データ処理基盤開発で日々の「意思決定」の精度を高める、DIプラットフォームとは

AUTHOR :   ギックス

ギックスは、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパスとして掲げています。データインフォームド(DI)とは、「人が論理的に考え、合理的な判断をする」ことを目的としたデータ活用です。類語として並べられるデータドリブンの「データによって(自動的に)答えが見出される」というニュアンスを排除し、あくまでも「人が主体となって物事を考える」ということにフォーカスしています。

あらゆるビジネスシーンで「データ活用」の必要性が叫ばれる昨今。データの「蓄積」は進みつつある一方で、溜まったデータを適切に活用し、事業の成長に結び付けられている企業は多くありません。

ギックスは「DI」という概念に基づき、各社各様のさまざまな課題を解決するため「DIコンサルティング」と「DIプラットフォーム」というデータ分析サービスを提供し、クライアント企業の事業成長をご支援しています。

今回は、日々の業務を“DI化”するため、その仕組みや環境構築を提供しているDIプラットフォーム事業部を率いる岡村へのインタビューです。日々の業務を“DI化”することはどのようなメリットがあるのか、またDIプラットフォームはどのようにそれを実現するのか聞きました。

「器用貧乏から脱したい」総合コンサルファームからの転職

ーまずはギックスにジョインするまでの経歴を教えてください。

私は前職、日系の総合コンサルティングファームで13年ほど働いており、主に企業の社内システム刷新や新規構築の案件を担当していました。

キャリアの前半では、システムの設計や開発など、自ら手を動かす業務の割合が高かったのですが、後半はプロジェクトマネージャー(PM)としての業務が高い割合を占めるようになりました。

ー13年間と長く働いていた会社から、転職を決意したのはなぜでしょうか?

「器用貧乏になりつつある状況から脱したかった」ことが一番の理由です。前職では様々なプロジェクトにアサインされ、あらゆるシステム、技術や、お客様と関わらせていただきました。その一方、プロジェクトのマネジメントスキル以外、専門的なスキルが身についていないという焦りもありました。

こういった背景から、より興味・関心が持てることを極めたいと考え、最新技術の「パブリッククラウド」を扱える環境を探し始めました。ギックスはその前提を叶えられることに加え、データ分析・活用という明確な専門性があるため、将来性のある面白い領域だと判断して2021年の4月に入社しました。

現在は、サービスの1つであるDIプラットフォームを提供する際に、お客様と社内をPMとして橋渡しするほか、複数のプロジェクトを束ねる役割も担っています。

日々の業務を“DI化”する「DIプラットフォーム」

ーDIプラットフォームはどのようなサービスか教えてください。

DIプラットフォームは、DIコンサルティングで得られた示唆を基に、日々の業務を“DI化”するためのシステム開発を提供しています。

DIコンサルティングによって、いくら理論的な解決方法を導き出しても、それが一過性の取り組みで終わっては大きな効果を期待できません。永続的に“DI化”のメリットを享受し続けるには、必要なデータを蓄積・処理し、アウトプットするためのシステムを構築し、日常の業務内でデータ分析を行える体制・環境づくりが大切です。

ーDIプラットフォームは、DIコンサルティングを受けた企業向けのサービスなのでしょうか。

技術的には、データ処理基盤の開発だけを請け負うこともできますが、現在はDIコンサルティングを経てからDIプラットフォームの導入を検討するお客様が多く、私たちも推奨しています。DIコンサルティングにより、お客様の課題や業務内容、保有するデータを深く理解し、「データを用いて実現したい姿(目的)」と、データの加工・適切な運用方法の設計などの「手段」をあらかじめ明確にした上でDIプラットフォームを導入することで、一気通貫して開発に進むことができるため、システム構築も正確且つスピーディーに提供することができます。

岡村 征(おかむら・ただし)Data-Informed 事業本部 / Technology Div. 所属
早稲田大学第一文学部卒。日系総合系コンサルティングファームに入社後、主に大規模システム導入/刷新のプロジェクトに従事。近年は複数のクラウドサービス(Microsoft 365/ServiceNow/AWS)の導入を、プロジェクトマネージャーとして推進。
2021年4月に、パブリッククラウドをはじめとする最新技術を活用した業務につくためGiXoへ参画。データ分析基盤構築プロジェクトの計画立案/管理/推進を担当。

DIコンサルティングはデータアナリストが主導なのに対し、DIプラットフォームは主にエンジニアが主導します。しかし、DIコンサルティングとDIプラットフォームの両サービスを明確に線引きしているわけではなく、時にはコンサルティングサービスの提供時からエンジニアが参画することもあります。これにより、プロジェクトの全容を把握でき、シームレスに開発に移行できるのです。

「高度なデータ活用でビジネス上の判断の精度を高めたい」企業からギックスが選ばれる理由

ーお客様からどのようなご相談をいただくことが多いですか?

