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”考え方”を考える|「短くて伝わらない」よりは「長いけど伝わる」方がいい:説明下手を克服しよう

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古

応用はNice-To-Have、基本はMUST!

本日は「短く表現しろ!という呪縛に囚われたあまり、そもそもの目的を達成できない」という状況について、考えてみたいともいます。

クリスタライズは「超応用」だ

以前から、サマライズ(要約する)とはクリスタライズ(結晶化する)ことである、と述べていますが、これは、特殊なテクニックですので、一朝一夕で簡単に身に付くものではありません。そのため、クリスタライズするためには、まずは文章として書き起こそうということもお伝えしてきました。そうすると、大抵の場合「そもそも言いたいことがまとまっていなくいから文章として書けない」という事態に気づくことになります。

「文章を短くまとめる」というのは、非常に高度なテクニックなんですよね。守破離でいえば、破のレベルくらいだと思います。型を守れないような人が、いきなり型破りなことをしようとするのは無謀です。やめましょう。っていうか、お願いだからやめてください。ほんとに。

「文章は”短い方が良い”神話」に惑わされるな

関連記事「文字の多いパワーポイントは本当にダメなのか?」でも述べましたが、資料の目的によって、最適な字数の多さは変わります。それが、いつからか「常に、いつなんどきも、文章は短くなくてはならない」という神話ができました。

そりゃ、短くて伝えられるなら、それに越したことは無いんですよ。でもね・・・「確かに短いけど、ぜんぜん伝わってこない」って本末転倒でしょ!?ってことなんですよ。問題は。

「15秒で来期の営業戦略を説明しろ」って言われて、「中期経営計画の来季目標に記載された30%売上増の達成に向けて、営業部員が一丸となって頑張ります!」って答えてたら、ああ、コイツ仕事できないなーってなるじゃないですか。そんなことになるくらいなら「僕の能力では15秒では説明できないので、5分ください!」って潔く言った方がいいんじゃないのって話です。この問いの目的は、「来期の営業戦略を知ること」であって「15秒で」は、やり方の話です。これ、勘違いしてるのはギャグですよ。

でも、短くするための努力は必要ですよ。もちろん。

とはいえ、毎度毎度、持ち時間を伸ばしてもらうというのも、センスねぇなーって思われちゃいますので、「短くする努力」はした方が良いです。「夢の中でも説明できる」くらい短いことがベストです。ただ、とても難易度が高いので、修行が必要なんですよ。

「40秒で支度しな」って言われたパズーは、おそらく、いろんなことに優先順位をつけたハズです。ハトは扉を開けないと餓死してしまうから優先度が高い!、とかってね。シータと逃げたときには、用意してた朝食をカバンにつーめーこーんでー♪を優先事項にいれたみたいですが、海賊と共にシータを救出に行く際には、その優先度は低いわけですよ。そういう”絞り込み”の技術を身につけないと、ドーラが連れて行ってくれません。努力しましょう。努力。

「目的」・「伝える内容」・「伝え方」を分けて考える!

プレゼン講座 の第3講「”勝ち”を意識して組み立てる」でも述べましたが、プレゼンであっても、資料作成であっても、基本的な構造は同じです。

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出所: ”勝ち”を意識して組み立てる

対象=「誰が読むのか」、目的=「読んだ結果、読み手が何を考える/思う/行動に移す ようになれば良いのか」が最初に設定されるべきです。

そのために、メッセージ=「何」を、テクニック=「どうやって伝えるか」を考えることになります。

文章を短くしたい、という思いは、”テクニック”に過ぎません。いくら、小手先のテクニックを磨いたところで、本質的な部分、即ち、何のために、誰に何を伝えるの?が無ければ、何の役にも立ちません。

メッセージは何だ???

例えば、「ああ、花火大会に行きたいなー」と思いついたとき、それは、本当に「花火大会に行く」ということを意味していますか?

実は、夏らしさを体験したいだけだったりしませんか?そのくせ、人混みが嫌いだし、暑いのがきらいだったりしませんか? 夏らしさなら、海でもいいかもですよね。そして、人混みや暑さが苦手だけど夏らしさを体感したいということなら、空調バッチリの海辺カフェで海を眺めながらビール飲んでる方がハッピーかもしれませんよ?

そういうことを考えるために、思いついたまま終わらせるのではなく、きちんと文章化しましょう。そして、本当に言いたかったことを見つけるんです。いきなり端的に表現したいなんて、10年早い!ってことです。

具体例:花火大会に行きたい・・・と思った場合の「メッセージ探し」

【最近彼女ができたYさんの場合】ああ、花火大会に行きたいなー。花火大会といえば、浴衣だ。浴衣を着て、彼女と一緒にのんびりビールとか飲みながら「たーまやー」とか言いたいな。でも、浴衣で花火大会に行くと、履きなれない下駄や雪駄の鼻緒で指が痛くなったりするし、雨とか降ると最悪だ。ビールを飲んだらトイレに行きたくなるのに、トイレは長蛇の列だろうし、人混みに紛れて帰るのも面倒くさい。っていうか、そんな思いまでして花火に行きたいのか?ほんとうか?単純に「夏らしいから」って思ってるのかな?それとも「浴衣を着てる女の子と歩きたい」だけなのかな?なんか、浴衣の方がメインな気がしてきたぞ。だとしたら、「浴衣で屋形船」の方がいいんじゃないか?うん。ビールも飲めるし、空調も効いてるし、混雑もしない。屋根に上がれば夜景も見れるし、雰囲気良くなれるんじゃないの?よし、屋形船に乗らないかって、彼女にLINE送ってみようっと。

