マイケルジョーダンにとっての「バスケ」を見つけよう|得意なことに専念した方が創出価値は大きくなる:”考え方”を考える

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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本人も、周囲も、幸せになるために「得意なこと」をやろう

本日は「得意なことをやった方が、絶対に幸せだ」というお話をさせていただきます。2016年のスタートにふさわしい話題ですよね。

バスケの神様が、野球をやる意味はあるか。

いきなり、手前味噌で恐縮なのですが、僕は、新卒時にSEとして商社系SI企業に入社してから退職するまでの約4年の間に、「お前は、SEに向いている!」「お前は優秀なSEになれる!」と何人もの方から言われました。非常にありがたいお言葉ですし、こう言ってくれた方々は非常に優秀な方でしたから、光栄だなと思いました。

そんな感謝の念も抱きつつ、一方では、こんな不遜なことも思ってました。

「いやいや、僕にとってのSEは、マイケル・ジョーダンにとっての野球だからさ。」

今の若い方は、ひょっとしたらマイケル・ジョーダンを知らないかもしれないので、念のために補足しておきますと、この人は、”バスケットボール界における神”です。多くを語ってもしょうがないので、日本のお笑い界でいうとダウンタウン松本さんを思い浮かべといてください、とかいうと余計わからないと思うんですが、まぁ、興味のある方は、ウィキペディアとか見ると良いと思いますです。

野球でもトップを狙える実力だが・・・

そんなバスケの神様が、野球に転向し、大リーグに挑戦したことがあります。バスケの神様も、野球の世界ではさすがに本領発揮とはいかず、メジャー昇格には至りませんでしたが、ダブルA(メジャーの下のトリプルAの下。イメージ的には3軍くらいでしょうか。)で127試合に出場し、2割0分2厘という結果を残しました。2割じゃお話にならないよね、というご意見もあるでしょうが、後半には徐々に成績も上向き、ホームランも打てるようになってきていたということで、数年後にはメジャー昇格も狙えるだろうと言われながらの引退だったようです。尚、野球からの引退の理由は、成績不振ではなく、契約関係のもめごとだったと言われています。

で、結局、野球からバスケに戻った神様は、神様らしさを存分に発揮し、シカゴ・ブルズを優勝に導きます。神様、さすがです。

さて、余談が長くなりましたが、要するに「ジョーダンは、野球じゃなくて、バスケやってろ」ってことです。そして、「素人から見るとダブルAでも凄いけど、それはプロから見ると二流じゃないのか」ということでもあります。さらに言えば、「ジョーダンが野球やってるよりも、バスケやってる方が、球団/チームのオーナーも、チームメートも、ファンも、本人も、きっと幸せ」です。

ということで、みなまで言わずとも、僕がいかに不遜であったかお分かりいただけたことと思いますが、敢えて続けておきますと「僕がSEに向いている(得意だ)と言われても、それはジョーダンにとっての野球と同様、僕にとってベストな能力発揮の場ではない。僕には、ジョーダンにとってのバスケのような”才能をいかんなく発揮できる場”が他にあるのである」と言ってるわけです。うわー、不遜。引くほど不遜。

 得意なことに注力できる方が幸せだ

幅広い才能のある人、というのは世の中にいます。プロスポーツの例を続けるならば、NFL(アメリカンフットボール)のスター選手たちが分かりやすいです。日本ではアメフトはそこまでの人気はありませんが、アメリカではバスケ=NBA、野球=MLBと並ぶ三大プロスポーツの一角であり、最高峰と言われています。(ホッケー=NHLもあるけど、まぁ、いいよね。)

このNFLのスタープレイヤーたちは、高校や大学では、野球もバスケも一流だけど、アメフトを選んだ、という人ばかりです。当然、同じような状況で、野球やバスケを選び、MLBやNBAで活躍している人もいるわけです。要は、この人たちは「スポーツだったら、基本的になんでもできる」んです。

