ギックスの本棚/頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?(高橋政史 著|かんき出版)

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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ロジカルに考えられる人のノートは「ロジカル」である

頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?

先日ご紹介した赤羽雄二さんの著作「ゼロ秒思考」(関連記事:ギックスの本棚/ゼロ秒思考)と、目的も内容も非常に近い本書ですが、ゼロ秒思考が「思考をうまく整理する=”考える”ためにノートを取りましょう」という視点なのに対して、本書は「ノートはみんなとってるだろうけれど、使い方が全然ダメだから”ノート書きのテクニック”を教えます」という視点である、というのが最も大きな違いでしょう。

つまり、前者は「WHY」というところから入りますが、本書は「HOW]に重きを置いています。

ニワトリが先かタマゴが先か、という話ではありますが、僕のおすすめは、「ゼロ秒思考」を読んで”ノートを取る”ということの思想を理解し、方眼ノートの”具体的な使い方”は本書を使う、ということです。(コンサルタントとしては、どちらか一冊しか読めないなら、ゼロ秒思考をお勧めしますが、本書もさらっと読めば30分で読めるので、悩んでる暇があるなら2冊とも読めばよいと思います)

また、ゼロ秒思考と同様、「分かったつもり」になってないで、実践することが重要だと思います。(少なくとも、頭の中で「やってみる」のは最低限必要ですが、ロジカルシンキング初心者だという自覚のある方は、想像だけでなく本当にやらないと厳しいでしょう。)

なぜ、ノートがとれないのか

そもそも、なぜ、ノートをとれる人、と、とれない人 がいるのでしょうか。あるいは、なぜ、ノートの使い方が人によって千差万別なのでしょうか。

本書では、この一言でバッサリぶった切られます。

それは、これまで「ノートの使い方を教えてもらったことがない」から、なのです。

「ゼロ秒思考」で語られる”大半の人は、考える訓練をしたことが無い”という話と同じですね。

実際、その通りで、僕自身、A4の5㎜方眼を使っているのは、アクセンチュアの「標準文具」がそれだったから(且つ、無料で、無尽蔵に使って良かった*から)なのですが、「このように使いなさい」という具体的な方法論を教わった記憶はありません。(どなたか、「お前、俺が叩き込んだったやろ、ぼけ」という方がいたらすみません)

ちなみに、考え方に関しては、精神を病むくらいの勢いで叩き込まれました。今となってはいい思い出です。はい。

*厳密に言うと無料で無尽蔵に使って良かったわけではないのですが、まぁ、ザックリ言うと、だいたいそういう感じでした。だいたいね。

イケてるノートって何?

では、イケてるノートとは何でしょうか。幾つか、本書から抜粋します。

ノートの生命線は「再現性」。これが一番大事な目的です。

いくらセミナーに行こうとも、頑張って学ぼうとも、「学んだことを再現できない」のは、ノートを活用できてないからだ、というお話です。

「頭がいい人」とそうでない人を分けるもの。それは、記憶力以上に「情報の整理力」です。頭がいい人は、頭の中がいつも「整理」されています。つまり、「整理」されたノートを書きます。

ええ、まさにコレです。本書の別の箇所で「メタボなノート」批判が述べられますが、本当に「頭が整理されてない人は、ノートがぐちゃぐちゃ」です。(打ち合わせ中のメモ書きだとしても、構造やレベル感がバラバラで酷いです。「もうちょっと考えたら?」と言いたくなります。)

頭の良さは「フレーム」で決まります。

正しい「フレーム」で頭を整理すれば頭が良くなり、誤ったフレームを使い続けると頭の中は混乱します。

「仕事」も「勉強」もフレーム次第で結果が変わります。

フレームがあると思考が整理されやすい、と言うのはまさにその通りだと僕も思っており、”考え方”を考えると銘打って、「プロセス思考のススメ」「思考のショートカット」などの記事に纏めています。

尚、本書は5㎜方眼の使い方に特化している本ですので、本書における「フレーム」は「フォーマット」と同義になっていますが、本来は「思考の型」なので、もう少し広義、というか抽象的な概念として使われるべきだと思います。

いずれにしても、「きちんと再現性が担保されるように、”情報が論理的に整理されている”」ということが「イケてるノート」の条件だと言えそうです。

ノートの役割は3種類

本書より、ノートの役割について引用します。

ノートには「覚える」「考える」「伝える」の3つの機能があることをご存知でしたか?(中略)

  • ①「覚えるノート」(中略)「勉強ノート」と呼ぶことにします。
  • ②「考えるノート」(中略)「仕事ノート」と呼ぶことにします。
  • ③「伝えるノート」(中略)「プレゼンノート」、あるいは「勝負ノート」と呼ぶことにします。

この考え方は非常に重要ですし、有用です。本書のp.110以降、この3タイプのノートの取り方・使い方について、それぞれ「一章ずつ」を割いて語られます。自分の仕事や状況に応じて、どの章を注力して読むべきかを決めて読むことが効率的だと思います。(※p.31に本書の”「読み方」ガイド”があり、そこで詳細に説明されていますので、参考にするのが良いでしょう。)

コンサルは、ノートを何に使うの?