ケースは大きく2つあります。一つは「業務の効率化」。例えばセールス組織でノウハウが属人化し、業務が最適化されていないケースは少なくありません。そこでデータ活用の仕組みを取り入れることで、誰もがデータをもとにした営業活動が可能になり、営業組織の底上げができるのです。

もう一つはデータ処理基盤の「リプレイス」です。社内で行うデータ分析について、より精度を上げたい、コストを下げたいというニーズでご相談くださるお客様もいらっしゃいます。他社のパッケージ化されたツールでデータ分析をしていても、満足のいく成果を得られていないという声もあります。
パッケージ製品だと個社ごとの要望に合わせた細かい設定などを行なえないため「より高度なデータ分析をしたい」というお客様からご相談をいただくこともあります。

ーこれまで、具体的にどのような相談がありましたか?

一例として、あるメーカー様は、リサーチ会社や全国の量販店から集まる大量のデータをもとに営業やマーケティングを展開する中、大量のデータの処理に時間がかかることを課題に感じていました。

また、営業組織の属人化も課題で、新人でもデータを活用して一定の成果を上げられる仕組みを作りたいとご相談をいただき、現場メンバーが営業に活用するために必要なデータ処理基盤の開発を行うことになりました。

ーDIプラットフォームを採用いただいた、お客様の反応についても聞かせてください。

お客様からは、「営業メンバーがデータを収集する時間が激減し、『どうすれば他社と差別化できるか』など、本来考えるべきことに時間を割けるようになった」と喜びの声を頂いています。

ーなぜギックスを選んでいただけたのでしょうか。

前例や慣習にとらわれず、最新技術を活用した提案を積極的に行うためです。

ギックスでは原則的に、分析環境の構築には大量のデータを高速で扱うに耐えうるクラウドの活用を前提としており、新しい技術や開発ツールをどんどん取り入れています。そのためデータ量の増加や機能の追加など、今後を見据えて柔軟に対応できる環境に移行したいお客様のご要望を叶えることができます。また、運用コストやシステム構築のスピード感も、喜んでいただける要因の一つです。

精度の高いデータ活用の仕組みを「速く」「リーズナブル」に提供できる理由

ーギックスの強みは何でしょうか?

「大量のデータ分析に耐えうる処理基盤を精度高く、スピーディー、低コストで開発できる」ことです。私たちは創業時からデータ活用をメインに支援してきたため、データ処理基盤に関する多くのノウハウや知見が蓄積されています。
また、「アジャイル開発」を行うことで、要件定義から設計・開発とすべての工程が終わってからお客様に提供するのではなく、いち早く動くものを作ってお客様と議論しながらブラッシュアップしていきます。

このようにギックスのデータ分析に関する知識に加え、お客様のビジネスモデルや現場での業務の進め方、会社や業界の知識を伺いながら開発を進めているので、結果的に日々の業務に馴染みやすく、お客様にとって満足度の高いシステムを提供できます。

ーこのようなサービスを、なぜ低コストで提供できるのでしょうか。

アジャイルで開発をしているため、開発期間を短縮できるからです。期間が短くなれば、それだけ人件費などのコストを抑えることができます。特にDIコンサルティングを事前に行う場合、要件定義もされているため精確且つスピーディーに開発に入ることができるので、開発コストで考えればかなりリーズナブルに提供できます。

加えて、クラウドサービスを用いるのもコストを抑えて開発できる要因の一つです。オンプレミスだと初期投資で何千万円もするハードウェアを購入してもらうものですが、私たちが扱っているツールは従量課金型。使った分だけコストが発生するので初期投資を抑えられますし、現在不要な容量を、データの容量が増えた将来を見越して余裕を持って購入いただく必要もありません。

データ活用はあくまで手段。お客様に伴走してビジネスの成長を支援したい

ーDIプラットフォーム事業部としての、今後の目標を聞かせてください。

より多くのお客様に私たちのサービスを提供し、よりよい「データ分析」環境を構築することでお客様のDIを推進し、事業成長に伴走するパートナーとして支援できればと思います。データ分析は頻繁に新しい技術などが開発されているため、今のやり方に満足することなく、常によい方法を探してお客様に価値を届けていきたいです。

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