「挙動」に関するログ(ドライブレコーダー,フライトレコーダー)|データ分析用語を解説

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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

テクノロジーの進歩は、捕らえる「挙動」の範囲を広げる

本連載ではログについての説明をさせていただいています。前回は「通信」に関するログを説明しました。今回は本連載の最終回として「挙動」に関するログについて説明します。「何でも挙動じゃないか!?」というツッコミはごもっともです。今回はその中で「テクノロジーの進歩によってこんな挙動も記録可能になった」という例を綴らせてください。連載第三回「移動に関するログ」で「テクノロジの進歩でスマホなどの位置情報が取得可能になった」というお話をさせていただきました。また今までの連載で述べてきたログのほとんどは「文字」として記録されたログでした。これもテクノロジーの進歩によって文字以外の表現手段でログを記録する事ができるようになっています。以下に例を挙げて説明します。

車の挙動ログ

車もログを出している?位置情報かな?と想像される方もいらっしゃるかと思いますが、ここではそうではありません。ここでの「車の挙動」とは、

  • ブレーキを踏んだ
  • アクセルを踏んだ
  • オイルの温度
  • ガソリンの残量

といった運転者の行為とより密接に結びついた車の状態ログです。車はこれを時間ごとに記録したログを持っています。このログは自動車メーカに送信され「性能測定の元データ」として製品の性能向上に利用されています。すなわち、

  • どんな運転をする人が燃費がいいのか?
  • どんな運転をする人の車の部品劣化が早いのか?
  • 故障発生率の高い箇所はどこか?

といった事柄を知るためのなどの情報源となっているのです。
普段我々がなかなか目にすることのないログですが、こんなログもあると思うと、おもしろいですね。

監視カメラ(ドライブレコーダ)

文字以外のログといえば、「映像ログ」と「音声ログ」ですが映像ログの代表選手といえばこの「監視カメラ」でしょう。テレビの衝撃映像で海外の銀行に強盗が入ったり、コンビニエンスストアに車が突っ込む映像が流れますが、視聴者である我々は正に「ログ」を見ているのです。
従来は設置型のカメラに記録されている映像がほとんどでしたが、最近テクノロジの進歩に伴って移動可能な監視カメラも数多く登場してきました。これが「ドライブレコーダ」です。タクシーに搭載されているドライブレコーダは車内の様子をログとして記録することでドライバーと顧客とのトラブル防止やトラブルの解決に役立ちます。また一般車に搭載されているドライブレコーダの多くは車外の様子をログとして記録することによって事故があった場合の責任所在を明らかにする事に役立ちます。

フライトレコーダ

最後にこの挙動ログを説明させてください。フライトデータレコーダー(FDR)とコックピットボイスレコーダー(CVR)です。FDRは飛行機の挙動を逐一ログとして記録し、CVRは操縦席内の会話を音声ログとして記録しています。
ここで以下にウィキペディアからの記事を引用します。

事故が発生した際、乗員・乗客が全員死亡することも珍しくない航空事故では、事故原因究明の手掛かりを得ることが大変難しい。そのため、飛行中のコックピット内で操縦士たちが交わした会話や航空交通管制機関との交信内容、機体の飛行状況を記録し続けることにより、事故原因究明のための手掛かりとするべく旅客機に搭載されていることが多く、法によって搭載装備を義務付ける国もある。アメリカなど国によっては軍用機にも搭載義務がある。
引用元:ウィキペディア

まさに「ログの中のログ」ともいえますね。このログを解析しなければならないような不幸な出来事が起こらないことを願うばかりですが、万が一起こってしまった場合、次の不幸を一つでも少なくするための大切な取り組みの一つとして「ログ」が大きな役割をしめていることをあらためて実感させられます。(こちらの弊社記事も併せてお読みください。)
 
以上、全六回にわたってログの説明をさせていただきました。これまで「ログ」という言葉にあまりなじみのなかったみなさんもいらっしゃるかと思います。この記事をお読みくださった後、みなさんも身近にあるログを見つけていただけたらと思います。

連載/関連記事リスト:ログデータ

データ分析用語:索引

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