Wi-Fi無線LAN干渉とは何か?|IoT・センサー環境敷設にあたっての注意点

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IoT担当者必読!無線LAN設置には「配慮」が必要です。

こんにちは、技術チームの岩谷です。先日とある方より「Wi-Fiの電波干渉って何?無線LANが使えなくなっちゃうの?」という質問をいただきました。今回はこのお題についてちょっと説明をさせてください。近年IoT(Internet of Things)への注目もあり「センサーを張り巡らせてデータを収集し活用する」という取り組みがいろいろなところで始まっています。ここで考えられるシーンの一つとして「センサーにWiFi機能を搭載してインターネットへデータを送信」があります。ここで気をつけたいのが今日のお題である「無線LANのチャンネル干渉」です。まず今日申し上げたいことを先に述べます。なお、ここからは「無線LANアクセスポイント」を「AP」と呼びます。

  • APは、その通信において「いくつかのチャンネルの中から一つのチャンネルを選んで」使用する
  • 「電波範囲が重なる複数のAP」が「同一チャンネル」を利用してしまう状況が「干渉」である。
  • 干渉により接続速度の低下や接続の切断が発生する
  • 干渉は程度問題である。環境を100%防ぐことはできないし、する必要もない。実運用上問題ないレベルにまで干渉を抑えることが肝心である
  • 大量のAPを無計画に配置する事が干渉を引き起こしやすくする
  • 事前にAPの設置計画を策定することで、ほとんどの干渉問題を回避ことができる

アクセスポイント(AP)について簡単におさらい

まず、アクセスポイント(無線LANルータも含む)と電波との関係を簡単におさらいします。この中でWi-Fi接続には「無線電波のチャンネル選択」が存在するという事を特に覚えておいてください。

干渉しないケース①:チャンネルが異なればだいじょうぶ

まず、現在最も一般的に干渉を防いでいるケースです。近距離に隣接しているAPが異なるチャンネルを用いているケースです。

ちなみに、みなさんが普段ご家庭でAP(=Wi-Fiルータ)をお使いになっている時に、このチャンネルの違いを意識なさっていることはほとんどないと思います。それはAP製品のほとんどがが「まわりの電波状況を把握して干渉の心配が少ないチャンネルを自動的に選択する」機能を持っているからなのです。これをDFS(Dynamic Frequency Selection)といいます。

干渉しないケース②:十分に距離が離れていればだいじょうぶ

これも一般的なケースです。

ちなみに、この「距離」に関しては、上記でも申し上げたとおり障害物の有無やAP自体の無線出力によって大きく左右されますが、AP製品のほとんどにはこの距離に関する自動調整機能も備わっています。それはTPC(Transmit Power Control)と呼ばれる機能で、APがまわりのAPとの同一チャンネルの干渉を回避する為に自分が発信する無線の出力を低減する機能です。

干渉するケース:同一チャンネルが近い位置に存在すると問題

さて、ここからが実際に干渉が懸念されるケースです。以下のような状態です。この場合、スマホの利用者は転送速度の低下や通信の切断などの状況に陥るかもしれません。


この場合、下側の赤いAPのチャンネルを変更する(例:赤から緑チャンネル)ことが干渉を回避する最も有効な手段となります。

Wi-Fiの規格ごとにチャンネル数は異なる。11nを利用することにより19チャンネルからの選択が可能になっている。

ここまでで、干渉が起こりうる状況に関してまとめてきましたが「APが使用するチャンネルを上手に割り振る」事が障害の少ないWi-Fi環境を敷設する鍵となります。とすると、この「チャンネル」はどのように割り当てられているのでしょうか?実はWi-Fiにはいくつかの「規格」が存在します。以下に比較表を掲載しますので各パラメータを比較してみてください。現在市販されているAP製品のほとんどが「11a/b/g/n対応」といったように、下記11a~nまでの規格に対応しています。(最新機種においては11acの高速通信に対応する機種も増えてきました)

注目点は表4行目にある「IEEE 802.11n」です。この「11n」で干渉しない同時使用可能チャンネル数が19と大幅に拡大されました。(ここについてはさらに細かい帯域についての取り決めがあるのですが、ここでは割愛します)

まとめ:オススメの設置計画(既存ネットワークへの配慮)

本日は「無線LAN(Wi-Fi)のチャンネル干渉」について説明させていただきました。ここでまとめとして、オススメの設置計画例を以下に書かせてください。

  • 設置前に既存のWi-Fiネットワークの電波状況を調査してリストアップする
  • 既存APに影響を与えない事を第一の配慮として新規のAPの物理的な配置とチャンネル配置計画を策定する
  • IEEE 802.11nの規格がもつ19チャンネルの選択肢を組み合わせて配置することが望ましい
  • ここでの注意点として、11nの中は仕様帯域として2.4GHzと5GHzを両方利用するが、このうち5GHzの通信は障害物の迂回能力が低いので物理的に見通しのいいAP設置が求められる

このような設置計画を行い、既存ネットワークに影響を与えずにWi-Fi環境を構築することがIoTを初めとしたセンサーデータの活用に際しての「最初の注意点」の一つだと考えています。

Note:テザリングとポケットWi-Fiには注意

ここまでの計画設置を行ったとしても、いまだ排除しきれない不確定要素があります。それは「予想外のAPが大量にエリア内に存在する場合」です。代表的なケースが「テザリング・ポケットWi-Fi」でしょう。これらは個人が自由に携帯できるAPです。もし10m四方の範囲内にポケットWi-Fiを携帯した人が20人存在するようなケースでは干渉は避けられないかもしれません。

 

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