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コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その②

AUTHOR :  網野 知博

「優秀なビジネスパーソン」と言われる人を紐解くと、「営業思考のサイクル」ができている。そのサイクルとは「(状況や背景から)“何かに気付く”」「解決策を考え付く」「(策に従い)実行する」。その「気付き」「解を考え」「実行する」のサイクルを企画書や報告書作成のビジネスの場に活用する方法を、7つのStepに分解して紹介する。
(東洋経済THINK!2010年No.32)

 

「気付き」「解決策の検討」「実行」の実現に向けた7Step 前編

 

「営業思考」のサイクルをビジネスの場に活用するために、企画書や報告書を立案し、上申する場面を想定して考えてみよう。

ここでは「気付き」「解決策の検討」「実行」のサイクルを回すために、7つのStepに分解して説明する。【図2】

営業思考図2

「気付き」を得る:Step1Step3

 

「気付き」はいきなりやってこない。気付きを得るためのStepは以下になる。

Step1:関連する情報を見て、聞いて(⇒調査を行い)、

Step2:その情報を理解できる形にまとめ(⇒構造化し)、

Step3:そこからインサイト(洞察)や気付きを得る(⇒気付きを得る)

この3Stepで注意したい点は2つ。

1つ目は、Step2で終えてしまうケース。(リサーチ、構造化を箸を使うように慣れている一部の職種を除けば)一生懸命調べて、それをまとめるだけでも大変な労力になるため、充分に仕事をした気になる。ここが大きな落とし穴。“気付き”を得るためのStep1-2であり、そこまでは手段に過ぎない。それにもかかわらず、構造化までで満足してしまうケースが非常に多い。コンサルティング業界では「So What?(だから何なの?要は何なの?)」と言われるが、「気付き」を得るために調査、構造化を行うのだ。

2つ目は、Step2の構造化をサボって一足飛びに「気付き」を得ようとするケース。気付きの才能がある人はリサーチをした時点で、新たな気付きが次々と生まれるかもしれない。そうでない人は、まずは構造化して、当たり前のことをまとめてこそ、その先にある当たり前でないことに“気付く”ことができる。新米の医者がレントゲンを診て病気を発見できるようになるには、正常な人のレントゲンをひたすら診て病気の人との差異や変化に気付くようになることだと聞いたことがある。ビジネス的な気付きも、「当たり前」を構造化してまとめ、「当たり前」が理解できたからこそ、その先にある“Something New”に気付けるものだ。

蛇足になるが、気付くのが苦手な人はどうすべきか。前提として常に“気付く準備”、“努力”を行うしかない。この基本動作を“常に”やり切れる人が少ない。また、その場では気付けなかったとしても、後から振り返り、もしくは他人の行動を見て、あの時なぜ気付かなかったのか、と“気付く”ことは多いだろう。そのような場合、「自分がどのように考えたら、“その時に”“そのことに”気付くことができたのか」を考え続けるしかない。“自分だったら”をどれだけ試行錯誤したかにより「気付き」の基礎力が構築される。

第1回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その①
第2回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その②  ⇒今回
第3回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その③
第4回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その④
第5回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑤
第6回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑥
第7回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑦
第8回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑧
第9回 コンサルタントの提案書に学ぶ 営業思考の 7 Step 〜その⑨

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