データサイエンティストとマーケティングテクノロジストが、2015年の最もアツい仕事である理由(VentureBeat)/ニュースななめ斬りbyギックス

AUTHOR :  網野 知博

データサイエンティストは本当にアツい職業になるのか?

本日は、THE BRIDGEさんに掲載された「データサイエンティストとマーケティングテクノロジストが、2015年の最もアツい仕事である理由」をななめ斬ります。

記事概要

「データサイエンティスト」、「マーケティングテクノロジスト」は近いうちに有名な職種になるよ

データサイエンティスト:

・データサイエンティストは、2012年の平均年収が10万ドル!
・データサイエンティストはデータを最適に収集・分析・整理・活用する人ですよ
・データサイエンティストの需要を埋めるだけの腕のたつ人材が全く足りないですね
・データサイエンティストにとってこの先3年はウハウハだけど、その後は長く続かないよ
・はやくその職に付き、リーダーになりましょうね

マーケティングテクノロジスト:

・マーケティングのプロとテクノロジーのプロが半々に混じった最高のハイブリッドですよ
・マーケティングテクノロジストはかなり新種の職業であるため、腕が立つ人であれば基本的に好きなだけ稼ぐことができますよ!
・「戦略家の役割の一部、クリエイティブな部門とテクノロジストの役割の一部」を果たす人ですよ
・マーケティングと技術の両分野で第一線に立つのは簡単ではく、また時間もかかるので人材不足ですよ

どの世界でもハイブリッド型のスーパーマンは金を稼げるのでは無いか?

この記事はそれらの職業につく方に向けた記事のため「データサイエンティスト」や「マーケティングテクノロジスト」を目指す方に取っては非常に勇気づけられる記事だと思います。就業につく側から見れば非常にワクワクする記事なのですが、企業側として反対から見れば、それは非常に困った事態であると言えますし、このブームを非常に冷静に見極めていかざるを得ない状況とも言えます。本日は企業側の視点に立ちながらこの記事を斜めに斬って見たいと思います。

世の中のロールは「あるべき姿」や「理想像」「To Beモデル」なるものから作られることが常です。そういう点では、「データサイエンティスト」も「マーケティングテクノロジスト」も現在は比較的理想形から入って記載されているのではないでしょうか。理想的な人材は高い給与が支払われますし、また存在自体が少ないので引く手あまたの職業になることも事実です。ただし、これは「データサイエンティスト」や「マーケティングテクノロジスト」だけに当てはまることでは無いのかもしれません。例えば、データを最適に収集・分析・整理・活用すると言う全てのロールをこなせるデータサイエンティストは明らかにスーパーマンですし、また、マーケティングのプロとテクノロジーのプロが半々に混じった最高のハイブリッドなんて存在であるマーケティングテクノロジストも同じく明らかにスーパーマンと言えます。

極端な例で言えば、「MBAで経営の勉強をした上で、ロースクールで企業法務も学び、M&Aの実務が非常に詳しいハイブリッド型の最高の弁護士は今後世界中でM&Aが進む中で最もアツい職業の一つです。」と言われても「そりゃそうだよな~」と言うしか無いでしょう。一つの領域のプロでもそこそこ飯が食えるのがこの世の中ですが、2つの領域でプロだということは、その時点で非常に売れっ子な人材になることは自明となります。

データサイエンティストにスーパーマンを求めるか、機能分化で対応するか?

例えば、弊社ではデータ収集・分析・整理・活用まで行う広義な意味でのデータサイエンティストを採用する事は非常に困難だと考えております。そのため、「データ収集・分析」と「データ整理(把握)・活用」をする役割を分けて考えています。前者が弊社の定義のデータサイエンティストであり、後者はデータアーティストと言う呼び名のロールになります。

前者は世間で言われているデータサイエンティストよりは狭義に捉えています。さらに弊社ではこのデータサイエンティストの中でも、データ収集に当たるデータストラクチャリングの役割と、データ分析に当たる、データをサイエンスしたりエンジニアリングしながら分析をしていくビジネスアナリティクスの役割を分けております。

また、データ整理(弊社では把握・解釈と理解している)やデータ活用に当たる役割として、データ分析結果から意味合いを解釈したり、尤もらしい説を推察する、つまりアブダクションする人としていく役割としてデータアーティストと言う役割をおいております。

両方の能力を持った人間の方が良いことは自明ですが、そもそもデータをサイエンスする人と分析結果をアブダクションする人は求められる能力に大幅な違いがあります。そのため、両方の能力を備えたスーパーマンは人材マーケットに少なく、また育てるには非常に時間がかかるため、結果としては人材マーケットで非常に高値で売れていく存在になるのです。企業側から捉えると、スーパーマンに高値を払うよりも、やるべきことを定義して、その機能を分化して、それぞれでエキスパートな人材を採用してしまえと言うアプローチが現実的なのではないでしょうか。

データ活用企業に求められるのはスーパーマンかデータアーティストか?

ビッグデータ関連のサービスを提供する企業ではなく、データ活用によるビジネス成果を目的とするエンドユーザー企業に取っては本当に求めるべき人材はデータサイエンティストなのでしょうか?データ活用と言う観点では、広義な意味でのデータサイエンティストか、もしくは弊社でいうところのデータアーティストが必要になります。その際に、スーパーマンである広義のデータサイエンティストを人材マーケットから高値で採用してくるよりも、また狭義な意味でのデータサイエンティストを採用してデータ収集・分析だけしてもらうよりも、データ分析結果をアブダクションして活用につなげるデータアーティストを自社で育成するほうが成果にはつながるのでは無いでしょうか。

あくまでこの議論は企業側の採用・育成から考えた議論であり、狭義のデータサイエンティストはデータアーティストの能力を、データアーティストは狭義のデータサイエンティストの能力を身につけることによってアツい職業になれることは間違いないので、是非目指して頂ければと思います。

弊社の定義するデータアーティストはこちら

弊社が考えるCMOに求められる4つのスキルはこちら

 

 

 

SERVICE