こういう何でもできる人が、自分で「これ」と決めて活躍していくわけですが、実は、各プレイヤーのスキルの集中度合で見ると、NBA(汎用型) < MLB < NFL(特化型)ということになります。バスケは、シュートを全く打てない人や、ディフェンス能力がゼロの人は活躍できません。オールラウンドで活躍できないと厳しいです。野球になると、投げるのが上手い、打つのが上手いなどの特徴が出てきますが、基本能力としての「最低限の打つ能力」「最低限のボールを扱う能力」は全員に求められます。しかし、アメフトでは「とにかく投げるのが上手い」「とにかく走るのが早い」「パワーが凄い」「ボールをとることにかけては天才的」「相手が取ろうとするボールを邪魔するのが上手い」といった”特殊な一芸”を持っていることで価値を出すことができます。

こうなると、「投げるのが上手くて、走るのが早くて、ボールをとるのも、他人がボールを取るのを邪魔するのも上手い」というひとがいたときに、「自分が、どのポジションで活躍するかを決める」ということになります。(もちろん、チームの都合でポジションを決められることもありますが、まぁ、一旦横に置いておきましょう)

これって、凄い幸せなことだと思うんですよ。傍から見ると「得意なことが沢山ある人」が、そのなかのどの部分に最も”才能”があるかを見極めて、それに注力する、ということはね。

では、どうやって得意なことを見つけるのか?

では、どうすれば、「これが、得意だ!」と見極めることができるのでしょうのか。ポイントは2つだと思います。

  • ポイント1:兎に角やってみる事。
  • ポイント2:ちゃんと考える事。

以上です。シンプルですね。

まずは、やってみよう

ひとつめのポイントですが、これは、とにかく、チャンスがあれば全部やってみることです。食わず嫌いは良くない。

こういうのって、できるだけ早い時期、つまり若いうち*に、できるだけ幅広く経験しておいた方が良いです。別に転職しないとダメと言っているわけでもありません。レストランで働いていて、キッチンやってるけどホールもやってみる、とか、ホールやってるけどバーテンにもトライする、とかでも別にいいと思うんですよ。振れ幅の許容度は人それぞれですから。可能な範囲で幅広くトライしてみると良いです。

たまに、インターン希望者などで「分析とか、数字を扱うのは興味が無いんですが、戦略コンサルになりたいので戦略っぽいことをやらせてください」という方がいらっしゃったりするのですが、まぁ、そんなこと言わないで、一緒に分析とかやってみようよ**。と思うんですよね。やってみたら、そっちに才能があるかもしれないし、なかったらやめたらいいんだからさ、的な。

例えば、アメリカ駐在のチャンスがある、と聞いたら、とりあえず手を上げてみませんか? 自分の英語力に不安があるとか、営業研修員は何人か送り出した実績があるが技術研修員は今回がはじめてらしいとか、派遣先は日本人ゼロの米国ベンチャーで大変そうだとか、実は入社年次の制限で自分は対象外らしいとか、そんな状況でも、空気読まずに手を上げてみたらいいじゃないですか***。ダメでも失うものないし。チャンスがきたら、バッターボックスに立ちましょうよって話ですよね。

後は、戦略コンサルとして採用されたのに、システム案件はやりたくないとか、BPR(業務改革)なんて戦略ジョブじゃないからいやだとか、SCMは興味ないとか、まぁ、いろいろ言いたい気持ちも分かりますが、とりあえず、食わず嫌い言ってないで、降ってきた仕事は全力でこなしてみましょうよ****。待てば海路の日和ありとも言いますし、得難い経験ができるものですよ。

多分、ジョーダンも野球やってみたときに、思ったと思うんですよ。「あ、ちょっと違うかも」って。まわりも「お前はバスケやってろ」って言ったと思うんですよ。でも、とりあえず、一生懸命野球やってみたわけです。やってみたい、と言った自分の言葉に責任を持って、しっかりやり遂げようとするのって尊いことだと思うんです。世間には、飽きっぽい人が多いのにね。

