DIとDXは何が違うんでしたっけ?(2)|Data-Informed は、判断領域のDX。

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この記事は GiXo アドベントカレンダー の 17 日目の記事です。
昨日は [ DIとDXは何が違うんでしたっけ?(1) ]でした。


取締役の田中です。昨日に引き続き、当社の掲げるパーパス「あらゆる判断を、Data-Informedに。」の極めて重大なキーワードである「Data-Informed / データインフォームド」について、DXとの関係性という切り口で解説していきます。

前回ふりかえり:DX=UX変革 with Digital技術

さて、前回はDXとUXについてのお話で終始してしまいましたが、あの3000字を一言にまとめると、「UX変革(=ユーザー体験の変化)にデジタル技術を使う部分を「DX」呼ぶべきじゃね」ってお話です。

みんな大好きベン図くんで示すと、この水色の部分です。

で、ここはとても大事なポイントなのですが、ユーザーは、必ずしも一般消費者とは限りません。前回のスーパーでのお買い物の例では、消費者・エンドユーザーの体験について取り上げましたが、ビジネスユーザーも対象と捉えるべきです。

オフィスワーカーの人はパソコンのユーザーであり、エクセルやパワーポイントのユーザーであり、オフィス家具のユーザーです。製造工場の人は、製造機械のユーザーであり、運送サービスのユーザーです。その運送サービスの提供者は、配送トラックや倉庫設備のユーザーです。つまり、ありとあらゆる場面で、UXが存在していて、そこに、改善の余地が存在している、と考えるべきです。

そう考えると、「お、DX、まぢ可能性あんじゃん!」ってなりますよね。「そんなにあちこちにUX改善チャンスがてんこ盛りなんだから、DXチャンスもとんでもないんじゃね!?」ってなりますよね。そうなんです。DX、すごいんですよ。可能性しかないんですよ。

ただ、可能性に満ち溢れているが故に、みんなが「DX!DX!」って言っちゃう傾向があるんですよ。10年ほど前に「ビッグデータ!ビッグデータ!」って言ったじゃないですか、数年前は「RPA!RPA!」って言ってたじゃないですか。もう、最近、聞かないですよね。そうなんです。ハイプサイクルってやつです。幻滅の谷ってやつです。

期待が大きい分、キーワードとして消費されちゃうんですよね。本質を見極めていかないと、あかんよなぁと思う今日この頃です。

本題:DI=判断業務のUX変革

さて、さすがにそろそろ本題に入らないと、アドベントカレンダー担当に記事を3分割にされかねないので「DI(Data-Informed)」のお話に戻りましょう。

この記事のタイトル「DIとDXは何が違うんでしたっけ?」に対する答えは、「DIは、判断業務のDX」です。DX=UX変革 with デジタル技術、なので、置き換えて「DIは、判断業務のUX変革 with デジタル技術です」と言っても同じことです。

では、みんなのアイドル、ベン図ちゃんに登場していただきましょう。どーん。

そう、DX(水色)と、判断業務のUX変革(黄色)の重なったところ、濃い青の部分がDIです。なんと、DIは、DXの一部だったんですね。驚きですね。ちなみに、僕も、この記事を書くまで気づいていませんでした。物事を整理するって大事。

判断領域のDXは、競争力強化の鍵

前回記事で僕は

それ(=デジタル技術)を使ったというだけでは「競争上の優位」は、つくれません。それらの技術を活用して、業務を変革するところまで考えないと、UXは変わらないよね?って思うわけですよ。

と書きました。

語弊を恐れずに言えば、単なるデジタル化のことを「DX」と呼んでいる人も少なからずいらっしゃるんだと思うんですよね。でも、本当のDXは、ちゃんとユーザー体験(消費者であれ、企業内ユーザーであれ)を変化させて、商品やサービスの差別性を強化したり、企業の競争力を向上させていくことにつながるはずなんですよ。

そうしたときに、僕たちが提唱しているDI、Data-Informedという概念は「判断する」という業務を大きく変革することを目指しています。

業務上の判断には、様々なものがありますが、そのいずれも「企業としての競争力」に直結します。

  • 収益力を高めるためには、何をすべきか
  • どういう新規事業を立ち上げるべきか
  • どのような人材を何人採用し、育成していくべきか
  • 物流拠点をどこに配置し、どれくらいの在庫を保有しておくべきか
  • どういう基準で、商品の発注を行うべきか
  • どういうお客さんに、何をお勧めしていくべきか
  • 効果的な販促費用の使い途は、どういうものなのか(何に、どれくらいお金を使うべきか)

こんなのいくらでも出てきますけれど、ご覧いただいて分かるように、こうした判断は、経営層が数年に一度行う大きなものから、現場の担当者が1日に何度も行う小さなものまで幅広く存在しています。こうした無数の判断を、いかに精度高く判断し、再現性の高い成功を積み上げていくかが、企業活動の根幹であり本質です。

僕たちギックスが「データインフォームド」を推進しているのは、こういった「企業の競争力強化に直結する判断」を、より良いものにしていきたい!(ま、せっかくだから、データ「も」使っていこう)と考えているからなのです。

おわりに:論理的に考えて、合理的に判断しよう

僕たちは、仕事においても、プライベートにおいても、日々、大小さまざまな判断を行っています。それらの多くは、深く考えることなく「勘・経験・度胸(KKD)に基づいて」行われているものでしょう。もちろん、そのこと自体は、悪いことではありません。インパクトの小さい判断に、長い時間を考えるのは非効率ですからね。(反対に言えば、そういう判断は全て機械に任せてしまうという考え方もあります)

一方で、しっかりと考えて、確固たる意思をもって判断することが求められるケースもあります。そうした判断には、論理性・合理性を持ち込んでいきましょう。インプットを増やしましょう。特に、客観的なデータがあるのならば、積極的に使いましょう。自分の勘・経験に基づく仮説と、データを使って得られたファインディングスを比較し、仮説に誤りがないかを考えるのです。

仮説を持つこと。仮説を検証すること。検証結果を元に、新たな仮説、より精度の高い仮説を導き出すこと。そして、その仮説に基づいて行動し、その結果を受けてさらに検証を行うこと。こうした活動を行うことが、物事の再現性を高め、成功の確度をあげます。

「あらゆる判断を、Data-Informedに。」

当社の掲げるこの言葉は、本日の記事を踏まえると「あらゆる判断の、UXを変革する」と言い換えることができます。この記事をお読みいただいて、データを用いて考え、判断する「データインフォームド」という思想に、少しでもご興味をお持ちいただき、そして、日々の活動の中に織り込んでいこうとお考えいただければ、とてもうれしく思います!


以上で、おぢさんの長い話は終わりです。ちょっと他の記事とは毛色が違う感じだったかもしれませんが、明日からは、また、いつものアドベントカレンダーに戻ります。お付き合いいただいてありがとうございました。

明日は「GitHub で TypeScript 関連リポジトリのトレンドを調査する」を公開予定です。

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