2013年新春 エナジードリンク調査
ギックス総研では、ソーシャルリスニングによる市場調査・業界調査レポートも公開しています。今回は、レッドブル、リポビタンD、オロナミンCの3商品に関してソーシャルリスニングを行いました。
企業がソーシャルリスニングを行うにあたっての主要な活用領域は4つ。1.クイックな業界ポジショニング分析、2.自社・他社の顧客のペルソナ分析、3.自社会員・顧客の現状分析、4.プロモーションに対する反応分析。本レポートは1.クイックな業界ポジショニング分析に相当。
エナジードリンク市場は、リポビタンDとオロナミンCの牙城。レッドブルは伸びてきているとはいえ、まだまだ小さい。
ソーシャルメディア上でつぶやかれるのは、ダントツでレッドブル。
売上ベースの市場シェアと、ソーシャルメディア上の共有シェアを比較すると、両者がまったく異なることがわかる。
呟かれているのは、当然ながら「含まれている」成分。オロナミンCならビタミン、レッドブルならカフェイン、リポビタンDならタウリン・カフェイン。しかし、タウリンについては「含まれていない」オロナミンC、レッドブルにもツイートが出現。
タウリンについては「入ってるのは知ってるけど、何に効くの?」という声が散見されるのが興味深い。
美味しい、に関してはオロナミンCが強い。また、量については、オロナミンCが少ない、ということもある。「美味しい飲み物」という認識なので「もっと飲みたい」という意識があると考えられる。
オロナミンCの「美味しい」は、飲み方や、飲用シーンについての表現も多い。風呂上り、牛乳割り、などの楽しみ方が透けて見える。
値段に関しては、レッドブル・リポビタンDが「高い」という評価。
価格が高い、という評価は、「高い=効く」と言う人と、「高すぎる」と言う人に二分される。
購入するチャネルについては、オロナミンCは自販機が強いものの、その他のチャネルではあまり差異が見えない。
オロナミンCの「ついで買い」「衝動買い」ニーズが特徴的。同じ時間に同じ店で買う、まとめ買いするなどの利用シーンも見える。
キャッチコピーの浸透度は押しなべて高いが、「元気ハツラツ」が使いやすい模様。また「元気になる」という商品特性があるため、分かりやすいと考えられる。
活用については「翼」が使いやすいと思われる。
つぶやきのタイミングをみると、3商品で明確な違いがある。朝のリポD、午後のオロC、深夜のレッドブル。
どこで飲まれるか、という飲用シーンをみると、オンタイムの傾向が強い(=頑張りどころはオンタイム)。
しかし、オンタイムに比べてボリュームの少ないオフタイムでも、商品別に特性があることが分かる。
ドライブ、ゲーム、サッカーなどのシーンでレッドブルを飲む人が多い。若者の飲み物、というものもある。
シチュエーションに関わる言葉をみると、リポビタンDが、合目的的に飲まれる商品であることが分かる。
頑張る、という言葉をみると、やはりオンタイムの話題が多い。
ソーシャルリスニングにより、エナジードリンク3商品の「キャラクター」を定義づけすることができます。「美味しい飲み物」オロナミンC。「若者のオフタイムを支える」レッドブル、「効果を求めるオンタイム」のリポビタンD。
このように、商品に関する発言をソーシャルリスニングにより解析することで、これまで見えていなかった「商品のポジショニング」が透けて見える、ということをご理解いただけたのではないでしょうか。