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あなたはそのアイデアに気づけるか -ヒット商品を生むフレームワーク- その⑤

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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あなたはそのアイデアに気づけるか
-ヒット商品を生むフレームワーク-

「どのようにしたらヒット商品を生むことができるのか」。残念ながら確実にヒット商品を開発する手法は存在しないが、“気づき”を促すフレームワークを活用することによってヒットする確率を上げることは可能である。商品開発・マーケティングは深く広い領域であるが、本稿では商品開発プロセスの源流となる「アイデア発想」につながる“気づき”に的を絞って、その手法を解説する。
(2008年秋東洋経済THINK!記事)

「ハイエンド」より「デチューン」:富裕層向けビジネス

近年は富裕層ビジネスブームで、書店でも多くの関連本が平積みされているが、日本においてはまだ決定的なビジネスが立ち上がっていないようだ。一般的に富裕層ビジネスといえば「ハイエンド」だが、一緒に「デチューン」もあわせて発想するとネタが生まれやすい。

航空サービスで考えてみよう。欧米では既に一般的になったプライベートジェット(以下PJ)のチャーターによる利用。元F1レーサーのミハエル・シューマッハなどのセレブは自分でPJを所有していることも多いが、それができるのは本当に限られたお金持ち。しかし、もう少し下のクラスの富裕層にもPJを使いたいというニーズは存在し、「デチューン」であるPJレンタルというアイデアが生まれてくる。逆に、既存サービスの「ハイエンド」と捉えると、超豪華なスイートクラス(シンガポール航空の総2階建て航空機A380には個室がある!)に行き着く。

他の富裕層サービスを考えてみよう。既に欧米では富裕層ビジネスが立ち上がっており、参考になるものはいくつも存在する。「パクリ・輸入」により多くのヒントを得ることができるが、欧米の富裕層に比べて、日本の富裕層は資産額や収入など桁が1つ、2つ下がる傾向にある。日本の富裕層にカスタマイズして「デチューン」すると新たな事業機会がたくさん見えてくるはずだ。

アイデア発想の宝庫:ボールペン

コモディティ商品の象徴のように思われているボールペンだが、メーカー各社の努力が見て取れる。持ちやすさ、書きやすさを徹底的に追求した「一点突破」、機能を充実させた「ハイエンド」、最近ではボールペンで書いたものは消せないという不満を解消した「不満解消」など様々な商品が生まれている。

14の思考パターンだけではアイデアが足りない場合は、「逆張り」「視点をずらす」ことを意識すると発想しやすい。ボールペンは一般的に「部品点数が少なく安い」商品であるため、「逆張り」で部品点数が多く高価な商品なども面白い。あえて部品を細かく、部品点数を多くして「あなただけのために特別に精巧に作ったボールペンです」というメッセージと共に提供する「ハイエンド」が1つの案だ。機能を追加してハイエンド化させることもできるが、「消しゴム付き」はすでにあるし、「電卓付きのボールペン」は、少なくとも私は欲しいと思わない。必要とされない付加機能ほど“たちの悪い”ものはないのでご注意を。

先日、著名なデザイン家電の企画担当者に、「ボールペンの商品開発を頼まれたらどうするか?」と問いかけてみた。私が想像していた回答は、デザイン家電と同様に、デザイン重視の「一点突破」か、高級素材を利用した「ハイエンド」などであったが、見事期待を裏切られた。答えは「セット売り」。「開発するボールペンが最も引き立つようなシステム手帳やバインダーなどもあわせて作り、セットで売ってしまえばよい」であった。

セット売りを考えるときに、自分の会社は「××屋」だから、というメンタルブロックが働いたらその時点でアウト。「“ボールペン屋”は手帳など作らない」、と思ったら新たなアイデアは生まれない。

その⑥に続く

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