【”考え方”を考える】プロセス思考のススメ②

AUTHOR :  田中 耕比古

プロセスで考るだけで、答えにたどり着けるのか?

前回、プロセス思考のススメ①ということで、「適切な粒=カタマリ」に砕いて順番に並べてみよう、というお話をさせていただきました。

こういう話をすると、「そんなに何でもかんでもプロセスに落とし込めるわけねーだろ」「だいたい、プロセスに落とし込んだからって、なんでも解決できるとか短絡的なんだよ(これだからコンサルは(以下略))」という方もいらっしゃるんじゃないかなと思いますので、いやいや「プロセス」で分解してから「違う格好いい切り」に纏めるのが”センス”ってものですよね、ということについて書かせていただきたいと思います。

クリーニング屋さんの業務改善を考えてみる

お世話になっているクリーニング屋さんが、最近「お直し」も始めました。

クリーニング用のレジが2台あり、そこはそれなりに混んでますが、お直しカウンターは、ガラ空きです。(うしろの作業台では、お姉さんがそれなりに忙しげに作業してます)このクリーニング屋さんのBPR(業務改善)を検討するとして「評価軸」を出してみたいと思います。

早速、お得意の思考パターン=「プロセス」で考えてみます。

  • 入店対応
  • お客様登録
  • 品物確認(枚数確認、種類別に分類)
  • レジ入力(形状、色別に入力)
  • 金額提示
  • 割引確認(ポイント、ハンガー割引)
  • 代金受け取り
  • タグ付け
  • 収集車に引き渡し

(ここまでが受付処理)

続いて、これらの「プロセス=処理」をどういう”観点”で評価すべきかを検討します。

  • 入店対応 →待ち時間
  • お客様登録 →処理時間
  • 品物確認 →処理時間
  • レジ入力 →処理時間
  • 金額提示 →正確性
  • 割引確認(ポイント、ハンガー割引)→処理時間、正確性
  • 代金受け取り →正確性
  • タグ付け →処理時間
  • 収集車に引き渡し →(特に無し)

こう見ると

  • 顧客の待ち時間(お客様登録まで)
  • 顧客の待ち時間(=お客様登録後の処理時間)
  • 正確性(主に、金額関係)

の3つが評価軸として洗い出されます。

実際、僕の感じる課題認識として、最も大きなものが「受付までに長い事待たされてるなー」なので、この「待ち時間」が非常に大きなBPRの評価軸になると思います。

ここで再度、入店(待機)→受付(処理待ち)→清算という大きなプロセスで見て、”待ち時間”と”正確性”のどちらにあてはまるか整理してみましょう。

  • 入店(待機):待ち時間
  • 受付(処理待ち):待ち時間、正確性
  • 清算:正確性

となってきます。

ここまでが「プロセスで考えた」という事になると思います。この時点でも、待ち時間を短縮するためにできることは、ある程度洗い出せています。

まずは、プロセス改善をちゃんと考える

僕なら、お客様登録の前に「品物確認」をしてしまうと思います。それは、正直、誰でもできる作業なので、

  • お直し担当のお姉さんがお手伝いする
  • お直し受付カウンターで、客が自分でやる

のどちらでもいいんじゃないかな、と思います。

ワイシャツを「色別に分ける」とか「向きを揃える」とかを先に行っておけば、それだけで、後ろの「品物確認」「レジ入力」の効率が上がります。しかも、待ち時間も(何かしてる、という意味で)短縮されているというカタチになります。

  • 入店(待機)の待ち時間
  • 受付(処理待ち)の待ち時間

がどちらも短縮できていいじゃんねー、という感じです。

ただ、ここで終わると「あたりまえじゃーん」って話な訳ですから、ここから、もうひとひねり評価軸に対して発想を広げてみましょう、というのが本題なのですが、だいぶ長くなりましたので、続きは次回とさせていただきます。

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