Vision(ビジョン)とは:会社を規定し、方向づけるもの|戦略用語を考える

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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あいまいなビジョンは、混乱を招く。

新年あけましておめでとうございます。本日は、ビジョンという言葉について考えてみたいと思います。2017も始まったことですし、気持ちも新たに、コンサルらしく大上段に振りかぶってみましょう。

ビジョンは、会社を規定するものだ。

昨年10月にこちらの記事「会社のビジョンはなぜ大切なのか」が公開されていたのを、寡聞にして存じ上げなかったのですが、新年早々にSNSでおみかけして拝読し、僕の思うところと非常に近いなと思ったわけです。

上記記事では、ビジョンについて、このように述べられています。

ミッションとビジョンは、全員が目指すゴールを定めるとともに、アプローチとやることまで同時に規定してしまうのだ。

出所:「会社のビジョンはなぜ大切なのか」

そうなんです。ビジョンというのは、会社組織の末端の「行動/アクション」に至るまで影響するんですよ。この1年ほど、僕自身の経験として、そういう思いが非常に強いので、今回は、自分の経験を含めて書き進めていきたいと思います。新年ですしね。多少、青臭いこと言ってもいいですよね。

 ビジョンとは「目指したい状態」のこと

いろいろ、世の中に定義はあると思うのですが、以降は、弊社で使っている用語定義に基づいてお話を進めます。

弊社においては、ビジョン、ミッション、提供価値、という3つの言葉を、以下のように定義しています。

  • ビジョン:目指したい状態(将来的に”勝った”状態)
  • ミッション:ビジョンを実現するための手段・実行すべきこと
  • 提供価値:ミッション(手段)を行うことにより、世の中/顧客に提供される価値=対価を頂戴できるもの

もちろん、諸説あると思いますし、企業によって違うのですけれど、今日のところは、一旦、上記で進めさせてください。なお、出典を失念してしまったのですが、創業当時のマイクロソフトのビジョンは「すべてのオフィス・家庭のデスクに、Windowsが入ったマシンが置かれている状態」だったと聞いたことがあります。これは、マイクロソフトが”勝った”状態ですよね。(そして、実際に、その通りになりました。)そういう観点での「ビジョン」を定義として用いています。

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ギックスのビジョン

それを踏まえての、ギックスのビジョン・ミッション・提供価値ですが、以下のように定義しています。

  • ビジョン:世界の”考える総量”を最大化する
  • ミッション:アナリティクスの”速さ”と”質”を徹底的に究める
  • 提供価値:誰よりも早く分析する/すべての分析を”成果”につなぐ

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ギックスは、戦略コンサルティングを生業としています。しかし、多くの企業において、戦コン=大量の高IQ人材を投入する労働集約型ビジネス です。そして、そこでやっていることは「思考支援」もしくは、「思考代行」です。ギックスは、それを「世界の考える総量を最大化した状態」に変化させたいと考えています。これが、ギックスのビジョンです。色々な人が、考えられるようになる、ことが理想です。

もう少しいうと「クライアントがたくさん・深く考える」「コンサルタントもたくさん・深く考える」というすべての人が、しっかりと考える世界をつくりたい、ということです。

そのビジョンを実現するために、いろいろなやり方があると思うのですが、ギックスでは「アナリティクスの”速さ”と”質”を徹底的に究める」という手段を採択しました。目指しているのは、戦略コンサルティングから”作業”に位置づけられるような物事を排除する。ということです。

戦略コンサルティングにおいて、もっとも効率が悪いのは、数字の集計作業です。コンサルタントの優秀な頭脳は、考えることに用いられるべきですが、分析業務の多くは単純作業になりがちです。(もちろん、仮説構築・分析設計といった、頭脳を使うべき部分もありますが、作業そのものは付加価値がでにくい領域です。)

その部分を、可能な限りギックスが代替することで、クライアントの考える時間最大化を推進したい、と考えているわけです。

それを顧客の側からみると、「分析が早い」ということと「ビジネス上の成果に紐づけて考える」という提供価値になります。

考える”総量”を増やすとは?

