clock2014.05.09 08:57
SERVICE
home

プレゼンの感想を訊こう(上達のために)/プレゼンってなんだ?

AUTHOR :  田中 耕比古

感想を訊いてPDCAを回す

本特集では「プレゼンテーション」を成功させるための考え方を整理します。(本文中のスライドは”IDPC:国際開発を目指すプラットフォーム”が企画・運営する”第5回国際開発プランニングコンテスト”での講演内容に加筆・修正・補足したものです)

2月から12週に渡ってお送りしてきた「プレゼン講座」も、新緑溢れる本日をもって最終回となります。長きに渡って、お付き合いいただきありがとうございました。

最終回は、上達のために「他人に感想を訊こう」というお話をさせていただきます。

訊く→反省する→次に活かす のプロセスが大事

プレゼンを「やりっぱなし」で終わる人が多いように思います。野球やサッカーなら、打率だとかアシスト数だとかで、客観的に評価してもらえますが、プレゼンには客観的指標がありません。そもそも、勝ったのか負けたのかさえ、良くわからないですしね。

では、どうするか。「感想を訊く」これに尽きます。(アンケートも可ですが、生の声で教えてもらう方が改善の糸口は掴みやすいと思います)

presentation_kotsu020

確認するポイントをご紹介します。

「伝えたかったことが伝わったか」:これが、最初に確認されるべき事項です。言いたかったことが、ちゃんと伝わっているのか。これが伝わっていないのであれば、残念ながら、無駄な時間だったということになります。猛省しないといけません。そもそものメッセージがどの部分に込められていたのか、それが強調されなかったのか、などをキチンと確認しましょう。

「狙った目的は達成されたか」:メインメッセージが伝わっていなかった場合は、当然ながら目的が達成されているハズがありませんよね。しかし、メッセージは伝わったんだけど、狙った態度変容に至らなかったという場合は「プレゼンの論理設計」に問題があったおそれがあります。論理的に正しくなかったのではないか、という視点で構成をチェックしましょう。

「どのように見えたか」:普段の自分と「違う自分」を演じていた場合は、特に「どういう感じに見えていたか」を教えてもらうと良いと思います。堂々としていたか、言葉はちゃんと聞き取れたか、身振り手振りで気になったところはないか。例えば、ポケットに手を突っ込んでいたのが偉そうだった、言葉遣いが馴れ馴れしかった、喋りが早すぎた、上半身が左右に振れて落ち着きが無く見えた、などの指摘事項は、次回プレゼン前の「最終リハーサル」でちゃんと修正しましょう。

これらをキチンと確認して、次回に活かすことが、プレゼン上達のための鍵だと言えます。

最後に

これを以って、3ヶ月にわたってお付き合いいただいた特集「プレゼンのコツ」は終了です。タイトルの「プレゼンってなんだ?」という問いに、できるだけ具体的に答えてきたつもりです。至らない部分やお気づきのことがあれば、下段の「問い合わせボタン」から、是非コメントを頂戴できればと思います。

ちなみに、僕にとって、プレゼンは「楽しむべき舞台」です。文章を書くことや、何かを表現することが好きなのですが、それを誰かに伝えることができるチャンスを貰える、というのは非常に光栄なことだなと思っています。だからこそ「ちゃんと準備して、ちゃんと楽しむ」という意識を持って取り組んでいます。

皆さんの中には、「人前で話すのが苦手」「恥ずかしい、緊張する」という方もいらっしゃるでしょう。でも、考えてみてください。「あなたに話してほしい」「あなたの話が聴きたい」と誰かに頼まれるなんて、とっても素敵な事じゃないですか。知らないことについて話せと言われているわけではないんです。自分で深く調べたり考えたりしたこと、人生で苦労して身に着けてきた知識・経験などを、そのままブツければいいんですから、何も難しいことではないです。

本特集を読んでいただいた結果、プレゼンの事を好きになったり、プレゼンの苦手意識がちょっと減ったりした方がいたらとても嬉しいです。繰り返しになりますが、折角もらった機会は、全力で楽しんじゃった方がいいですよ。

皆さんのプレゼン力UPを心よりお祈りします。

連載記事一覧

  1. プレゼンテーションの種類
  2. 大切なのは「勝ち」を定義すること
  3. 勝ち”を意識して組み立てる
  4. 伝え方を考える
  5. プレゼンの”骨子(ストーリー)”をつくる
  6. ストーリーを”資料”に落とし込む
  7. 最後の仕上げ
  8. (A)話すことの優先順位を決める
  9. (B)レベルに応じて適切なメモをつくる
  10. (C)リハーサルをする
  11. 本番」を乗り切るためには”忘れる”→”演じる”→”牛耳る”でOK
  12. 達のために感想を訊こう (今回)

(本特集の記事一覧はコチラでもご確認いただけます)

SERVICE