そして、ちゃんと立ち止まって考えよう

そうして、色々やってみた暁には、ちゃんと立ち止まって考えるようにしましょう。それが二つめのポイントです。要は、再現性が大事なんです。

ひと通り一生懸命トライして、ひと段落したタイミングで「この仕事で、自分は何を得たか。どういうスキルが身についたか」を棚卸しましょう。さらに、「そのスキルは、自分の得意領域と呼べるか」あるいは「そのスキルは、自分の得意領域の付加価値として使えるか」ということを考えます。つまり、今回見つけた道に進むか、これまでの道の彩りとして今回の経験を活かすに留めるか、を決めるわけです。そして、その決断を元に、次のトライの方向を決めましょう。(選択肢は、同じような経験をもう一度するか、まったく違う経験を求めて違うことにトライするか、はたまた、もともと”得意”だと思っていたことに立ち返るか、ですね。)

また、やってみるときにも、そもそも「何をどう頑張るのか」を考えないといけません。それは「勘所(かんどころ)を見極める」ということであり、別の言い方をすれば「ものごとの仕組みを理解する」ということです。バスケと野球では使う筋肉が違うなら、その筋肉を鍛えないといけません。変化球を打つ前に、まずは速球を攻略しないと話にならないでしょう。仕事も同じです。キッチンでは不要だった笑顔や朗らかな挨拶を、ホールでは求められます。腕に技術があるだけではなく、接客技術という顔や態度の技術が肝ですよね。それを身に着けるためには、何をどうしたらよいのか?を考えることが求められます。こういう「考える」というステップを省略しないことが、後から振り返りをする際に効いてきます。

得意なこと、を見つけよう。そして、やろう。

多くの人は、自分が、どこを目指そうとしているのかが良くわからないものです。そういうときに、とにかく目の前にあるチャンスには、とにかくバッターボックスに立って、バットを振る。そして、バットに当たったかどうかだけでなく、まぐれ当たりのヒットなのか、技術に裏打ちされたファウルなのかを見極める。これを繰り返していくと「苦手なこと」が見えてきます。やや消極的な考え方に聞こえるかもしれませんが、苦手じゃないこと ≒ 得意なことなので、いろいろと試行錯誤して、ちゃんと振り返りの評価をすることができれば、きっと「得意なこと」が見つかるはずです。

得意なことが見つかれば、それに注力しましょう。笑顔で人と話すのが得意なら、接客業でも良いですし、営業マンでもイケるでしょう。また、このスキルはコンサルでも基礎能力として超大事です。

ええ、お気づきの通り、「得意なこと」を絞り込んでも、「できる職業」の選択肢は一意には決まらないんですよね。

つまり、「得意なことを発見」は通過点に過ぎず、「得意なことを鍛え上げる」→「得意なことを活かせる仕事の中で、より自分にフィットした職業を見つける」→「その職業に固有のスキルを身に着ける」というステップが控えているわけです。そして、当然ながら、「自分にフィットした職業を見つけるための試行錯誤」もあったりします。いやー。先が長い!こんなに頑張る意味あるのか?って覆っちゃいますね。(笑)

ただ、それでも一つだけ言えることは、この多重の試行錯誤の結果、見つけた仕事は、おそらく「天職」だということです。「天職」に就いていると、本人はやりがいという意味でも収入という意味でも、満足度が高くなります。また、その状況では、周囲、もう少し広く言うと、社会に対して提供できる価値(創出価値)も大きくなります。お客様もハッピー、同僚や経営者もハッピー、本人もハッピー、家族もハッピー。最高です。

自分の得意なことが良くわからない、という方は、まずは2016年に、得意なことを探すための最初のトライから始めてみてはいかがですかね? 新しい何かに巡り合えるかもしれませんよ。

脚注:

  • *:もちろん、何事にも遅すぎるということはありません。ただ「失敗が許される年齢上限」というものが世の中にはありますので、できるだけ早いうちに、可能な限りトライして失敗しておくべきです。
  • **:まぁ、いわずもがなですが、分析できない戦略コンサルとかいないですからね。
  • ***:今書くと、普通にみんな手を上げそうな感じですね。12年前(2002年ころ)の世界観では、空気を読む人たちだと手を上げにくい感じだったんですよね。
  • ****:ま、ぶっちゃけると、世の中は新規事業立案ばかりやってるわけじゃなくて本業の効率向上で利益を創出しないと話が始まらないってことを思うと、システムつくったり、BPRやったり、SCM改革やったりしてる方が、よっぽど経営戦略に直結する案件だったりするんですよね。

 

 

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