(往路)成田→シンガポール搭乗編:噂のLCC 「SCOOT(スクート)」に乗ってみた②/ニュースななめ斬り by ギックス

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SCOOT(スクート)で成田-シンガポールを往復した

2013年1月に「ベストLCCオブ・ザ・イヤー」に選ばれた、話題のLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)であるSCOOT(スクート)。シンガポール航空の出資で、中長距離国際線を運行するというLCCの中では独自のポジションを取っています。4月上旬にシンガポールへの短期出張が入ったので、成田-シンガポールの往復にそのスクートを利用してみました。2回目の本日は往路の成田→シンガポール搭乗編です。

成田→シンガポール スクートビズ 搭乗レポート

前回のオンライン予約編で紹介したとおり、往路ではしっかり仕事しながら移動できる環境を期待してスクートのビジネスクラス(レガシーキャリアのプレミアムエコノミークラスに相当)である『スクートビズ』を利用します。

フライトスケジュール

成田→シンガポールの往路のフライトスケジュールは、台北でのトランジットを含め、以下の通りです。

①成田 13時55分発 台北 16時30分着(日本時間17時30分着) 3時間35分のフライト

②台北で1時間25分のトランジット

③台北 17時55分発  シンガポール 22時25分着 4時間30分のフライト

フライド時間が合計8時間5分。トランジットが1時間25分で、計9時間半の旅程です。ちなみにJALの直行便だと成田→シンガポールで所要時間は7時間です。台湾での乗り換え時間と台湾経由で距離的に遠回りしていることで2時間半ほど余計に時間がかかることになります。

チェックイン

成田空港第2ターミナルでのチェックインはすごくシンプルでした。ビジネスクラスだったこともあり、待ち時間もなく数分で終わりました。カウンターでパスポートを渡すと、こちらの小さな荷物を見て「荷物、預けないですよね」と向こうから言われます。また「13時30分にはゲートを閉めます。搭乗を締め切るので、それまでに必ず搭乗してください」とも言われます。”安いんだからこちらのオペレーションに合わせてください”的な対応。はっきりさっぱりしていて、すごくいいと思います。

座席、スペース

そしていよいよ搭乗です。

スクートビズの座席は2-4-2列。エコノミーが3-4-3列なのでその分横に広いです。シートはちょっと安っぽい黒の革張りですが、値段を考えると別に文句はありません。

座席は横幅はもちろんですが、縦にも十分なスペースがありました。前回もご紹介したようにシートピッチが約97cmあり、レガシーキャリアのプレミアムエコノミーと同じだけの前座席との間隔があります。身長が180センチを超える私でも前の席との間に十分な空間がありました。

乗ってみて、この前座席との空間が広いというのがすごく良かったです。足も十分に伸ばせますし、周りに体が当たるのではないかと気を使う必要もないので、今回の搭乗の際に考えていた、しっかり仕事をしながら移動ということも成し遂げられました。私の場合、飛行機などの移動体では、予算の範囲内で、最大の周辺空間の広さがあることが一番大事であるということを認識しました。さらにありがたいことに今回は成田→台北、台北→シンガポールの両区間とも、非常に空いていて搭乗率が25%程度でした(32座席中、8人の乗客)。両区間とも横の席が空いていたので、2席分のスペースを使って快適に仕事ができました。

(このように97cmのシートピッチが非常に心地よかったのですが、この記事を書く時に比較用にJALのシートピッチを調べたところ、JALも2014年春から、東京―シンガポール便などのアジア便にシートピッチを長くした新しい機材を順次拡大導入しているようです(詳細はコチラ)。新しい機材では、シートピッチはエコノミーが従来の79cmから84-86㎝にのび、プレミアムエコノミーが97㎝が107㎝になるとのこと。エコノミーの84-86cmがスクートビズの97㎝と比して、どの程度快適なのかは一度試してみたいところです。)

サービス

機内食

機内食は、オンライン予約時にメニューを選んでいるときからうすうす感じていたのですが、私にはちょっと合わなかったです。エコノミーもビジネスも同じメニューではないでしょうか。なかなかにオイリーでハイカロリーな感じです。なぜかついてくるスナックに文化の違いを感じます。

 

LCCということを考えると食事は当初から特に期待はしていなかったので、落胆はなかったです。

エンターテイメント

スクートでは座席に備えついている個人用モニターはなく、乗客が持っているWiFi搭載デバイスもしくは貸出ししてくれるiPadを使い、ScooTVというサイトにアクセスして、ストリーミングで映画を見ます。この辺の割り切りもいいですね。物は試しということで自分のPCでScooTVにアクセスしてみました。アクセスの仕方は、CAさんから渡されるカードに手順があります。インフライトSignalにアクセスしてブラウザーを立ち上げ、アクセスコードを入力すると自動的にScooTVのサイトにたどり着きます。

映画は洋画、邦画など以下のようなラインアップが揃えてありました。

ただ、洋画を見てみると、字幕は残念ながら中国語で日本語には変更できないようでした(笑)。

今回は搭乗中は仕事をしていたので、ScooTVにはアクセスしただけで、じっくりと映画を見たわけではないですが、乗客の皆さんがお持ちの機材でストリーミングを見てくださいという割り切ったサービスもすごくいいと思いました。今どき多くの人が何かしらWiFi搭載のデバイスを持っているわけですし、わざわざ個人モニター付きの航空機をそろえてもらう必要はなく、その分運賃を安くするというのは、すごく合理的だと思います。

トランジット

スクートのシンガポール便には、台湾の台北でのトランジットがあります。台北の空港では、一度飛行機から出て、荷物の検査を再度実施し、LCCだからか一番端の搭乗口まで歩かされ、再度同じ機体に搭乗するという形になります。トランジットの所要時間は1時間半程度。この時間のロスが、直行便との差分です。個人的には、そこまで長くない待ち時間ですし、シート空間の広さの恩恵で、トランジット前までにしっかり仕事ができていたことで満足感があったため、この待ち時間についても十分許容できました。

スクートビズの価値

このようにまず成田ーシンガポールの往路に乗ってみてたわけですが、個人的にはスクートビズ、すごくよかったです。海外への移動時、ある程度長距離便に乗る際の自分の優先順位のトップが、空間の広さであり、空間が広いと飛行機を乗っている時間を最大限有効に利用できるということが改めて認識できました。レガシーキャリアの、スクートよりは少しましな機内食や、CAさんの質の高いサービスなどには個人的にはあまり価値を感じないです。とにかく広さがあり、仕事ができるもしくはくつろげる環境があってその中で一番安いものを選べば自分は満足するということがわかりました。そういう価値観を持っている人には、スクートビズはすごく合うと思います。

このように、往路では個人的な満足度が高かったスクートビズですが、復路は深夜便で機内泊です。復路を乗り終え、日本についたあと、快調に仕事ができるぐらいに機内でゆっくりと熟睡できるのでしょうか。次回はその復路の深夜便の搭乗についてレポートします。

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