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第二十三戦:vs 柳生四高弟 (第10巻より):多対一では、数を恃(たの)んだら負ける|バガボンドを勝手に読み解く

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古

強いひとは、自分一人でも、仲間といても変わらない

バガボンド(10)(モーニングKC)

この連載では、バガボンドの主人公 宮本武蔵の”戦闘”シーンを抜き出し、武蔵の成長について読み解いていきます。連載第23回の今回は、柳生四高弟との”合戦”です。

連載の概要はコチラから。

四人の達人を相手に、一歩も引かない武蔵

前回、柳生の門弟たちを一蹴した武蔵ですが、今度は「柳生四高弟」と呼ばれる達人四人と、多対一の合戦を行うことになります。

彼らは、非常に強く、凡百の剣士たちでは相手にならない実力者たちです。それが四人もいるわけですから、ソリャぁもう大変なことです。しかし、武蔵は、一歩も引かず、むしろ優勢に戦いを進めます。

ただ、この戦いの様を、文章で描写するのは無理がありますので、原作をお読みいただく方向でどうぞよろしくお願いいたします。(っていうか、これを文章で表現しきれるなら、僕は小説家を目指しますです。)ということで、ピンポイントで引用していきます。

学びを活かし、自然体で

まず、沼田の初太刀を躱した武蔵。躱されたことに沼田も驚きますが、躱した武蔵も、その強さに感じ入ります。

物凄い剣だ このぶんでは他の三人も・・・ どうやらこれ以下ではあるまい
だが見えたぞ 一太刀目で
俺は強くなっている
ありがとう じいさん
この4人・・・ この紛れもない達人たちを前にしても 負ける気がしねえ
ありがとう 胤舜
俺の中に あんたらが生きてる

イヤ・・・ 勝てるという考えもねえが・・・
何だろう この感じ
目を閉じてしまってもかまわんようなーーー
そんな気さえする

胤舜の初撃を”みる”ということができなかった武蔵が、(もちろん、胤舜の方が沼田よりも強いのだと思いますが)沼田の初撃を見切り、そして、その強さを授けてくれた胤栄(じいさん)と胤舜に感謝の気持ちを抱きます。武蔵が「感謝する」のは、非常に珍しいのですが、胤栄(じいさん)との出会いは、相当に意味のあるものだったと言えるでしょうね。

まぁ、その前に沢庵和尚と出会っているからこそなんですが・・・あんまり、そこには感謝の念を表現できてないような気がしますけれども。

いずれにしても、そういった学びを身に付けて「見るともなしに全体を見る」を体現し、自然体で居続けることができるようになったことが伺えます。

相手の強さを知る、も、また強さ

また、その「見る」という能力、すなわち武蔵の観察眼ですが、連載第20回でも触れたように非常に際立っています。

4対1
集団との戦いは何度か経験している
多勢の方は圧倒的有利と信じ切っている分 一人一人の肚がすわってないことが多い
いちばん強い奴を倒せば怖じ気を見せる奴が必ずいる そうして乱れた集団は崩せる

だが こいつらは数を恃んでいない
一人として 肚のすわってない者はいない
これが柳生の高弟たちなのだ
この城は 簡単には落ちねえ

多対一の戦いを(しかも、自分が”一”という不利な立場で)何度も経験してきた武蔵が、その経験を昇華させて「理論・概念」にしていることが、まず素晴らしい。さらに、その「理論・概念」を通して、客観的に目の前の四高弟を分析するところが、凄まじいですね。

「見る」を完全にものにしたと言って良いんじゃないでしょうか。

四高弟を圧倒する

もちろん、「見た」というだけでは、お話になりません。(それを誇って良いのは、地球上で地獄のミサワさんくらいです。)実際に、その剣技によって四高弟を圧倒します。そのあまりの強さに、四高弟の筆頭である庄田喜左衛門は、驚きを隠せません。

ぬおおおっ!! この庄田喜左衛門が臆しているというのか!!

この感じ・・・ どこかで
2手3手・・・4手先 その先まで考えても 読まれているような
それでいて ふと・・・ 何も考えていないような・・・
だが包まれているような・・・
この感じ・・・
味わったことがある 何度も・・・

ここで思い出されるのが、連載第20回で登場した、柳生兵庫助の姿です。柳生家の嫡孫として石舟斎に呼び戻され、秘伝の技を受け継いだ兵庫助は、四高弟を寄せ付けぬ強さを持っています。庄田が、武蔵に兵庫助の姿を重ねてしまうのは、武蔵の強さが計り知れないものであることの証左と言って良いでしょう。(実際、武蔵と兵庫助が直接会った時にも「なんとなく似ている」とお互いに感じていますし、おつうも石舟斎に紹介された際に「たけしゃんと似ている」と感じています。剣の腕前以外にも、どこか相通じるものがあるんでしょうね。)

ということで、今回も武蔵の観察眼のお話が中心になってしまいましたが、それについては、以前も触れましたので、本日は「多対一での戦い方」に関して考えてみたいと思います。

数を恃(たの)んではいないか?

