エランド(errand)を排除する:ビジネスチャンスの見つけ方|基礎から学ぶマーケ用語

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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わざわざ自分でやらなくていいことは「無くしてしまおう」という発想

本日は「エランド」という言葉について解説します。用法としては「エランドの排除」という使い方が多いです。

エランド=付加価値を生まない作業

エランドという言葉は、英語で「errand」と表記されます。日本語に訳すと「用事」という意味合いです。

errand  【名詞】【可算名詞】

1 使い,走り使い,使い走り.

用例
send a personon an errand 人を使いにやる.

 

2 (使いの)用向き,用事.

用例
I have an errand (to do) in town. 町に用事があります.

 

出所:weblio

これでも、大体の意味合いは通じるのですが、僕の解釈では、「本質的ではない作業」「面倒くさい手間」という意味合いが強いと思っています。つまり、「自分ではない誰かに頼めば終わってしまう仕事」なわけです。

そういう「わざわざ自分でやるほどではない作業」を”エランド”と言う、とご理解ください。

エランドを排除する、というビジネスチャンス

そういう「わざわざ自分でやるほどではない作業=エランド」は、世の中にたくさんあります。

  • 毎朝、お弁当を作る
  • 毎朝8時に目覚ましをセットするが、ある曜日だけは時間をずらしてセットする
  • 洗濯機が止まるのを待って、洗濯物を干す
  • クリーニングを出す/引き取るために、クリーニング店まで行く
  • 宅急便を受け取るために、荷物が届くまで家にいる

などなど、いくらでも思いつきますね。こういう「エランド」を排除する、ということは、大きなビジネスチャンスになります。

例えば、「お弁当は、コンビニで買う」というのも一つのエランド排除が、ビジネスになった例ですね。「目覚まし時計の時間を、曜日ごとに設定できる」のは、デジタル時計(あるいは携帯電話でもいいのですが)の当たり前の機能です。

また、「洗濯物を干す代わりに、全自動乾燥機を買う」というのも一つのビジネスになっていますが、「クリーニングに出す」というのも洗濯物を干したくない人にとっての(あるいは、洗濯機が止まるまで待っている20分間がもったいないと思う人にとっての)一つのソリューションであり、ビジネスチャンスです。さらに、そのクリーニングも「わざわざ店に行かなくても、家まで取りに来て、終わったら届けてくれる」というサービスに進化してきています。そして、その先には「宅配ボックスを設置する」であったり「近所のコンビニで受け取れる」であったりというようなサービスが”ビジネスチャンス”となってきます。

エランドは「人によって違う」

しかしながら、注意すべきことがあります。それは「何がエランドなのかは、人によって違う」ということです。

例えば、旅行を考えてみましょう。旅行の準備(予約など)をするときに「面倒くさいので、誰かに任せたい」という人もいれば、「自分で全部準備したい」という人もいる。「面倒くさいので、誰かに任せる」という人にもいろいろあって、「日程と大まかな目的地だけ決めるから、ホテルも航空会社も何でもいい」という人もいれば、「航空会社は絶対にANAあるいはスターアライアンス加盟で、ビジネスクラスじゃないとダメだが、ホテルはどうでもいい」という人もいるでしょうし、「飛行機はどうでもいいけど、ホテルは三ツ星以上が良い。滞在中は、同じホテルでずっと滞在したい」という人もいるでしょう。ひょっとしたら「いろんなホテルを転々としたい」というひともいるかもしれません。要はコダワリのポイントは人によって全く番う、ということです。

反対に、それぞれの人の「コダワリのポイント以外」の部分が、エランドとなりますので、「コダワリポイントが十人十色」ということは、即ち「エランドも十人十色」ということを意味します。

そうすると、その人にとって、何が「エランド」なのかを把握しなければ、「エランドの排除」ができない、ということになります。ここに、インテンション・エコノミー(意思の経済)の世界へと進む扉の”鍵”があるわけです。(このあたりについては、関連記事:インテンション・エコノミーとは をご参照ください。)

「本業って何?」という質問をしてみよう

これをどうやって見極めるのか、というのはなかなか難しい問題です。ただ、プライベートにおいては、個々人の差が非常に大きくなるものの、対象となる人数も非常に大きくなるために「一定量存在する顧客セグメントに対して、”エランド”を排除する提案をする」というアプローチを行うことができます。

非常に難しいのが、B2Bにおける、エランド排除です。

この「企業にとって、何がエランドなのか?」については、いろんな議論があって然るべきだと思いますが、ひとつの問いを投げかけてみることは、エランドの特定に有効だと思っています。

それは「御社の”本業”は何ですか?」という質問です。(多様な事業を抱えている場合には「御社のコア業務は何ですか?」という質問の方が答えやすいかもしれませんので、それでも結構です。)

本当に、それは「コア(核)」か?

多くのケースで、人は、今、自分が担当していることや、日々やっていることを否定されたくありません。したがって、先ほどの質問をすると「自分のやっていることこそ、コア業務だ」と仰る方も多いでしょう。しかし、大変残念ながら、それらの大半は「コアではありません」。

例えば、僕たちが、「コアだという誤解を受けやすい業務」だなぁと思っているのは「分析業務」です。もちろん、分析業務がコア業務な企業もあるとは思いますが、基本的に、そんな企業はマイノリティ(少数派)のはずです。そもそも「分析」は手段であって、「目的」ではありません。分析結果はあくまでも「OUTPUT(アウトプット)」です。これを、解釈して「OUTCOME(アウトカム)」すなわち「成果」にすることが”本業”だと考えるべきです。 (関連記事:姉妹サイトgraffe.jp「OUTPUTとOUTCOME」

こうして考えると、本当に「コアな業務」は何なのか、「本業」は何なのかをしっかりと考えている人が思いのほか少ないのではないか・・・と思い至りませんか?

ここをしっかりと考えると「多くのエランド(の種)」を見つけることができるはずです。それを起点として色々な発想を組み合わせれば「筋の良いビジネスチャンス」を見つけられるかもしれませんよ。是非、お試しください。

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