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あなたはそのアイデアに気づけるか -ヒット商品を生むフレームワーク- その②

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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あなたはそのアイデアに気づけるか
-ヒット商品を生むフレームワーク-

「どのようにしたらヒット商品を生むことができるのか」。残念ながら確実にヒット商品を開発する手法は存在しないが、“気づき”を促すフレームワークを活用することによってヒットする確率を上げることは可能である。商品開発・マーケティングは深く広い領域であるが、本稿では商品開発プロセスの源流となる「アイデア発想」につながる“気づき”に的を絞って、その手法を解説する。
(2008年秋東洋経済THINK!記事)

 

ヒット商品の多くはコロンブスの卵

経営者の嘆きの中でも特に多いのが「うちの社員からは独創的なアイデアが生まれなくて……」というものだ。しかし、ヒット商品には「独創的なアイデア」や「かつて存在しなかった技術的なイノベーション」が本当に必要なのか?ヒット商品を「各業界の目安となるヒット基準よりも売れて、かつ消費者にも認知されたもの」と定義すると、その多くは何らかの応用や改善であることが多い。売れるものを作る(≒消費者の心に刺さるものを作る)ことと、世の中に全くないものを作る(≒全く新しい技術イノベーションを提供する)ことは、別である。

ヒット商品を生み出す秘訣は、「誰も気づいていなかった潜在ニーズ(潜在的な問題)を満たす(解決する)こと」だと言われている。しかし、皆が気づいていた顕在ニーズでも、誰も満たしていなかったものを満たすことができればヒット商品になるし、誰かが問題を解決し始めていても、それ以上に良い解決策を示した商品ならば、後から参入してもヒットする可能性は十分にある。

「日経MJ」紙が発表しているヒット商品番付(2008年上期)を見てみよう。東の横綱:「プライベートブランド商品」、西の横綱:「糖質・糖類ゼロ」という多少地味な両横綱。消費者の「“品質が最低限維持されているもの”を“少しでも安く買いたい”」というニーズは昔から存在しているし、「好きなものを飲みたいが太りたくない」というニーズも古くからある。続く東の大関:「5万円ノートパソコン」、西の大関:「ブランド携帯」などを見ても、言われれば当たり前に思えるような、いわゆる「コロンブスの卵」的なものが多く、誰もが「自分でも気づくことができた」と感じるものが多いのではないだろうか。

世の中にいくつかあるヒット商品一覧を活用し、過去5年間のヒット商品(ブームの総称など、特定の物ではなくヒットの規模が算定できない商品やサービスを除いた68商品)を調査したところ、その多くが先に出ていた商品を応用、改良した後発商品であった。また「新たな需要を生み出して新市場を開拓する」商品は少なく、既存市場を狙い、「既存商品からリプレースしてシェアを奪う」商品が多いと言えよう(図表4)。

アイデア発想図4_2

 

次に、この考え方に沿って「類似商品の有無」と「市場創出の有無」から、これらを4つの商品タイプに分類し、ヒットの数とヒットの規模で見てみる(図表5)。

アイデア発想図5_2

 

新市場を開拓する商品は実に少なく、大半が既存市場(既存顧客)を対象としたもので、また半数近くが後発商品であることがわかる。「新市場を開拓」を狙い“特大ヒット”商品を生み出せば、得られるものは非常に大きいが、「より良いもの追求型」でも十分に“小・中ヒット”を出せるのだ。

事例を見ると「なんだ、自分でも小ヒットや中ヒット程度の商品アイデアなら、何とか考えつきそうだな」と感じるのではないか。実は、その“できるはず”という前向きな姿勢こそが面白いアイデアを創出するのに必要な意識であり、アイデア発想の第一歩になるのである。意識の準備ができたところでアイデア発想の手法を紹介する。

なお、経営層の方にはもう少し理解を深めていただきたい。今回の調査では、ヒットの継続期間(つまり、累計のヒット規模)が評価されていない。「より良いもの追求型」の中にはすぐに売上げランキングから消えていった商品や、その地位を維持するため競合との熾烈な販促合戦に見舞われている商品も多く存在していると思われる。すべてお手ごろのやり方でヒットを狙うのではなく、投資(金も時間も)は必要でもリターンが大きい新市場開拓などを組み合わせ、時間軸やヒットの規模なども視野に入れ、最適な商品ポートフォリオを組みながら、中期的な商品戦略を立案していく必要がある(これが図表1の「中長期商品戦略」にあたる)。

その③に続く

 

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