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データアーティストの視点:傾向を読み解くための5つのTips

AUTHOR :  田中 耕比古

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田中 耕比古
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統計的に有意かどうか、の手前の作業

( データアーティストの定義についてはコチラから)

データアーティストの重要な『視点』の一つが、「傾向を読み解く」ということです。全体を俯瞰して眺め、意味のありそうな”違い”、”類似”を見つけ出すことが求められます。もちろん、ここでつくるのは「仮説」ですので、後程データサイエンティストの視点で「統計的に有意かどうか」などについて検証していくこととなります。

では、どのように考えれば「傾向」を見出せるのでしょうか。

1.俯瞰する

人は、物事を考える時に「詳細」に嵌りすぎる傾向があります。(若手コンサルタントが陥りがちな罠でもあります) 一度詳細に嵌ると、全体が見えなくなります。そうすると「本当は似ているもの」を捉えそこなったり、反対に「本当は違うもの」を同じだと見誤ってしまったりします。

一般的な例を挙げるならば、競合他社・異業種と財務内容を比べてみる、というようなケースがあります。過去、様々なクライアントのご要望に応じて、他社・異業種の財務分析結果や、他社事例の調査結果をお持ちすることがありました。しかし、非常に残念なことに、たいていの場合は「なるほどね。でも、ウチと〇〇社さんではXXXが違うからねぇ」というお話になってしまいました。敢えて”違う部分”ではなく”似ている部分”に目を向けると、意外な発見があるものだと思います。

そのため、まずは「引いてみる」ということを心がけましょう。

例えば、スーパーとコンビニの違いを考える際に、この2つの業態を比較するのではなく、ドラッグストア、ディスカウントストア、百貨店、家電量販店などの「小売業種」をすべて横比較してみて、様々な軸(店舗数、利益率、売上成長率、店舗面積、1店舗あたり商品点数、など)で比較していくことで、面白い発見があるかもしれません。さらに言えば、ファミリーレストラン、ファーストフード店などの大規模チェーン業も比較対象にしてみても面白いかもしれませんよ。

2.シンプルにする

例えば、グラフをつくるとき。複数商品(例えば5商品)の時系列の売上と利益がある場合、5商品の売上を棒グラフで、利益率を折れ線で・・・として、1枚のグラフに纏めたくなるかもしれませんが、そこで、一歩立ち止まりましょう。

例えば、商品別に、売上と利益の散布図を描いてみませんか?5枚の散布図を見比べてみたらどうなりますか?

あるいは、素直に「商品ごとの利益率の推移」だけで比較してみたらどうですか?

比較対象を思い切って絞り込む=シンプルにすることで”違い”や”類似”が見えてくると思います。

3.いろんなデータととりあえず並べてみる

例えば、あるテレビ番組の放送中の「ツイート数」と当該放送回の「視聴率」には強い相関がありました。しかし、エナジードリンクの「ツイート数」と「販売数量」を分析した際には、相関性は見いだせませんでした。やってみるまでわからないので、とりあえず、クイックに比べてみれば良いと思います。

よく言われる話ですが、コンビニにおいて、「気温の高さ」と「アイスクリームの売上」もしくは「冷やし中華の売上」、「気温の低さ」と「おでんの売上」には相関があると言われています。しかし、それは「コンビニ各店の仕入れ数≒陳列数」と「売上」が相関しているだけなのかもしれません。(店頭に並ばないと、そもそも売れないですから)

例えば、雑誌の値段と発行部数(できれば販売部数)は関係しないのでしょうか?(ジャンルに関わらず、実は安い方が沢山売れてる、ということはないのでしょうか)

あるいは、Amazonのレビューの数は、当該書籍のページの少なさとは関係しないでしょうか?(読みやすいから)

反対に、Amazonで売れ易い本の傾向は、ページの厚さと関係しないでしょうか?(重いから)

手に入れられるデータに限りはありますが、色々考えている間に、とりあえず比較してみる、というのも一つの手段です。ちなみに、この段階では詳細に比較する必要はありません。あくまでも”気づく”ことが目的ですので、まずはシンプルに「グラフを並べて見比べてみる」ということでも十分です。

4.「自分」を主語に置いてみる

これは、商品・サービスによっては難しい場合もありますが、マーケティング領域に関しては「自分自身もユーザーになりうる」ものが多いことに鑑み、”自分事”すなわち”主観”で仮説を立ててみるのも一興です。(仮説が外れることも多々あるでしょうが、検証してみる価値はあります)

例えば、、、

  • 僕がこの店で服を買う、ということは、どうやってこの店まで行くのだろうか。車?電車?何時に家を出る?どこでランチを食べる?
  • 僕がこのレストランに行く、ということは、どういうシチュエーション?誰と?服装はどんな感じ?どこで待ち合わせる?
  • 僕がこの映画を観に行く、ということは、過去にどんな映画を観ている?それはDVDで観たのだろうか?
  • 僕がこの車を買う、ということは、自動車ローンはどれくらい?自宅近くだと駐車場は幾らくらい?それら含めて年収の何%になる?そこまでして買いたい?
  • 僕がこのサービスに加入する、ということは、どういうメリットを感じている?他のサービスではなくコレなのは何故?価格は妥当だと思う?そもそも、ちゃんと比較して加入する?
  • 僕が携帯電話を買い替える、ということは、どれくらいの出費?それはクレジットカード一括払い?割賦払い?その月orその年に他の出費を押さえる?押さえない?

と言う感じです。

その行動を行う際に、付帯的に行われるような行動を想像して「仮説の骨格」を作り、目の前のデータでその仮説(というよりも、仮説の骨格)を検証してみることで、類似性や相違性が見えてきます。例えば「(仮説上の)僕は、あの店には車で行く派なのだけど、世の中は”電車”が圧倒的に多い」ということが分かり、さらに「遠方から来る人ほど電車を使う傾向にある」ということがわかるかもしれません。

初期仮説がドンピシャに嵌るかどうか、よりも、「行動に何らかの傾向がありそうだ」という分析軸を見つけ出すことが、後々の詳細な仮説検証プロセスにおいて非常に有用です。

5.他人が出してきた資料・数字だと思う

人は自分に甘いです。そして、他人には厳しいものです。

ですので、自分で作った資料・分析結果を「他人の資料」だと思うことで、冷静に、そして、客観的に”レビュー”できます。それは、新たな傾向を見出すために、非常に役に立ちます。もし、時間的に余裕があるのであれば、ひと晩寝てみることをお奨めします。翌朝、自分の資料を眺めると、いろんな疑問点が見えてくることでしょう。もし、そんな余裕が無いのなら、コーヒーを一杯どうぞ。あるいは、トイレで手を洗ってみましょう。何か違うことをすると、意識が切り替わり、冷静になれます。

そのクリアな意識で、グラフや表を「俯瞰」してみると「似ている”はず”のものが似ていない」あるいは「”関係なさそう”なものが似ている」ということに気づけるかもしれません。

 

以上、5つの「傾向を読み解く」ためのTipsをご紹介しました。データを「感性」で読み解いていくための、お役に立ちましたら幸いです。

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