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第3回 足で不動産の候補物件を選定していこう/ベンチャー社長の「オフィス移転プロジェクト」

AUTHOR :  網野 知博

現場100回

弊社は2014年8月中旬に新オフィスに移転致しました。新しいオフィスに引っ越ししようかな、と思い始めたのが2014年2月上旬。それから半年ほどで無事に引っ越しました。分からないことだらけでスタートしましたが何とか無事に引っ越すことができました。次にオフィスを移転する時の備忘録もかねてオフィス移転までの経緯を連載で書いていこうと思います。普段記載しているOwned Mediaの記事と比べると非常に緩い連載になりますが、お付き合い頂ければ幸いです。

前回は「第2回 机上で不動産の候補物件を選定していこう」として、ざっくり候補から自分の選択ポイントを理解し、徐々に候補物件を絞っていくことに関して紹介しました。

ホワイトデーに足がパンパンになるほど視察をしまくる

さて、いよいよ3月14日になりました。バレンタインデーに一切関係のない私は午後13時からひたすら不動産を見てまわることになります。ちなみに、結果論から書きますと、午後から半日で8箇所のオフィスを内覧するのは詰め過ぎで無理がありました。笑 足が棒です。

まず書類的に選定した物件の再掲です。

  • 予算○◯万円前後
  • 比較的大型ビル
  • アークヒルズから移転してもグレードダウン感をあまり感じさせない
  • トイレがフロアに複数ある
  • 港区、もしくは港区近辺。かつ江戸時代から陸地だったことろ
  • 最低15名は入れる広さ(後に大幅に改定)
  • ワクワク感 (笑)

サービスオフィスか通常の賃貸オフィスか

当時を思い起こすと、最初はレンタルオフィスを有力候補として見ていました。賃貸オフィスは保証金が家賃の1年程かかりますし、内装費も坪単価20〜30万円くらいかかると聞いてましたので、さすがに保証金、家賃、内装費で大きなキャッシュアウトが発生するのは厳しいなと思っていました。

最初にどの程度のキャッシュアウトが発生するのか。計算を楽にするため分かりやすいケースを見てみましょう。

まずは広さですが、ベンチャーは一人当たり1.5〜2坪程度と言われていますので、20人くらいを目処に考えると40坪程度の広さになります。

では坪2.5万円の物件を40坪借りるとどうなるか。

契約時に保証金1200万円。

家賃1年分1200万円。※ベンチャーは入居前に一括支払いを求められることがある。

内装・家具で800~1200万円。

結構高いですよね。弊社はもっと安い物件を狙っていましたが、現実的にこのくらいの広さでこのくらいの坪単価の物件を選ぶとこのくらいの費用感になってしまいます。

そのため我々が内覧をした物件は、8件中4件は比較的広めの部屋を借りられて、家具などは自分で調達するタイプのサービスオフィスを、2件は家具付きのサービスオフィスを、通常の賃貸オフィスは2件をみることに。

完璧な物件はないので何をこだわるのか?

内覧を行った8件ですが、書類上で候補を絞ってから内覧しているので、どれも素晴らしく甲乙つけがたい、と言うのが本音です。一方で、物件の条件などは足りないスペック(予算の場合はオーバー)もあり、横並びの○×表で決めることができません。と言うことで、自分が働いている姿、今のメンバーが働いている姿、将来こういう人材が入ってきた場合には、などをイメージしながら選定していきます。当時ちょうど事件を起こしたベンチャー企業が入っているビルなどは避けましたが、笑 それ以外は机上ながらも入念に選定しただけあって、どれも良い感じで迷う状況です。結局、家具なしのサービスオフィスならここ、家具ありのサービスオフィスならここ、通常の賃貸オフィスならここ、と言う形で候補を絞っていき、候補を3つへ絞ります。

視察したのが金曜日だったのですが、週末にうんうん悩んで、実は心の中で、賃貸オフィスにしちゃおうかな、と思いはじめていました。前述の通りもともと内覧前は費用の関係からサービスオフィスをベースに考えていました。内覧した各社のサービスオフィスは素晴らしく、イメージ通りだったのですが、結果的に入居を決意した賃貸オフィスがあまりに面白そうな物件だったのです。

場所は三田なのでいまいちですが、、、まあ港区です。また、大型のオフィスビルで、もともと飲食や医療関係などの商用利用フロアなため、天井が3mと非常に高く、また窓もハイサッシで、西と北が完全にガラス張り。北側の窓からは東京タワーもばっちり見える。また、入り口も透明のガラス張りなので、西、北、東の3面がほぼガラス張り。また、細かいけど嬉しいメリットとして、このビルはオフィスフロアは18時でエアコン切れるが、商用フロアは21時まで標準でエアコンが入り、かつ土曜日も標準でエアコンが入るなどがあります。夜間にエアコンの延長申請をしないですむのは地味に嬉しかったりします。とは言え、3面がガラス張りと言うのが一番気に入った点になると思います。それなりに内容にこだわれば、相当面白いオフィスになるのではないかな、という印象です。ただし、「こだわる」、と言うことは、「金がかかる」ことを意味します。笑

担当の営業さんに背中を押されて契約してしまう

ちょうどその頃にインドネシア出張が入っていたので、出張から帰ってきてリフレッシュして冷静に決めるか、と思っていたのですが、営業担当の大塚さんから連絡が入ります。「他の方からも予約が入りそうだからインドネシアに行く前に予約して行ってね」と。インドネシアに飛び立つ前に「仮申込み」を行いインドネシアへ。インドネシアに着いたら大塚さんから連絡が入ります。「タッチの差で押さえられたけど、続けて2件申込みが入りました。ギリギリ間に合ったって良かった」。それはつまり、帰国後に契約するのかしないのかを直ぐに決めないと行けない状況と言うことを意味します。

安くはない買い物になりますので、帰国後になんだかんだとうだうだ迷っていたのですが、やり手の営業大塚さんとも相談しつつ、賃貸相場があがっている点や、同じビルでも他のフロアでは通常のオフィス仕様の部屋になってしまうので意味がない点なども指摘され、もう決めちゃおうかな、と完全に心が傾いています。

実はもう心のなかでは9割決めちゃっていたのですが、役員の花谷と共に最後の内覧を行います。二人で見て、「まあ、いいよね」ということで、ついに契約をすることに決めました。大塚さんと知り合って約50日、ついに契約する物件が決まったのです。契約をすることに決めてからですが、家主が三菱地所さんということもあり、契約に向けた書類整備などが大変でしたが、この辺は割愛してしまおうと思います。笑

さて、物件が決まりましたので、次はいよいよデザイン会社の選定になります。

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