【仕事に行き詰まりを感じるUさんの場合】ああ、花火大会に行きたいなー。花火というのは光と音の芸術だ。視覚だけでなく、聴覚にも刺激を与えてくれるから良い。音というのは振動だから、聴覚だけじゃなくて全身に衝撃が来る。最近はやりの4DXと同じだ。リアル4DX。そういう刺激を受けると、感性が研ぎ澄まされる気がするんだよね。最近、仕事でブレイクスルーが得られないから、ちょっと気分を変えるためにも、花火大会という非日常に触れることで、発想の方向を広げてみることにしよう。うん。そうしよう。そうすると、普段会わないメンバーと久しぶりに会ってみるのも悪くないな。大学時代の同級生グループに、花火大会に行こうってメールしてみようっと。

【お疲れモードで現実逃避気味のTさんの場合】ああ、花火大会に行きたいなー。花火って、いいよね。なんかこう、心が安らぐっていうか、なんていうか。もう、嫌なこと全部忘れられるよね。夏の夜がドーン!みたいなね。なんか、こう「ドーン!」みたいな。いや『ドーン!!』みたいな?もう毎日暑いし、いやんなるわ。ドーンってなることないかなー。海で花火でドーンみたいな。っていうか、もう、花火よりも海だわ。海でビールでドーン!だね。いや、どっちかというと、海よりもビールだよ。ビールでドーン。あー、ビール飲みたい。もう仕事ヤダわ。仕事したくねー。あちぃし。ほんとに・・・ああ、もういいや、もう仕事しねぇ、今日はもう仕事しねぇ。ドーンだわ、ドーン。よし、このまま直帰だ。あれ、ちょうどいいところにビアバーあるじゃん。よし、ここにしよ。おねーさんビール!ビール頂戴!

まぁ、いずれも極端な例ですが、目的をクリアにすると、その思考の本質がクリアになります。言いたいことをしっかりクリアにするためには「言語化=文章化」していくことが大切なんですよ。

具体例:長い文章でもいいから、ちゃんと説明する

先ほど例に挙げた「最近彼女ができたYさん」の例で考えてみましょう。まずは、ダメな短縮例から。

  • ダメな短縮例(1):花火大会は、暑いし、人混みもあるし、浴衣で行くと大変。
  • ダメな短縮例(2):花火大会って、面倒なことが沢山あるから、屋形船にすべきだ。

これ、短くしたがために、花火大会をdisって終わってます。こんな感じでしか表現できないなら、元の文章をベースに、少しだけ言葉を整理した以下のようなものの方が数段マシです。

  • 花火大会は浴衣で行くと風情があって良い。でも、人混みの中を、蒸し暑さを我慢しながら長距離移動することになる上に、トイレの混雑などの課題が沢山あるので、実際に現地に行くといろんな不都合が出る。特に女性には負担が大きい。ということで、花火大会以外に「夏の風情」を感じられるアクティビティを探すと、屋形船が思いつく。屋形船ならば、トイレも完備、空調も完備、歩かなくて良いし人混みとも無縁、と浴衣姿の女性にとってのペインポイントがすべて解決されている。しかも、夏の風情もバッチリなので、今年の夏は「浴衣で屋形船」で決まりだね!

どうでしょうか。文章は冗長だとは思いますが、言いたいことがしっかり漏れなく盛り込まれていると思います。

誤解を招かないように正しく物事を伝えるのが「言葉」「文章」の本来の役割です。それをないがしろにして(つまり、守破離の「守」をないがしろにして)、応用編に手を出すのは、言葉に対して失礼です。是非、「短くしたい」という気持ちを一旦押さえて、まずは「長くてもいいから、ちゃんと言いたいことを括りだす」ことに注力してください。(その上で、極力短くすることにトライする気持ちは大切ですし、この次のステップとして「考えた順序と説明する順序は違う」という話があるんですけど基本から行きましょう、基本から。)

関連記事:正しい敬語を使う、という姿勢が言語感覚を研ぎ澄ます

お知らせ:ギックス田中の本が出ました。

ギックス田中の2冊目の著書【 デキる人が「当たり前」に身につけている!『仕事の基礎力』 】が、すばる舎より出版されました。本ブログに連載中の「”考え方”を考える」の内容を体系的にまとめなおしました。高効率で高密度な仕事を実現するために何をすべきかを解説しています。

デキる人が「当たり前」に身につけている! 仕事の基礎力

一冊目「数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本(翔泳社)」も引き続きよろしくお願いします。ビジネス書らしからぬ、黄色い表紙が目印です。

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