ギックスの本棚/あの夏、サバ缶はなぜ売れたのか?(大木真吾|日経BP社)

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「施策に繋げることが大事」は分かった、では具体的にどう繋げるのか

あの夏、サバ缶はなぜ売れたのか?  ~ 仮説を行動、成果につなげるビジネスビッグデータ分析 ~
本稿では大木真吾氏著「あの夏、サバ缶はなぜ売れたのか?」(日経BP社)を紹介します。昨今、ビジネスの意思決定にデータ分析を取り入れる重要性が認識される中で、施策、ひいては利益に繋げることが重要であるということが叫ばれています。では、分析結果をどのように施策へと繋げていくのか?という流れについて、本書ではいくつかの要素に分解して説明がなされています。

本稿では、その中でも、データ分析になんらかの課題や示唆が見えた後に行う、下記3つの段階についてご紹介します。

  1. 施策テーマの決定
  2. 対象者と対象商品の選定
  3. アクションポイントの整理

施策テーマの決定

「分析によって課題が明らかになった際、その後、すぐ具体的な施策の立案に進むのではなく、施策テーマを決定するべきである」と本書は述べています。施策テーマとは、「新規顧客の獲得」「来店回数を向上させる」「購買金額を向上させる」「ファン化を促進する」といったように、アクションの方向性を決めるものであり、本書の方法では大まかな方向を決めたのちに施策を実施する対象者と対象商品を決定し、その後、具体的な施策立案へと進みます。

対象者と対象商品の選定

このフェーズでは施策にもっとも反応することが予想される顧客グループとそのグループが必要とするであろう商品を選びます。例えばビジネス街に立地する居酒屋が来店回数を向上させるという施策テーマを持った場合には、対象者は学生ではなく社会人になるでしょうし、また、商品は、対象が男性の場合はフードメニューや日本酒・焼酎になり、女性の場合はデザートメニューやカクテルとなるかもしれません。

アクションポイントの整理

最後のステップでは、施策の内容をアクションポイントと名付けられた以下の4項目に整理します。

  1. メッセージ:最も伝えたい内容
  2. インセンティブ:「今」行動する必要があることを認知してもらうための仕掛け
  3. タイミング:メッセージとインセンティブを顧客に伝えるタイミング
  4. チャネル:顧客へ情報を伝えるための接点

例えば、スマホアプリでサラリーマンの帰宅する時間帯に送信したクーポンに「冷えたプレミアムビールは如何ですか?今なら、あなただけにこっそり20%オフにしちゃいますよ!」といったメッセージがあった場合、上記の4項目に整理すると以下のようになります。

  1. メッセージ:メッセージの「冷えたプレミアムビールは如何ですか?」
  2. インセンティブ:メッセージの「今なら、あなただけにこっそり20%オフにしちゃいますよ!」
  3. タイミング:サラリーマンの帰宅する時間帯
  4. チャネル:スマホアプリ

このように整理することで施策の具体像が浮かび上がります。

(まとめ)事例を交えて、初期分析から施策実施までの流れを知ることが出来る

これまで一連の流れをご紹介しましたが、実際にデータ分析を行う場合には、必ずしもこのステップ通りに進むわけではないと筆者は考えます。初めの分析で発見された課題が、そのまま対象者の選定になることもあるでしょうし、おおまかな施策テーマがあらかじめ設定されていることもあるかもしれません。しかし、データの分析手法を紹介することに重点を置いた書籍とは違って、事例も交えて具体的な施策へ落とし込む流れまでを紹介している本書は、貴重であり、一読の価値があると筆者は考えます。

本書では、数々の事例を交えて分析に際しての初期仮説の立て方やソーシャルデータの活用方法の解説など本稿で紹介しなかった様々な知識も得ることが出来ますので、ご一読をお勧めいたします。


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柳 優樹(やなぎ ゆうき)

“Business Analytics”チーム所属。データ分析に関する事柄を、技術論だけに陥らず実際の行動に繋がる情報として発信します。最近は、オムニチャネルやO2Oなど、オンラインとオフラインの消費行動が融合していく流れに、とても興味をもっています。

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