そして、最も大事なことは、このビジョンは、行動規範に落ちる、ということです。

ギックスの場合は、大きく分けて3つの「考える時間」を増やそう、という視点で行動規範に落とし込んでいます。

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一つ目は、世の中=クライアントの考える時間。これは、分析業務において作成するアウトプット(表やグラフ、パワーポイント)、あるいは、それらを包含して世の中に提供するサービスやプロダクトが、顧客の考える時間を増やす役に立っているのか?という風に捉えます。そうすると、思考の邪魔になるような無駄な資料や、ミスリードを誘うような資料はすべて「マイナスの作用」を生みますので許されません。また、顧客のビジネス判断に役立つかどうか、という視点も常に持つ必要があります。

二つ目は、チームつまりギックス社内の考える時間です。ここは、社内でのありとあらゆる手戻りの排除を目指しています。クライアント、あるいは上司やチームメンバーの言っていること・求めている要求内容をしっかりと理解し、それにフィットしたものを出せているのか?また、当然ながら、そこに、ケアレスミスが混入し、数字の精度を下げてしまっていないか?ということを考えるわけです。ケアレスミスは、その作業自体の手戻り時間が発生するのに限らず、その数字をもとにして検討がすすんだ”後工程”にも影響を与えます。このあたりは、徹底的につぶしこむことが、チームの考える時間最大化に結びつきます。

そして、最後の三つめは、チームメンバー自身の考える時間です。自分の行動は、熟慮の結果なのか?明日の自分は、今日よりも効率的な作業を実現しているのか?あるいは、より高度な思考にたどり着いているのか?ということを、自問自答し、また、学ぶ姿勢をもちつづけることが必要です。自分自身が「考える時間」が増えることも、世の中の「考える時間」増大に当然ながら寄与します。

このように、ビジョンおよび、それに紐づく明確な行動指針を設定した結果、企業体としてのギックスは非常に強くなりました。すべての行動を「ビジョンに整合しているかどうか」で、各自が考え、各自が判断できるようになったのです。

ビジョンやミッションは、決して飾りではありません。伊達や酔狂で、思い付きで設定するものでもありません。だって、自社の生存領域を規定するものなんですからね。特に、中小規模の企業こそ、ビジョン、ミッションを設定すべきでしょう。なぜなら、リソースが有限で、どこに手を出して、どこに手を出さないかを決めないといけないのです。戦略なき戦線拡大は、即、破滅を意味します。

その一方で、ビジョンがあれば成功するのか?ビジョンがあっても成功しない会社だって多いじゃないか?というようなお話は別の議論だと心得るべきでしょう。そもそも、世の中の会社の半数以上は、立ち上げて一年以内にで潰れます。三年後生存率は、極めて低い。五年後となると、ほとんど残っていないと考えて良いです。ビジョンの有無以前に、会社ってそういうものだし、事業ってそういうものなんです。

ただ、まぐれ当たりを狙うのではなく「成功の再現性」を上げるためにはビジョンは有意義ということだと僕はおもんですよね。2017年、掲げたビジョンをまっとうできるように、頑張っていきたいと思います。今年も、ギックスをどうぞよろしくお願い申し上げます。

お知らせ:「”考え方”を考える」が本になりました。

ギックス田中の「”考え方”を考える」シリーズが書籍としてまとまりました。【 デキる人が「当たり前」に身につけている!『仕事の基礎力』(すばる舎) 】です。高効率で高密度な仕事を実現するために、いかに「”考え方”を考える」か、および、どのように仕事に取り組むべきかについて解説しています。是非、ご一読ください。

デキる人が「当たり前」に身につけている! 仕事の基礎力

1冊目の「数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本(翔泳社)」も引き続きよろしくお願いします。ビジネス書らしからぬ、黄色い表紙が目印です。

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