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ビッグデータ利活用を阻む4つのハードル|データをインテリジェンスに変えるために必要なものとは?

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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本気で「ビッグデータ」に取り組むなら、”足りないもの”を見極めよ

2010年に「big data(ビッグデータ)」と言う言葉が誕生してから5年ほど経ちました。バズワードとして一斉を風靡した後、多少は落ち着きを取り戻しつつタイミングでしょうか。一方で、そろそろキーワード先行から始まったこのテーマも、実績を上げていかないと数多あるバズっては消えていったキーワードのように、仇花になりかねない可能性もあります。

弊社も創業以来多くの「ビッグデータ活用」と言うテーマでご相談に乗らせて頂きました。「ビッグデータ活用」と言うテーマを頂いた時に最初に相談内容を切り分ける必要があります。「データは本当の意味でのビッグデータなのか? もしくは、(ビッグデータというほどではないがExcel、Accessでは処理が不可能なほどの)大量データなのか。」「データ活用のテーマは、経営高度化のためのインテリジェンス化なのか、事業の競争力強化にビッグデータを織り込むのか。」

※詳細は弊社Owned Mediaに記載している「会社を強くするビッグデータ活用入門」を振り返る(http://www.gixo.jp/blog/1771)を参照ください。

弊社はマーケティング領域に関するデータ分析を組み合わせたコンサルティング業務という会社の立ち位置もあり、ご相談内容は比較的「経営高度化のためのインテリジェンス」になっていく事が多いです。結果として、活用するデータも、”市販されているデータベース管理ツールや従来のデータ処理アプリケーションで処理することが困難なほど巨大で複雑な データ集合の集積物”と言う世に定義されている「ビッグデータ」ではなく、企業内に既に存在している顧客データ、明細データなどの数千万や数億行の大量データを活用してどのようにインテリジェンスにつなげていくかと言う話が多くなります。このような取り組みまでビッグデータ活用と言い張るのは若干気がひけるため、大量の自社データを用いたインテリジェンス化に向けた取り組みと書いておきます。

関連記事:ビジネスインテリジェンスとは何か(姉妹サイト:graffe.jp)

4つの壁=4つの不足

そのようなインテリジェンス活動を行う上で、弊社の経験上では大きく4つの壁が存在していると想定しています。

  1. 大量データを分析する仕組み(システム)がない。
  2. 大量データを分析する人がいない、スキルがない。
  3. 分析前に仮説をたてる人、及び分析した結果を解釈(アブダクション)する人がいない、スキルがない。
  4. 解釈した結果を具体的な戦略・戦術に転換する人がいない、スキルがない。

1.仕組みがない

まずは最初の「大量データを分析する仕組み(システム)がない。」になります。自社に蓄積されている大量のデータを、インテリジェンスに変えるにふさわしい仕組みを持っている企業はそんなに多くはありません。企業によってはDWH(データ・ウェアハウス)と言う巨大なデータを蓄積して分析をするための仕組みを持っていますし、Business Intellegenceと呼ばれる分析ツールを導入している企業もおりますが、高いお金をかけられない、もしくは高いお金をかけている割には使える仕組みになっていない、と言う企業は多く存在しております。

2.分析スキルがない

続いて、「大量データを分析する人がいない、スキルがない」になります。昨今は「ビッグデータ」と並んで「データサイエンティスト」と言う言葉がブームになっております。弊社でもざっくりとしたロール名称としてデータサイエンティストと言う言葉を使いますが、実は分析を行うためのプロセスとして、「データデザイン」、「データハンドル」と言う役割を分けて考えています。後述するデータアーティストが閃いた「仮説」に対して、どのようなデータを使って、どのような分析手法を使ってそれを証明・検証するか、を考えるのがデータデザインになります。一方で、デザインされた方針にしたがって大量のデータをSQLなどを活用して処理していくのがデータハンドリングになります。データを集める、貯める、つなぐ・整備する、などがデータハンドルする人の役回りになります

また、過去のデータ分析・活用のやり方に従い、演繹的にどのような分析を行うかを考え、データを組み合わせて、網羅的に分析していき、そこから新たな発見を目指すようなやり方を弊社では「データエンジニアリング」と言う言い方をしております。所謂データの山から特徴的なお宝を発見するようなデータマイニングに関しても、多変量解析的なプロセスを経なくても、網羅的なデータエンジニアリングから発見できることも多々あり、弊社ではそのようなアプローチをデータエンジニアリングと言っております。サイエンスは、自然や社会といった対象があり、それに関する原理や構造を探求するものと捉えています。一方で、エンジニアリングは、まずは課題から入ります。その課題を解決するためにサイエンスの知識を用いて解決すべきモノを作り出したり、それを実現するための方法やシステムを作りだします。

一般論としては、「サイエンスが理想や原理を追求する学問であるのに対し、エンジニアリングは現実的な問題に対処する学問であり、またサイエンスにとっては完璧さや正しさが重要であるが、エンジニアリングには適切さや使えるかどうかが重要。」とも言われております。そのため、「経営上の課題解決から入る」、「絶対的な正しさよりも、経営上で使えるデータや、そこから得られる成果を重視する」などの弊社のアプローチとしては、どちらかと言うと、データサイエンスというよりも、データエンジニアリングと言う言い方の方がしっくりすると思っております。弊社でも時にはマーケティング投資の最適化を求める世に言うマーケティングRoIのようなマーケティングサイエンスの分野であったり、将来を予測するモデル作りを行うときなどはサイエンス的なアプローチを取る事もありますが、経営のためのインテリジェンスと言う観点ですとデータエンジニアリングに済む事が圧倒的に多くなります。

自社にデータ分析をする人がいないという場合に、どのようなロール、そしてどの程度のスキルを求めているのかを明確化していく必要がありますが、データの利活用に慣れていない企業様の場合には、単純に人がいないというところで立ち止まってしまう場合があります。

3.解釈スキルがない

3つ目が、「分析した結果を解釈する人、アブダクションする人がいない、スキルがない」になります。弊社ではこの役割をこなす人をデータアーティストと名づけております。なお、アブダクションとは、「観察された事実の集合から出発し、それらの事実についての最も“もっともらしい”、ないしは最良の説明へと推論すること。」と説明されています。データを分析して出てきた物はあくまで分析結果に過ぎません。その結果を読み取って解釈することが必要になります。分析結果を解釈して、価値のある情報に仕上げる行為こそが一般的に言われるインテリジェンスと言うことになります。複数の情報を並列に並べて、そこから最良の説明を推論する、まさにこのアブダクションができてこそ、データ分析がインテリジェンスになり、そのインテリジェンスを意思決定に繋げるからこそデータの利活用のステージにまで到達する準備が整います。

4.戦略スキルがない

最後の4つ目が、「解釈した結果を具体的な戦略・戦術に転換する人がいない、スキルがない」になります。分析結果から解釈を行う、アブダクションして、最もらしい説明を推論する。その解釈した結果を踏まえて、企業の永続的な成長に向けた戦略に置き換えていく、具体的な施策や実行策に落としこんでいく役割が必要になります。弊社ではその役割をストラテジストと名づけています。

以上のように、社内の大量データを活用してインテリジェンスに変えていき、成果につなげていくには大きな4つのハードルが存在しております。データ利活用が進まないとお悩みの企業様は、まずはどの部分のハードルに引っかかっているのか、どこを対処すればデータ利活用が進むのかという点を整理されるとよろしいかもしれません。

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