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「DI大喜利グランプリ」から考えるデータインフォームド・ビヘイビア

AUTHOR :  網野 知博

データインフォームド大喜利グランプリに参加頂けた皆様、大変ありがとうございました。
模範解答が欲しいという声を頂きましたが、「ビジネス界に唯一の正解なんてないんだぜ。」とお伝えするにとどめさせていただければと存じます。

今回は大喜利と言うスタイルを取ってのデータの解釈を試す機会を提供致しました。
改めて、なぜ大喜利というスタイルを取ったのかについてお話させていただきます。

主な理由は、以下3点を知って頂きたいということ、および、実際に体験して頂きたいということになります。
1.データから唯一無二の判断結果につながる事はほぼない(データは自動で答えを出さない)
2.解釈するためには業界の知識や知見や経験が必要(勘と経験は必要項目)
3.打ち手を考える際に判断者のアスピレーション(熱意、大望)が必要(仮説と判断にオリジナリティが出る)

改めてデータインフォームド

データインフォームドな行動様式について、改めてご説明致します。

「データインフォームド」はデータ ”も” 用いて、論理的に物事を考えて、合理的に判断していこうぜ、と言う凄く当たり前のことを言っています。

勘・経験・度胸、KKDなどと最近は揶揄される事も多いですが、当社は勘・経験による判断を否定しておらず、ただ、その判断に、高度に分析されたデータも用いて判断する方が合理的だよね、と考えています。また、データドリブン、データ駆動型、高度に分析されたデータだけで、判断が駆動される業務領域も一部あるとは思います。ただ、多くのビジネス判断は、まだまだ最終判断を人間が行う方が合理的な事が多いと考えています。人間が考えて、物事を判断する際に、しっかりとデータも使っていくことで、精度を上げたり、効率を良くしたりしていくことが、データインフォームドの基本思想です。

あれ?ビジネスパーソン側の解釈力が足りない?

データインフォームドは理想的な考えであり、誰も反対しない考えだと思います。

では、なぜ、理想だ、当たり前だ、と思うようなデータを用いた合理的な判断に、世の中が向かって行かないのでしょうか。ひとえに、データ分析やデータ利活用の取り組みが、時間がかかって、手間暇がかかって、かったるいからだと思っています。

「じゃあ、もし、かったるくなく、判断材料に使えるデータを爆速で分析して提供できる会社があったら、世の中が変わっていくのではないか。データインフォームドな行動様式に、日本企業や産業全体がかわっていくのではないか。」

そんな熱い想いを持って、大量のビッグデータ(大量、多種類で整っていない、増え続ける)を爆速で整えて束ねて集計してモデル作って可視化させて、可視化させた結果を見ながら利活用をセッション型で討議していくサービスを開発しました。

その中で、あれれ?、データの解釈力が備わっていないビジネスパーソンが意外と多いぞ、という事実に気づきました。仮説検証アプローチと言いながら、根拠の薄い思いつきを初期仮説と呼び、我田引水の目的で鉛筆で舐めた数字を用いて検証の代わりとする。あるいは、仮説と検証のサイクルを回さずに、直線的に一度だけ、サラッと流して終わりにしてしまう。

データインフォームド大喜利グランプリの冒頭あいさつで述べた一言は、そんな状況に対する危惧の念を示しています。

高度にデータを分析する人材が足りていない事は事実ですが、同時に分析したデータを用いるビジネス側の人材が更に足りていないのではないでしょうか。

シンギュラリティが来る来ないの議論の前に

当社は「最終判断を人間にゆだねる」という言い方をしています。しかし、私たちも「シンギュラリティが未来永劫やって来ない」などと思っているわけではありません、また、「人間が一番尊い潜在である」と思っているからでもありません。

シンプルにコストパフォーマンスの観点で考えて、現段階では人間が介在する方が効率が良い、と言っているに過ぎません。今現在(もしくは、今後数年程度)のテクノロジーに鑑みると、高度なデータを用いながら、解釈と判断を人間にゆだねる方が機械にゆだねるよりも合理的でコスパが良い、と私たちは考えています。

今のビジネス世界は、自動化や機械化の大いなる可能性と、人間がやった方がコスパが良いことがいわば霜降り肉のように混ざり合い、混然一体になっています。だからこそ、このような難しい状況で日々戦っているビジネスパーソンの皆様に、改めて問いたいと思います。

  • AIによりリプレース(置き換え)される人間
  • AI(が出した結果)によりオーグメント(拡張・強化)される人間≒AIやデータを使いこなす人間
  • AIを作る人間

あなたはどこを目指すのでしょうか?

データインフォームドは、テクノロジー名ではなく、舶来物のIT名称でもなく、誰もが目指すべき行動様式です。

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