武蔵は、多対一の「一」の方に属するケースが多いのですが、一般的には「多」に属してモノゴトにあたる人の方が多いでしょう。一人で行動するのは怖いですし、何か物事をなすには、一人よりも大勢の方が良いです。「早く行きたければひとりで行け。遠くに行きたければみんなでいけ。」という言葉もありますし、大勢で行動するのは全く悪いことではないです。

ただ、ここで気をつけなければならないのは、武蔵が言う通り「多勢の方は圧倒的有利と信じ切っている分 一人一人の肚がすわってないことが多い」ということです。

例えば、「会社の看板を、自分の実力と勘違いする」とかいうのもありますよね。「ミーティングで発言しない」とかいうのもそうですね。自分一人で(裸一貫で)クライアントに挑んでいるとして、その気構えで戦えるのか?って話です。

もうちょっと抽象度を上げると、「自分についてきてくれている人と、自分の”地位”や”カネ”についてきている人を見分けられない」みたいな感じでしょうか。これも結構致命的です。お山の大将は危険です。勘違いしちゃいますよね。人間的魅力って、本当に大事です。(深く自省)

肚がすわる とは?

では、どうしたら、一人で戦う気概を持つことが出来るのでしょうか。まぁ、場慣れだよ、とかっていう身もふたもないことを言ってみるのも一興ですが、僕の経験上の「肚の座らせ方」をご紹介してみます。

1.体を鍛える

健全な精神は、健全な肉体に宿ります。体を鍛えましょう。お酒を減らしましょう。ちゃんと寝ましょう。そして、クリアな頭で考えるようにしましょう。そういうの、ほんとに大事です。尚、僕はそこまでやってませんが「ボクシングジム(もしくは、キックボクシングジム)で体を鍛えて、”いざとなったら、目の前の奴を殴り倒せる”という自信を持つことで肚が座る」と仰ってた方を3名ほど存じ上げております。

2.事前に考え切る

いわゆるホワイトカラーに属する方の場合、これはオススメです。っていうか、最低限、これくらいやれよ、って話です。スタートライン。考えるのはタダです。移動時間やトイレ、お風呂、寝てる夢の中、とにかく考えて考えて、考え続けてください。「これが、自分の精一杯」というところまで考えれば、当日の結果がどうであろうと諦められます。だって、限界だったんですもん。ダメってことは、力及ばずってことですもんね。要するに「これでダメならしょうがないとこまでいけば後悔しようがない」ってことですね。(でも、ダメだったときは、翌日からの修業に活かしましょう。)

3.ホームで戦う

これは、できる場合とできない場合があると思いますが、可能ならトライする価値はあります。物理的な会議の場所を自分になじみのある場所(自社の会議室だとか、良く知った喫茶店だとか)で設定すると良いです。相手を呼びつけるなんて失礼だ、という話もありますが、意外と好意的に受け止めてくれる場合もあります。はじめての場所って、やっぱり、ちょっと緊張するんですよね。それが、相手のホーム=自分のアウェイなら余計に。会議室にたどり着くまでに緊張しちゃったりもします。雰囲気にのまれるってやつです。なので、できるだけ、地の利を活かせる場所にしましょう。

と、3つ書きましたが、勘の良い方はもうお気づきですね。これって、いわゆる「段取り八分」って奴です。そして、こういう上記の取り組みを自分がオーナーではない会議でも積極的にやると、少しずつ「多勢なのに、一人一人の肚が座る」ということになります。

四高弟もそうでしたが、個々人が覚悟を決めている組織は強いです。ベンチャー企業が大企業に勝てるとすれば、この一点です。もし、ベンチャーに所属していながら、日々の業務遂行時にタニンゴト感がある人は、改めましょう。そんなベンチャーはあっという間に潰れちゃいます。

一方、大企業に努めている方は、個々人が覚悟を決めれば、ベンチャーなんかに負けないんだということを認識していただくと良いと思いますが・・・そんなことをすると僕たちベンチャー企業経営者はとっても大変な状況に追い込まれてしまうので、そのまま、ぜひ、ゆでガエルでいてくださいませ!(笑

 

連載の全体像はコチラから。

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