プレイヤー考察:第3回 Achieversとは達成感の虜になったプレイヤー|ソーシャルゲーム分析(8)

AUTHOR :   ギックス

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

 適切な難易度の目標を提示する機能を盛り込もう

今回は、プレイヤータイプのひとつであるAchieversとはどのようなタイプであるかを紹介します。そして、Achieversを把握するために必要なログやKPIについて考えてみます。
Achieversは、目標や試練を達成することに快感を覚えるタイプです。彼らは、目標や試練を達成することで、他者から評価され、「自分ってすごい!」という感覚に浸りたいと思っている人たちです。最初、ハードルの低い目標や試練を設定しますが、徐々にハードルを上げていき、最終的には低レベルでクリアすることやコンティニューせずにクリアすることを目指します。俗に言う、縛りプレイというものです。
本当にハマっているゲームであれば、Achieversは勝手に縛りプレイをやり始めます。しかし、まだハマる前のゲームであれば、達成感だけで、縛りプレイをする人は少ないでしょう。そのようなユーザに対しては、目標の難易度に応じて目に見える形で報酬を提供することが必要です。
目標は、毎日挑戦できるハードルの低いものから1度しか挑戦できない高いものまで、柔軟に用意することが重要です。また、ユーザのスキルに応じた難易度のものを適切なタイミングで提示しましょう。うまく目標が提示できていれば、目標を達成することがユーザの日々のルーチンに組み込まれます。

PS3のトロフィーコレクションはAchieversに刺さった機能

PS3のトロフィーコレクションの機能はご存知でしょうか。トロフィーコレクションに対応したゲームにおいて、ある条件を達成するとトロフィーを獲得できます。トロフィーには4種のグレード(ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ)があり、条件の難易度によって決まっています。
PS3のホーム画面では、ゲームごとにトロフィーの獲得率を見ることができます。100%になっているゲームは極めつくしたゲームということになるため、Achieversは100%を目指してゲームをやり尽すでしょう。また、トロフィーの獲得状況をフレンドと比較することができます。もし、プラチナのトロフィーを獲得していれば、フレンドから褒められるきっかけにも繋がるので、Achieversの達成感を高めることになるでしょう。

目標の難易度を適切に設計できていますか?

ユーザに目標を提示し、達成した報酬としてゲーム内のアイテムを配る機能が実装されているソーシャルゲームも多いと思います。
その目標の難易度は適切に設計できているでしょうか。難しすぎる目標を提示してユーザのやる気を削いだり、優しすぎる目標を提示してユーザの煩わしさを増長させたりしていないでしょうか。理想は、ユーザのゲームスキルの少し上の難易度の目標が常にやってくる状況です。
また、目標を達成したユーザの数だけではなく、どのようなユーザが目標を達成していないのかまで把握できるようなログを出力できているでしょうか。目標の達成状況を数値化し、目標の難易度を調整していくことで、ゲームにハマるユーザを増やすことができるでしょう。

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