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インサイト営業/起業に役立つ戦略知識

AUTHOR :  網野 知博

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網野 知博
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 プロセス管理型のセールスマシンから脱却は可能なのか?

今までのセールスフォースの高度化と言えば、営業のプロセスを完全に統制・管理して、営業効率を最大化させる仕組みとその取組みが一般的でした。ですが、顧客の購買行動の変化に基づき、今までのセールスマシンでは対応できずに、営業担当者のインサイトや判断力に基づく柔軟な販売アプローチが必要とされており、それがインサイト営業とのことです。

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出所:DIAMONDOハーバード・ビジネス・レビュー7月号

豊富な知識を持つようになった顧客は、自社のニーズやソリューションの候補、だせる金額についての見解を明確にしたうえでサプライヤーに接触する。このような顧客の場合はサプライヤーには価格交渉以外は残されていない。つまり、競争相手は、競合企業の営業能力ではなく、顧客の学習能力になったと言うことです。顧客の学習能力に対抗するため、教える能力や顧客が見落としていた重要な情報を伝える役割を求められ、また自社が提供するソリューションに関するインサイトを結びつけて提供するとのこです。

理想に散るあだ花の予感

さて、理想論から言えばインサイト営業の方がセールスマシンよりも全然価値がありますし、このような営業職が必要になることに関しては否定はしません。ですが、実効性はあるのか、またこのレベルの営業を育てるための時間とコストを勘案すると、結局はセールスマシンの方が効率性も効果も高いのではないかと勘ぐってしまいます。

insightsales-02出所:DIAMONDOハーバード・ビジネス・レビュー7月号

私がコンサルティングファームにいた頃は、基本は自分の仕事は全て自分でとってきていました。顧客の明確なニーズからコンペになる案件もあれば、潜在ニーズや潜在にすらなっていないが今後予見される課題などを見越した提案なども行い仕事を受注していました。戦略コンサルティングは明確な商品ではないため、売ると言うことに対してセールスマシンのようなアプローチはとりづらく、結果として昔からインサイト営業を行っておりました。また、それは私も含めて戦略をコンサルティングする能力に長けた方々が行っているために、インサイト営業と言う行為はそこまで大変なものではありませんでした。

一方、その後に私はハードウェアメーカーが起源のサービスカンパニーに転職した際に、セールスマシンの方々にはコンサルティングは全く売れないし、売る才能もスキルもないことがよくわかりました。また、彼らにインサイト営業のやり方を身につけてもらうよりも、彼らが売りやすいソリューションと言うな名の「お決まり商品」を顧客に押し付けてもらった方が余程効率が良いと言うことも肌感覚として認識しました。世界トップレベルのサービスカンパニーであったとしても、です。

戦略を考える身としては、世の中は質を求める方に行くのが当たり前な時代だからこそ、むしろ質を問わない一点突破こそが戦略としてあるべきと思ってしまいます。例えば、派遣スタッフを紹介する派遣会社では、昔は人材の質とか、提案力の質などと言われていましたが、登録しているスタッフは各社どこも大した差はありません。また、派遣社員を活用したい企業も大それた提案を営業から受けたいわけではなく、必要な時にすぐに来てくれて、派遣社員を用意してくれて、派遣してくれる方が嬉しかったために、その点だけに注力して営業を行った業界後発の某社の進撃が実現したりしたわけです。ベンチャー企業は起業間もない頃は創業メンバーの優秀な人材でインサイト営業も可能でしょうが、ある一定の規模を超えてくると大手のように優秀なセールスは採用できないですし、採用した社員を底上げし教育して行く時間も金もないのではないかと思います。個人的にはインサイト営業が求められる時代だからこそ、インサイト営業を必要としなくても戦える、勝てる戦略を考える必要性もあると思っています。

総論賛成ですが、実行性が疑わしいインサイト営業、今後どのような展開を見せて行くでしょうか。

本記事は私が起業して経営を行う際に役にたっていると感じている経営戦略の小ネタを備忘録的に記事にしているシリーズものですが、あくまで備忘録的に書いてあるため、テーマが全体を通して構造化されていない点はご容赦ください。

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