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コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その①

AUTHOR :  網野 知博

「優秀なビジネスパーソン」と言われる人を紐解くと、「営業思考のサイクル」ができている。そのサイクルとは「(状況や背景から)“何かに気付く”」「解決策を考え付く」「(策に従い)実行する」。その「気付き」「解を考え」「実行する」のサイクルを企画書や報告書作成のビジネスの場に活用する方法を、7つのStepに分解して紹介する。
(東洋経済THINK!2010年No.32)

 

“気が利く”人の行動様式こそが営業思考

 

世の中には「優秀なビジネスパーソン」などと呼ばれる人がいる。私の周りにも、社の内外を問わず多くの「優秀なビジネスパーソン」が存在し、一緒に仕事をさせて頂く機会も多い。そのような人々は何が優れているのか。そこに何か秘訣はあるのだろうか。我々が学び、真似ることができるスキルは存在するのか。

「優秀なビジネスパーソン」の優秀たる所以を探していこう。“卓越した明晰な頭脳”、“論理が一貫した思考力”、“誰とでも打ち解ける対人関係性”、“立て板に水を流すような話術”、“商談をまとめられる説得力”、“周囲の人達を統率するリーダーシップ”。確かにこれらは我々が羨望するスキルであり、それらを身につけるためのHow to本も多く存在する。

だが、これらのスキルを身につければ本当に「優秀なビジネスパーソン」になれるのだろうか。もっと汎用性があり、ビジネスの場でもプライベートな場でも活用可能で継続性のあるスキルは存在しないものか。

優秀なビジネスパーソンと言われる人達の普段の言動に注目した。すると、「優秀なビジネスパーソン」と「普通なビジネスパーソン」には、ごく当たり前の大きな相違が見えてきた。

「優秀なビジネスパーソン」に共通して言えることは“気が利く”ということだ。周囲の状況や背景から“何かに気付き”、それに関する“対応策や解決策を考え”、それを確実に“実行する”サイクルが常にできている。「気付き」「解決策を考え」「実行する」のサイクルを回すことができている。【図1】

営業思考図1

論理思考では有名な「雲⇒雨⇒傘」のたとえ話で見てみよう。「空を見て、雲が多い事実から雨が降りそうだと気付き」⇒「解決策として傘を持って行こうと考え」⇒「実際に持って行く」という行動なら理解しやすいだろう。もしくは「ついつい傘を持っていくことを忘れる自分の性格に気付き」「解決策として常に鞄に傘を入れておこうと考え」「実際に鞄に傘を入れたままにする」でも良いかも知れない。

普段のコミュニケーションで例えると、「相手の気持ちやアンメットニーズに気付き」、「対応策、解決策を考え」、「それを実現、実行する」ということになる。だから周囲からは“気が利く人”と認識されるのであろう。

優秀な営業マンは適切な「ほう・れん・そう」ができると言われるが、それも「上司の気持ちや状況に気付き」「適切な報告タイミングがどうあるべきか考え」「実際にそれを実行する」というサイクルが回っているからなのであろう。優秀なマーケッターも「世の動向から消費者のアンメットニーズに気付き」「解決策となる商品を考え」「開発・販売を行う」というサイクルを回している。

上記のように、日常生活の場でも、ビジネスの場に置いても「状況から何かに気付き」、「対応策、解決策を考え」、「実際に実行する」のサイクルを回せるからこそ「優秀なビジネスパーソン」と目され、相応の結果を出してきていると考えられる。今回は「気が利く」人達、つまり「優秀なビジネスパーソン」の行動サイクルを「ビジネスプロフェッショナルの営業思考」と定義し、その実践方法を解説する。

第1回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その①  ⇒今回
第2回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その②
第3回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その③
第4回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その④
第5回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑤
第6回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑥
第7回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑦
第8回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑧
第9回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑨

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