POS分析における「商品カテゴリ」の重要性|レシートから考えるPOSデータ分析(13)

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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

「商品カテゴリ」は商品の買われ方の概要を把握するうえで必要

これまでは、コンビニのレシートを見てきましたが、今回はスーパーのレシートを見てみます。

スーパーのレシートで商品の前に記載された6桁の番号とは・・・

下のレシートをご覧ください。

商品名が英語で記載されていたり、記載されている位置が異なったりするものの、これまで見てきたコンビニのレシートとほぼ同じような項目が記載されています。その中で、これまでのレシートと違う点を探してみると、商品のリストの頭にある6桁の数字(赤線で囲った部分)が挙げれらます。この番号は何でしょうか?
よく見てみると、lettuce(レタス)、Tomato(トマト)、Welshonion(ネギ)の前には同じ番号”000241″が振られています。レタス、トマト、ネギ、、、すべて野菜です。このことから、この6桁の番号は「商品カテゴリ」の番号では無いかと考えられます。野菜と分類が近そうな果物であるDole Banana(Doleバナナ)の番号は”000242″となっていて、”000241″と一番違いなのもこの番号が「商品カテゴリ」の番号だとすると納得がいきます。

POS分析における「商品カテゴリ」

元々「商品カテゴリ」は、商品の管理のために付けられたものでしょう。スーパーで取り扱う商品数は膨大ですので、商品をカテゴリに分類することにより、在庫管理や品出しなどをわかりやすくしていると考えられます。
この「商品カテゴリ」ですが、POS分析においても重要な役割を持ってきます。 「商品の売れゆきは時期によってどう変化するか」であったり、「どの商品とどの商品が一緒に買われやすいか」といった分析をする際、SKUごとに見ていると傾向がわかりづらくなります。例えば、『「ビール」と「おむつ」が一緒に買われやすい』という有名な話も、ビールを銘柄や容量ごとに個別に分析していたら、この傾向は見えてこないかもしれません。ビールのそれぞれの銘柄は重要ではなく、「ビール」というカテゴリが重要なのです。
また、個別の商品で分析を行うと、サンプル数が少なくなるために分析結果の誤差が大きくなってしまうのも問題です。そのため、商品をカテゴリで分類して、母数を多くすることで、より確度の高い分析ができるようになります。 また、商品は時間とともに入れ替わっていくものなので、時系列の推移を追う際にも「商品カテゴリ」が重要になってきます。
どのようなカテゴリに分類するかですが、それは分析の目的によって変わってきます。 スーパー全体の売り上げの傾向をつかみたい時には「野菜」「魚介類」「肉類」など粗いカテゴリが良いでしょうし、「野菜」の中での売れ筋を見ていきたい時には、「トマト」「なす」「キャベツ」といった細かいカテゴリが必要となってきます。POS分析で様々な分析を行いたいと考えるならば、「大分類」「中分類」「小分類」といった階層別にカテゴリを用意しておくとよいでしょう。
なお、SKUごとに分析をした方が良い場合もあります。 「ある特定の商品について特売を実施したが、その効果を検証したい」といった場合です。 カテゴリで分析するか商品ごとに分析するかは、結局のところ何を分析したいのかによって決まります。ただ、どのような分析にも対応できるよう商品をカテゴリに分類しておくことが大切です。
このように「商品カテゴリ」をきちんと管理しておくことがPOS分析には重要です。今回のスーパーの例では、数字としてレシート上に現れてきましたが、レシートに現れてきていない小売店でもきっと商品はカテゴリに分類されていることでしょう。

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