さて、本書で「ノート使いのプロ」として取り上げられる「コンサルタント」は、ノートをどういう時に使っているのでしょうか。

外資系コンサルタントは、

  • 打ち合わせ中のメモ書きから
  • 会議での議論をの場で整理するのにも、
  • クライアントへのインタビューのときも、
  • 提案内容のポイントを整理するときも、
  • プレゼン資料の下書きをする時にも、
  • 深夜に及ぶ分析作業をするときも、

いつもかたわらに「方眼ノート」があります。

ほんとに、そんな感じです。本書の後半で、「1日10枚、3年間でざっと1万枚書いては捨て、を繰り返して1人前になる」と書かれていますが、コンサルタントとして駆け出しだった1~2年目には、パワポ化した資料だけで年間数千枚はある(殆どボツでしたが)と思いますから、ノートだと1年で1万枚以上を普通に使っていた気がします。

少し仕事内容が変わり、以前ほどノートを使わなくなった現在でも、1冊70シートのA4 5㎜方眼ノートを2~3週間程度で使い切ります。5㎜方眼なのは片面ですが、裏面も使うことも多いので、1冊120ページと仮置きし、52週÷2.5週=20.8冊x120=2,496 で、現在でも、年間2,500枚程度は書いてることになります。

それくらい「当たり前な存在」です。

コンサルの文具へのこだわり

本書では、文具へのこだわりについても述べられます。

ノートのサイズにこだわる

大前研一さんが、A2サイズの特注の巨大方眼紙を使っている、という話は知りませんでした。でも「さもありなん」という感じです。僕は、自宅にホワイトボードを置いています。思考の整理をする際には「書くスペースの広さ=思考の広さ」だと僕も思います。本書でもA4がスタンダード、と語られますが、まさにその通りで、B5ノートが僕のギリギリ下限です。過去にはA5やロディアのNo.11(A7サイズ)なども使ってみようとしたのですが、それらは10枚も使わずに終わりました。(特に、ロディアのNo.11はクリエイティブな感じがするだろうと思って再三トライし、毎回撃沈しました・・・。)

僕の場合、大前さんのように特注することまでは至りませんでしたが、”考えるのが仕事”という自負があるならば、文具選びに時間と手間、そしてお金を惜しんではいけません。野球選手のバットやグラブ、サッカー選手のスパイクに相当するわけですからね。

書き味にこだわる

但し、別に髙けりゃいいというものでもありません。以前、高価なボールペンを頂いたことがあり、折角だからと愛用を試みたことがありました。しかし、僕には少し重すぎる+インクに少し粘りがある(書く速度が鈍る)、ということで、仕事に使うのは諦めました。人に合うものが自分に合うとは限りません。自分で探すしかないのです。

僕の場合は、

と言う感じです。

書き味の好み、は人によって違いますが、自分の「思考の速度」を妨げない事がとても重要です。また、ノートの紙質との相性もあります。ちなみに、本書では別のペンが紹介されていますが、それらは僕には合わなかったペンです。(尚、トラディオ・プラマンに辿り着くまでには、50種類以上のペンを試しました。一時期は、黒と赤と青でペンを変えていたこともあります。同じメーカーでも、色によって、インクのねばりや、紙への引っ掛かり方などが微妙に異なるのです)

書く、という行為は、考える、ということ

本書では、ノートづくりのTipsがたくさん紹介されます。

  • ノートはヨコ向きに使え
  • 最初に、タイトル=テーマを書く
  • 思考の流れに合わせて左上から右下に使う
  • 1テーマ or 1論点 で1枚のノートを使う

などなど・・・。しかし、それらの前に、念頭に置くべきことがあります。

それは、「書く、ということは、考える、ということ」です。そして、「書く、ということは、自分の思考を客観視する、ということ」です。(関連記事:プレゼンってなんだ?(6):ストーリーを”資料”に落とし込む

おそらく、本書を読む方は「ノートの取り方に悩む人、もしくは課題認識を持っている人」でしょう。ですので、「猿真似でもいいから、とにかく始めてみる」ということが重要だと思います。しかし、そのまま突き進んでも実りは少ない。(決してゼロではないでしょうが)

どこかのタイミング(できれば、早いタイミング)で、ちゃんと”WHY”を考えることが重要です。もちろん、本書にもWHYは散りばめられていますが、どうしてもHOWが目につきますので、その中でキチンと「本質を見抜き”WHY”を考える」事から逃げないこと、言い換えれば「自分の頭で考える」事から逃げないことが、成長のためには非常に重要だと思います。

現在、世の中には、ノウハウ本が溢れています。(昔は、バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」が唯一無二で絶対なる教科書でしたよね・・・。)これから”思考法”および”書くこと”を学ぶ方は、これらの本を「正しく」活用して、より効率的且つ効果的に、思考を研ぎ澄ます努力をしていただくと良いでしょう。

僕も、まだまだ青二才ですので、自分のやり方に固執せず、柔軟に「新しいやり方」「新しい考え方」を取り込んでいくように頑張りたいと思います。

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