Behavior-based Micro-segmentation for Data-Informed Decision Making | データインフォームドな判断のための行動ベースのマイクロセグメンテーション(1/2)

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BM4DIDM_1

タイトルの圧が凄くて誠に恐縮なのですが、本日は、ギックスがパーパスとして掲げる「Data-Informedな判断」と、「ゾクセイ」によって実現されているビヘイビアベースのマイクロセグメンテーションについて、その関わり方をご紹介させていただきます。

まずは、言葉の意味合いから。

Behavior-based/行動ベース:
ビヘイビア、つまり、日々の行動に基づいて考える、ということです。
ここが、「ゾクセイ」と我々が呼ぶ部分です。意図や意向、趣味嗜好などをアンケートではなく、実際の行動履歴から読み解いていきましょうという思想に基づいています。
理解の対象となるのは、別に顧客である必要はありません。営業担当者などの従業員であっても構いません。あるいは、店や商品でも問題ないですし、機械の稼働ログ・操作ログなどでも構いません。

Micro-segmentation/マイクロセグメンテーション:
細かい単位で対象(たとえば顧客)を分類します。論理的には、1-to-1まで細分化可能ではありますが、マーケティング領域(特に、マス向け・Consumer向け)において、本当の意味で「個々人に対するベスト提案」を作成する意味は非常に薄いということもありますので、「ある程度」のボリュームが残る形でセグメントを定義することになります。

Data-Informed Decision Making/データインフォームドな判断:
当社のパーパスにも掲げられていますので、このブログをお読みの方は既にご存じかと思いますが、「データ“も”用いて、論理的に考えて、合理的に判断する」という行動様式のことです。
➡関連記事:Data Informed(データインフォームド)とは:ヒトを主体に据えたデータ活用

for/のための:
今回は、BM for DIDM (BM4DIDM)ということですので、BM(行動ベースのマイクロセグメンテーション)を、DIDM(データインフォームドな判断)のために用いる、ということを意味しています。

で、改めて「Behavior-based Micro-segmentation for Data-Informed Decision Making」です。せっかくだからカタカナで書いておきましょう。

ビヘイビアベースドマイクロセグメンテーションフォーデータインフォームドディシジョンメイキング

46文字。

B’zの名曲「あいのままにわがままにぼくはきみだけをきずつけない」でも、25文字。
爆風スランプの「しんでれらちからいっぱいうさばらしのうたこんやはぱーてぃー」でさえも、30文字なのに。

という余談はさて置いて、この長ったらしい用語は、「データインフォームドな判断を実現するために、行動ベースで顧客を細分化して捉えよう」という意味になります。説明も長い。
ここで注意していただきたいのは、あくまでも「データインフォームドな判断をすること」がゴールであって、「行動ベースで顧客を細分化して捉える」ことは手段である、ということです。

顧客理解を深めよう、というときに、どうしても「データ分析者」は、データで事象を掘り下げるところに目を向けがちです。しかし、「なんのために(for what?)」という観点を忘れてしまうと、往々にして非常に残念なことになります。

では、そろそろ本題に。

「ビヘイビアベースで理解する」=「嘘が無いデータから類推する」ということ

まず、なぜ、ビヘイビアベースなのか、というところからお話を始めましょう。

顧客を理解する、というと、オールドタイプの我々としては、ついつい「アンケート調査をしよう」という発想になります。で、スクリーニングして、さぁ、デプスインタビュー(調査対象者と1対1で対話する手法)だ!ということになる。
顧客が何を考えているのかを、顧客に聞いたらいいじゃないか、という話です。これはこれで一理ある。

しかし、問題点が2つあります。

  1. 全量検査はできず、サンプリング調査になる
  2. 顧客が本当のことを言っているのかどうかが、分からない

ひとつめは、あたりまえなので、統計的にランダムサンプリングしてうんたらかんたら、ということになるのですが、ふたつめについては、回避のしようがありません。

そもそも、顧客が、顧客自身について、正しく理解し、また、それを正しく言語化できているのか?ということには、大きな疑問が残ります。普通の人は、そんなことできません。我々コンサルタントだって、「他人事」だから、論理的に整理して言語化できるのであって、自身のプライベートに関して、正しく理解し言語化できているか?と問われると、そっと俯くくらいしかできません。

