Headshot Marketing 〜「狙いたい顧客」から「使うべき顧客へ」〜 その⑧:UVPを起点とした全体整合性

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前回は「論理市場(マーケット)」と言う考えを説明しました。
今までの7回までで、「UVP」「使うべき顧客」「論理市場と現実市場の乖離」の3つに関して検討を行ってきました。今回はその3つを改めて1枚にまとめて、全体の整合性を取って行きましょう、と言う説明を行います。

UVPを起点にした全体の整合性再確認:

 今まで検討した「UVP」、「使うべき顧客」、「論理市場と現実市場の乖離」と言うものを1枚のslideに落とすことは非常に価値があります。

 そうして1枚のSlideにまとめる事で、改めて整合性を見てみましょう。商品、価格、チャネルに何か齟齬はないでしょうか?

  •  商品で見たら、使うべき顧客に対応した商品戦略でしょうか? 足りない機能やUVPや使うべき顧客に対して齟齬はないでしょうか?
  •  価格で見たら、使うべき顧客に対応した価格戦略でしょうか?
  •  チャネルで見たら、使うべき顧客に対して、きちんと商品が伝わる、届く流通経路が構築されているでしょうか?

 マーケティングの4P(Product, Price, Place, Promotion)のうちの3P(Product, Price, Place)はそれぞれ異なる部署が見ている事が多いですが。そのため、お互いに齟齬が起こっている事は非常に多くあります。改めてUVPや使うべき顧客と言うものをベースにして、その整合性を見てみる事で新たな気づきが得られる事もありますし、また一貫性のあるマーケティング方針にして行く事もできます。

マーケティングの基本方針策定に向けて

Product、Price、Placeの3Pが改めて整合性が取れて、「UVP」、「使うべき顧客」、「現実市場と論理市場の乖離」が整理されてくれば、自ずと必要になるプロモーションの戦略が見えてくると思います。

 広告主側の方は、このように「どのような乖離を埋めるために、誰の、何(態度変容)を変えるためのプロモーションなのか?」と言う事を明確にして広告代理店さんに仕事を出す事が出来れば、お互いにより効果を出しやすい環境になって行くと思います。

終わりに変えて

 マーケティングでは成し遂げたい事は非常に単純ですが、そのためのアプローチは多岐に渡り、決して絶対的な正解がある訳ではありません。
今まで説明してきたHeadshot Marketingは決して万能な考え方ではありません。それでも、非常に基本的な部分からマーケティングを俯瞰して見て行くための最初の一歩としては非常に有効であると考えています。

 このHeadshot Marketingやその胆である「UVP」、「使うべき顧客」「論理市場と現実市場の乖離」と言う考えが皆様のお役に立つ事ができれば幸いです。
(了)

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