データ受領時の”おもてなし”(Lesson4) ~データ作成をサポートする~ | データ分析のお作法

AUTHOR :   ギックス

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

分析データ作成が困難な場合は、データ提供側でのデータ作成をサポートする必要がある

前回までの作業などによって、基本的な「データ受領時の”おもてなし”」の体制は整える事は出来ると思います。しかし、場合によっては、もう一歩踏み込んで”おもてなし”を行う必要があります。今回は、データ提供元で行うデータ作成をサポートする”おもてなし”について説明します。

データ作成をサポートが必要になる時とは

データ提供元のDBなどの分析データに対して直接アクセスできる場合を除いて、データ提供元で分析データを”データファイル”という形で1つの情報のカタマリにする必要があります。しかし、データ提供元の環境によっては、抽出元のシステムから”データファイル”を作成する機能がない場合があります。また、”データファイル”内に機密情報が含まれ、そのままの状態では、外部に持ち出しできない場合があります。
この様に”データファイル”を作成できない、または、何かしらの編集が必要な場合、データ提供元での作業が必要とされます。データ提供元が、データ分析に詳しい場合は問題ありませんが、そうでない場合は、データ提供元の負担が多くなり、分析データの提供時期の遅延や作成ミスが発生しやすくなります。そのため、時として分析データの作成をサポートする必要があります。
データ作成をサポートする方法として、様々ありますが、今回はツールを使った方法として「既存のツールを使う」方法と「専用ツールを提供する」方法の2種類について説明します。

既存のツールを使う

既存のツールと言っても専門的なツールだけではありません。Excelやテキストエディタだけでも”データファイル”を編集して、分析データを作成することは可能です。しかし、これらのツールを使う場合でも、いくつかの手順を行う場合は、データ作成の”手順”をサポートする必要が出てきます。
この時、一番多く用いられるのが「手順書」による手順のサポートです。この手順書は、「だれでも分かる」ように記載する必要があり、ツールのスクリーンショットを多用し、ボタンクリック、テキスト入力なのど手続きを1つ1つ追えるように記載する必要があります。このように「だれでも分かる」ように記載することで、例えデータ提供元で分析データの作成担当者が変わった場合でも、スムーズに引継ぎが行えるようなります。
この様な、しっかりした手順書があることで、SQL Workbench/Jなどの専門的なツールもデータ提供元で扱うことも可能になります。

専用ツールを提供する

既存のツールで分析データを作成・編集できればベストですが、手順が複雑になったり、既存のツールでは対応できない場合は、専用ツールを開発して提供する必要が出てきます。
専用ツールは、Excelマクロから高度なプログラミングによるツール開発まで様々ですが、できるだけ機能を限定し、操作が簡単なツールが良いと考えます。確かに多機能であれば、様々な場面でツールを使用できるでしょう。しかし、機能が多くなれば、分析データの作成担当者が、意図しない操作を行ってしまうリスクがあります。さらに、ツールの保守(バグ対応、新OS対応など)を行う場合、作成しているプログラム処理がシンプルな方が作業時間が短くなります。

データ作成をサポートすることで多くの情報を入手できる

データ作成をサポートすることで、分析データの受け入れがスムーズに行えるようになります。さらに、機密情報の制約により持ち出せなかった情報も、機密情報を消すことで持ち出せるようになります。この様に従来のやり方では不可能だったデータの受け取りも、一歩、データ提供元に踏み込むことで可能になります。
ただし、データ提供元の制約によっては、外部ツールの導入(インストール)に制限がある場合がありますので、事前に確認は必要です。

データ受領時の”おもてなし”
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