写真でつながる。Cameconが支援する地域と企業のエンゲージメントづくり

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地域でも企業でも、「つながり」をどう育むかが昨今の重要なテーマになっています。
千葉県・柏の葉スマートシティでは、2025年9月にギックスのフォトコンテストサービス「Camecon(カメコン)」を活用し、多様な人々をつなぐ参加型の取り組みが行われました。

写真を通じて“日常の一瞬”を共有することで、人と街・人と組織の距離はどう変わるのか。今回は、企画の背景とCameconというサービスに込めた想いを、Data-Informed事業本部 マネージャーの石井絢(いしい じゅん)に聞きました。


フォトコンテストがつなぐ地域コミュニティ

―まずは、「Camecon(カメコン)」のサービスについて、簡単に教えてください。

Camecon」は、フォトコンテストの開催に必要な機能をワンパッケージで提供するプラットフォームです。自治体や企業の皆様に、マーケティング・PRやコミュニケーション活性化などの目的でご活用いただいています。

―柏の葉スマートシティで行ったフォトコンテストはどのような取り組みだったのでしょうか?

ぼく・わたしの成長の瞬間」というテーマで、コンテストを開催しました。

Cameconのサイトで会員登録をしていただければ、どなたでも簡単にご応募いただける仕組みです。撮影は一眼レフのような本格的なカメラでなくても、スマートフォンやトイカメラでも大丈夫です。

公園で遊ぶひとコマや、家族の時間、イベントでの笑顔など、日常にあるお子さんの素敵な一瞬にフォーカスした写真を募集し、多くの方にご参加いただきました。

―どういった経緯でご導入いただいたのでしょうか?

柏の葉では2023年より、当社のプラットフォーム「マイグル(Mygru)」を活用して「子育て支援スタンプラリー」を開催しています。これは柏市内の子育て支援拠点や、民間の子育て施設・イベントなど、公民連携によって地域の子育て支援サービスを周知するとともに、パパ・ママ同士のコミュニティ形成を促すことを目的としたものです(※)。

この取り組みから発展し、今回はフォトコンテストという枠組みを活用し、地域の皆さんをつなぐ試みとして挑戦することになりました。

※参考記事:DIサミット2025セッションレポート「子育て支援スタンプラリーの成果と更なる他自治体への展開」(2025.07.02)https://www.gixo.jp/blog/27931/

―地域を舞台にフォトコンテストを開催することの意義とは何でしょうか?

写真は、特別な説明がなくても感情や空気感が伝わりやすく、誰もが気軽に参加しやすい表現手法です。だからこそ、住民・ワーカー・来訪者など、地域に関わるさまざまな人たちが、日々の暮らしの中で見つけた喜びや工夫を写真で持ち寄ることで、互いに知り合い、応援し合える―フォトコンテストは、そうした場になると考えています。

多様な方が集まる街で、写真を通じて「いいね」と思える瞬間を共有することが、「人と人」「人と街」をなめらかにつなぎ、その関係性をもう一歩深めていくきっかけになると感じています。

また、今回のコンテストを通じて集まった写真は、街のウェブサイトやお知らせのビジュアルとしても活用されます。数字だけではなかなか表しきれない地域の魅力を、“地域に関わる当事者の目線”からダイレクトに届けることが可能になります。
さらに、自身が応募した日常のひとコマが“街の顔”になるという体験は、参加者にとっての喜びや、次回コンテストへの参加意欲にもつながります。
写真を撮って、見て、語り合って、また撮る—この循環が、街の活気に繋がっていくと考えています。

―今回のフォトコンテストを振り返ってみていかがですか?

親子で遊ぶ姿、季節の風景、学びや仕事の場での前向きな一歩など、柏の葉の魅力あふれる写真が1ヶ月で100枚以上も寄せられました。

柏の葉の担当者の方からも「参加者それぞれの視点から多様な写真が集まり、その豊かさに驚きました」といったお言葉をいただき、今回の試みが地域にとっても意義あるものになったことをとても嬉しく思っています。

この取り組みの根底にあるのが、「エンゲージメントの向上」です。ここで言うエンゲージメントとは、「自分もこの街の一員だ」と実感し、前向きに関わりたくなる気持ちのことです。
写真を通じて、周囲の人の頑張りや工夫、優しさに触れることで、自然と声を掛け合ったり助け合ったりする関係性が育まれます。こうした積み重ねが、街に対する誇りや愛着を高めていくと考えています。

エンゲージメント課題に対するCameconの視点

―エンゲージメントの課題は、企業でも共通しているのではないでしょうか?

はい。人口減少に伴う人材不足への対応や、持続可能な経営の観点から、従業員のエンゲージメント向上や心理的安全性の確保は、企業にとって重要な経営課題となっています。

また、人的資本の情報開示が義務化されたことで、組織や人材の状態を社内外へ積極的に発信することも求められています。

こうした「人的資本」というテーマに対して、どう取り組むべきかを悩む企業も少なくありません。
全国に拠点を持つ企業や、リモートワークの浸透によって柔軟な働き方に取り組む企業がある一方で、従業員同士の交流や共通体験が生まれにくくなり、組織の一体感や企業カルチャー、ミッション・ビジョン・バリューの浸透に課題を感じているケースも見受けられます。

―そこに、フォトコンテストでアプローチするというわけですね。

そうです。企業様向けに「Camecon for Engagement(カメコン・フォー・エンゲージメント)」をサービス展開しています。これは、オンラインで完結できる社内限定フォトコンテストの仕組みによって、エンゲージメント向上を支援するものです。

例えば、「仲間や職場への感謝」や「自社のミッション・ビジョン・バリュー」といったテーマは、従業員の“その人らしさ”や価値観を引き出しやすいと思います。
Cameconプラットフォーム上での投稿・閲覧・投票・コメントなどを通じて、言葉だけでは伝えにくい感情や思いを、写真を通じて共有できるのです。

―従業員同士の相互理解や、共感の醸成に作用するのですね。

はい。普段言葉では表しきれない“その人らしさ”や感性がにじみ出ることで、部署や役職を越えた共感や対話が自然に生まれます。これにより、エンゲージメントや心理的安全性の向上、企業文化の醸成につながっていきます。

さらに、コンテストを通じて集まった写真は、社内外の広報素材として、企業カルチャーの魅力発信のために活用いただくことも可能です。
人的資本経営の実践と発信を後押しする取り組みとして、Cameconがお役に立てればと考えています。

フォトコンテストが描く“これからの姿”

―最後に、今後のCameconの展開に向けたメッセージをお願いします。

地域でも企業でも、エンゲージメント向上に向けた取り組みは、継続するほど真価を発揮します。季節や行事に合わせてテーマを工夫しながら開催を重ねることで、参加の輪を広げていくことが大切です。

フォトコンテストを通じて見えるのは、“現在の姿”だけではありません。今いる場所がより良くなったときの景色や、これから築いていきたい関係性など、未来のイメージを写真から想起できることも大きな価値です。
そうした“これからの姿”を共有することで、街や組織への愛着や挑戦心が育まれていけば、とても嬉しく思います。


※柏の葉スマートシティのサイトにて、当社インタビューを掲載いただいています(https://www.kashiwanoha-smartcity.com/info/topics/107/
※記載内容は2025年12月時点のものです

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