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アイドルエコノミー(idle economy):余剰リソース活用の経済/大前研一氏の慧眼|戦略用語を考える

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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潜在的なモノを、顕在化させる、ということ。

本日は、大前研一氏が提唱する「アイドルエコノミー」について考察します。

アイドルエコノミーとは「余剰リソースの活用」だ

プレジデントオンラインの「教えて大前先生」という連載内に、アイドルエコノミーに関する記事【巨大ビジネス創出! わが新・経済理論「アイドルエコノミー」】がありますので、そちらを参考にしていきましょう。

ここ数年、私が着目して研究対象にしているのが「アイドルエコノミー」である。AKB48や秋元康氏の話ではない。IdolではなくIdle、すなわち「働いていない」「使われていない」「空いている」といった意味だ。飲食業界では一番来客の少ない時間帯を、工場では機械設備が稼働していない時間帯を「アイドルタイム」という。そのアイドルだ。モノが溢れて、あらゆるものの操業度が不足する現代において、空いているリソース(資産)、空いているキャパシティ(容量)、空いている時間や能力は圧倒的に増え続けている。同時にインターネットの発達によって、「空いているもの」を見つけることが容易になった。このような時代状況、技術革新を背景に、あらゆる業界でアイドルが巨大な事業機会になっているのだ。

出所:巨大ビジネス創出! わが新・経済理論「アイドルエコノミー」

一言でいえば「空いてる人・モノ」を活用して、(経済的な)価値を創出しようという思想です。

当該記事内で、大前氏は、「空いている部屋」を活用した宿泊サービスAirbnb、「空いている自動車+運転手」を活用したタクシーサービスUberなどを具体例として挙げています。

さらに、「空いているスキル人材」を活用したクラウドソーシングなどの仕組みについても、別の記事等で言及されています。「空いているリソース=ヒト・モノ」をうまく使うという思想は非常にしっくりきますし、現在の潮流をうまくとらえた言葉だと思います。ネーミングとしてもシンプルで素晴らしいですね。

この余剰的な「ヒト・モノ」をうまく活用するという思想は、その裏側に「マッチングサービス」というプラットフォームがあるわけですね。そこが大きなビジネスチャンスとなっていくことに大前氏は注目しています。C2C(Consumer-to-Consumer)を仲介するプラットフォームにより、便益を得るConsumerと対価を得るConsumerとマッチングによる手数料を得るPlatformerという、関与するプレイヤー全員がメリットを享受できる”三方一両得な大岡裁き”的経済が生まれてくる、ということです。

「埋もれたスキル」も活用できる

この考え方をもう少し広く解釈すると、ちょっと違う切り口が得られるように思います。

先述のクラウドソーシングなどは、ヒトの「空き時間」を活用する、というイメージです。例えば、プロのデザイナーが余剰の時間でデザインをする、だとか、プロの料理人が休日にケータリングサービスを行うというような「(顕在的に)スキルフルな人材が、相対的に安価に(あるいは、リーズナブルな価格で)サービスを提供する」というような形ですね。

つまり、従来型エコノミーは「顕在化したケイパビリティ」を「顕在化させている」状態です。そりゃそうですよね。既に実体を伴って提供されているわけですから。

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それに対して、アイドルエコノミーは「ケイパビリティそのものは世の中に知られている」が、「それを価値として、物理的に提供されていない」ものを”顕在化させる”ということだと言えるでしょう。ここでいうケイパビリティとは、「部屋=滞在できるというケイパビリティ」「車=人を運搬するというケイパビリティ」「プログラマ=プログラムを書くというケイパビリティ」という感じですね。そのケイパビリティを保有したヒトやモノの「余剰時間」を”顕在化させる”わけです。

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「左下」もあるんじゃない?

と、二軸で整理してみると、左下の「潜在×潜在」にも余地があるように思えてきませんか?

つまり、「ケイパビリティとしても潜在的」で、当然ながら「世の中にサービスとして提供されていない」ものです。

具体的には「実務能力のある主婦」「リタイアした高齢者」などが考えられます。彼ら・彼女らの持っている「世に知られていないスキル=埋もれたスキル」の活用にも大きなチャンスがあると僕は思います。

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高齢者の再雇用などは、日本の高齢化に従って推進されていますが「付加価値の低い仕事」に再雇用するのではなく、彼らが保有する専門的な知識を、しっかりと経済的な価値提供に結び付けることができているかというと、いささか疑問が残ります。

また、社会人経験がある主婦層の活用は、まだまだです。アベノミクスの狙いとする、女性という労働力の活用も、本来的にはスキルのある主婦を、適材適所で経済活動に組み込む仕掛け、として考えるべきだと思います。

プラットフォームの役割も変わってくるのでは?

そうすると、プラットフォームの役割もきっと変わってきます。従来は「明確にスキルのある人を登録させる」ということと、「依頼したいことがある依頼者を登録させる」ということの2つが鍵でした。(仕事を欲しい人と、仕事を依頼したい人を集めれば、マッチングは”自発的に”行われるはずです)

しかし、この”埋もれたスキル”の場合、「埋もれたスキル保持者に、そのスキルが”求められていると認識させる”」ところが重要になってきます。また、マッチングも、登録者が自発的に探す仕掛けに加えて、当該登録車の稼働可能な時間帯・仕事のスタイル等の多くの制約事項を踏まえて、適切に”フィットしそうな仕事”をリコメンドしていくことが求められてくると思います。

これらの機能がプラットフォームに備われば、左下=”潜在×潜在”を、スムーズに、右上の”エコノミー領域”に持ち込めるようになるんじゃないでしょうか。

おまけ:ひょっとしたら”カネ”も・・・?

こんなことを考えるのが、シンカホリックとしては最高のお遊びです。大前研一さんは、僕の定義では「典型的なシンカホリック」なので、彼の考えている内容は、いつも刺激になります。凄い人ですよね。ほんとに。

尚、シンカホリックだと自認する僕は、もう一歩踏み込んでみたかったりします。

ここまでは「ヒト・モノ」について考察し、そのうち、ヒトについては保有スキルとしての潜在性まで掘り下げてみました。しかし、通常「リソース」というと、「ヒト・モノ・カネ」です。ということは、「空いているカネ」についても、同じようなチャンスがあるのかもしれませんよ。(まぁ、普通に考えると、既存の投資の仕組みに加えて、近年勃興してきたクラウドファンディングなどで説明可能なのかもしれませんけれども・・・(笑))

思考実験をするのは「自由」「タダ」なので、お時間がある方は、この辺りも考えてみると面白いと思いますよ!

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