そこで、ビヘイビアベースです。

行動は嘘をつきません。どこに行った。いつ行った。そこで何を買った。同じものを何度も買うのか、毎回違うものを買うのか。まとめて買うのか、バラバラに買うのか。特定の組み合わせが成立するか。そうしたことが記録として残ります。

もちろん、「自分のモノを買っている」場合と、「家族のモノを買っている」「誰かへのプレゼントを買っている」場合とでは、行動の意味するところが変わりますが、それでも「その人が、そのタイミングで、それを買った」という事実は嘘ではありません。

アンケートに代表されるユーザー調査は、入り口となるデータが「主観」になります。しかし、行動ログ(購買ログや移動ログなど)は、入り口が「客観」になります。ここが最大の違いです。

データ分析においては、解釈が入ります。これは「主観」に依るところが増えてきます。統計処理は客観的であると言ってよいと思いますが、その先に進もうとすると、どうしても主観が大きなウェイトを占めます。
つまり、「主観データ×主観分析」を行うのか、「客観データ×主観分析」を行うのかというお話です。どう考えても、後者の方がブレが少なそうですよね。

「ビヘイビアベースのマイクロセグメント」=「再現性の高い顧客分類」

続いて、マイクロセグメンテーションのお話です。「顧客(もしくは事象)を細かく分類する方が、より詳細に顧客を理解し、それに対して適切な施策を打ちやすくなりそうだ」という部分については、特に異論のある方はいらっしゃらないでしょう。

では、これがビヘイビアベースだと、何が良いのか?が、続いての論点です。

一言で言えば「再現性が高いから」、これに尽きます。

何度も申し上げている通り、インプットとなるデータが「嘘じゃない」わけですから、「同じような行動をとっている人」は、「同じような考え方に基づいて行動している」と捉えやすくなります。

そして、「同じような考え方に基づいて行動している人」は、「次にとる行動が似通ってくるだろう」という考え方にも、一定の妥当性があると言えます。

いやいや、それもあくまでも類推の世界であって、行動が同じでも考え方が同じだとは限らないだろう?というご意見があるのもご尤もです。しかしながら、アンケートのように「特定のタイミングで、主観を自由に込められるあやふやな回答」と、「意識的・無意識的、あるいは、計画的・非計画的の区分なく、実際に行動した継続的な履歴」のどちらがその人の本質を表すのか?という観点で捉えてみるとどうでしょう?

ダイエットしたい、痩せたい、と思っている人は多く居ます。しかし、その人が、「ランチをサラダにするか?」という問いにYesと答えていることと、「実際にサラダを買っている」ことの、どちらがその人の実態を示しているのか、というお話です。(もちろん、アンケートで「ダイエットの意欲があるか?」を聞いたうえで、POSデータで「サラダを買っているか?」を確認するということには、大きな意味があります。)

「ランチにサラダを買いたい」とアンケートで応えた人に、「トクホのお茶」を薦めるべきなのか。
あるいは、コンビニで実際に「サラダを買った人」もしくは反対に「背脂こってりチャーハンを買った人」に「トクホのお茶」を薦めるのか。
どういう選び方をしても構いませんが、なんにせよ、後者の方が「嘘」が混入する余地が少ないわけです。

こうした「嘘の混じらない実際の行動履歴」を用いて、より細かく人を分類していけば、より精緻に人の行動が「読める」のではないか?というのが、ビヘイビアベースのマイクロセグメンテーションです。つまり…

  • ランチ時間帯にサラダを定期的に買っている
  • 過去にトクホを買ったことがある
  • ここ3日間、サラダの購入が無い
  • 昨日、ガテン系(こってり系)の食事を購入している

というような人たちに対して「そろそろ、健康に配慮したものを買うだろう」と考える、というお話です。こうした条件を増やせば増やすほど、顧客区分(セグメント)は細かくなりますから、マイクロ(微小な)セグメント分けが可能になるわけですね。

続く

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