マーケッターとデータサイエンティストが語る 売れるロジックの見つけ方(後藤一喜/山本覚|宣伝会議)/graffeの本棚

AUTHOR :   ギックス

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

リアル小売でも「分析」のためには一度読むべき解説本

マーケッターとデータサイエンティストが語る 売れるロジックの見つけ方
本日は、「マーケッターとデータサイエンティストが語る 売れるロジックの見つけ方」をご紹介します。

LPO=Landing Page Optimizationが最良の打ち手と説く本

本書のゴールは、LPOすなわち、ランディングページの最適化(Landing Page Optimization)によって、「計画外購買」を促進することです。
そうすると、結果的に、この本は「web広告⇒ウェブ販売の流れがあるダイレクトマーケティング」に関する本となります。
しかし、著者の後藤氏は、もともと「紙媒体の広告を用いた売上向上」に取り組んでいた方です。本書より引用します。

それらの行動が「限定合理性」にのっとっていると理解して対応策を講じれば、生活者の反応や購買行動は必ずしもランダムではなく、反応データを集積、分析するという統計学的アプローチにより、法則性を発見できる可能性があり、(中略)私たちもカーネマンと同じ方法を用いることにより、新しい「売れる!」の発券や、それを用いることにより「売れる!」の拡大再生産を行うことは可能と考えました。(中略)
ところが、実証実験とその結果に対する統計学的なアプローチにより「売れる!」の解を導き出そうという私のアイデアには、致命的な欠陥がありました。それは統計分析を行うためのデータを収集するには、無限と言えるほどの数の広告原稿を制作し、それらを実際に掲載し、そのレスポンス結果を収集しなければならないので、製作費と媒体日だけでも、莫大な費用が必要になる・・・。アイデアそのものは正しいはずですが、実際にはこれを行うのは不可能! 結局は机上の空論なのか・・・と諦めかけていました。

つまり、そもそも、いわゆる「広告」とその反応である「レスポンス結果」すなわち来店や購買の行動を扱うことができるならば、必ずしも「LPO」に限った話にはならないわけです。

データさえあれば「使えるネタ」が盛りだくさん

ダイレクト・マーケティングに限らず、小売業で「分析」に取り組みたい方は、本書の1~4章をまずは一読いただくことをお勧めします。
後藤氏の購買行動に関する持論が熱く語られます。非常に示唆深いと思います。
その上で、5章:なぜ他のメディアではなくLPを選んだのか をお読みください。ただし、その際には「LPのすばらしさ」ではなく、「LPを選んだ視点」を読み取りましょう。特に、章の最初にある「従来型検証の問題点」は必読です。見出しを抜き出します。

  • 検証に費用が掛かりすぎる
  • 検証そのものがリスクという宿命
  • 検証の機会に制約がある
  • 検証に時間が掛かりすぎる
  • 検証結果の信頼性が低い
  • 仮説(検証課題)が多すぎると、検証しきれない
  • 媒体ごと、スペースごとの検証が必要

これらの課題があるのでLPOを選択した、ということなので、反対にいえば、これらの課題を解決できればリアルチャネルでも分析できるはずです。
6章以降も非常に良いことが沢山書いてありますので、お時間があれば、LPOに興味のない方も目を通しておかれると良いと思いますが、必須ではないです。ただ、もしも、これらの章を読まれる場合には「自社の場合、PV(ページビュー)・UU(ユニークユーザー数)は、何にあたるのか」などと”自社のビジネスモデル”に翻訳しながら読むことをお勧めします。

データがないから、と諦めなくても良い(最後に、宣伝です)

実際に、リアル店舗における分析を行うにあたっては、graffe小売業パッケージに含まれる「人流分析サービスgrid(グリッド)」が、一つの解になると考えています。
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graffe小売業パッケージのgridは、「リアル店舗に”Google Analytics”レベルの分析を可能とする」サービスです。このサービスで、分析するためのデータが集められないからと諦めてしまうのではなく、対面販売型の小売業の皆様が「培ってきた強さ」をさらに強めるためのお役に立てれば幸いです。
 
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