということではないのですが、「何を面白いと思うのか」は、その人の生き方を表しているようにも思います。どんな本を読むのか、どんな映画を見るのか、どんな音楽を聴くのか、どんなスポーツをするのか・観るのか、そして、どんなゲームをするのか、ってことですね。芸術の秋、スポーツの秋と呼ばれるこの季節、今一度「趣味」から人生を見直してみる良い機会かもしれません。

あ、ちなみに、ダイエット界隈では「食べたものが体を作る」というのも定説です。ぜひ、食欲の秋も存分にお楽しみくださいませ。それでは皆様、良い祝日を。

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