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オフィスアワーというコミュニケーション施策の紹介と会社に定着させるための工夫

AUTHOR :   ギックス

はじめに(オフィスアワーを始めた背景と概要)

リモートワークを実施している会社では、社内のコミュニケーションに課題を感じることは多いのではないでしょうか。
例えば、次のような課題が挙げられます。

  • 業務に関係するコミュニケーションに偏ってしまい、雑談やちょっとした会話が発生しづらい。
  • 他のメンバーの人柄を知る機会が減るため、気を遣うことが多くなり、やり取りする際の負荷が高くなってしまう。
  • 他のメンバーとの会話の中で偶発的に生まれるアイデアや学びが少なくなる。

こういった課題の解決策の1つとして、ギックスでは「オフィスアワー(会いに行ける時間)」という、リモートワーク主体の働き方であっても通常の業務とは異なる会話を可能にし、メンバー同士のコミュニケーションを密接にする場を用意しています。
大学の教授・先生が特定の時間帯に自分の部屋を開放して学生からの質問や相談を受け付けるという制度に倣ったもので、ギックスのメンバーがあらかじめ設定された時間帯にオンライン上で待機して、他のメンバーからの質問や相談を受け付けたり、雑談をして親睦を深めたりといったことを行っています。
誰がいつ待機するかは、時間割を用意していて、各メンバーが予め把握することが可能です。

このようなコミュニケーション施策をやってみたけど定着しなかったという経験をされた方は一定数いると思います。
当然ながら、ギックスにおいても初めはそこまで活発ではありませんでした。
しかし、オフィスアワーは、今ではギックスで日常的に行われるようになり、定着したと言っても良い状態になっています。

この記事では、どのように定着したのか、どのような良いことがあったのかといったことをご紹介できればと思います。

定着させるための工夫

オフィスアワーを定着させるために工夫したこととして次の4点が挙げられます。

【工夫①】オフィスアワーで話した内容をSlackに書き込むように促しました

これによるメリットは次の通りです。

  • その場に参加していない人にも、オフィスアワーに参加した人の興味関心や人となりが伝わるようになった。
  • 「仕事に関係ないことも含めて、本当に何を話しても良い」ということを周知できた。

【工夫②】当初はZoomで実施していたましたが、Slackのハドルで実施するように変更しました

これによるメリットは次の通りです。

  • 話す場と話した内容を共有する場がSlackに一本化されたことで、導線がシンプルになった。
  • ハドルをしている人のアイコンがSlackのUI上で一目で分かるため、時間割を予め把握していなくてもオフィスアワーにふらっと入ることが可能になった。
  • 時間割を設定していない人がゲリラでオフィスアワーを実施することが出てきた。

補足:Slackのハドルで実施する際は、各メンバーがそれぞれ1つずつ持っている個人的なあれこれを書き込むチャンネル(X(旧twitter)のようなもの)を利用する形で最初は行っていました。その後、外部パートナーが参加したいというニーズが出てきたため、情報統制の観点から専用のチャンネルを用意しました。この変更によって、さらに導線はシンプルになりました。

【工夫③】新規入社の方へのオリエンテーションの中でオフィスアワーを紹介しています

これによるメリットは次の通りです。

  • 新規入社の方が自然にオフィスアワーを設定し、新規入社の方と既存メンバーが雑談する場が生まれた。

【工夫④】3ヶ月ごとに時間割変更するように案内するようにしています

これによるメリットは次の通りです。

  • 参加したいオフィスアワーがあるけど、打ち合わせが重なっていて参加できないという問題を緩和できている。
  • 時間割変更をきっかけに、それまでオフィスアワーを設定していない人が新たに設定することもある。

オフィスアワーをやってみて感じる良かったこと

オフィスアワーをやってみて2つ良かったことがあります。

【良かったこと①】

1つは、オフィスアワーを通して日々の業務では得られない偶発的な学びやアイデアが得られるということです。
例えば、次のようなことが実際にありました。

  • IR担当者のオフィスアワーに参加することで、直近の株価の値動きについて見解を伺い気づきが得られた。
  • Zapierというシステム連携ツールについて詳しい人に話を伺うことで、ツールのより良い活用方法の知ることができた。それをSlack上でオープンにすることで、Zapierを活用して業務を効率化するということが自然に伝播していった。

【良かったこと②】

もう1つは、他のメンバーの仕事以外の面を知ることで、日常的な業務のやり取りもスムーズになるということです。
これは人によってどれほど強く感じているかは異なるかと思いますが、少なくとも筆者個人的には、オフィスアワーで話したことがある人、雑談を交わしたことがある人とは仕事がやりやすいです。

最後に(他のコミュニケーション施策を定着させるために)

オフィスアワーが定着した要因としては、次のようなものだと考えられます。

  • 透明性を高め、オフィスアワーによるメリットを感じやすくしたこと(工夫①)
  • 実施するための心理的ハードルを下げられたこと(工夫①)
  • 自然にオフィスアワーの実施・参加ができるような導線を用意できたこと(工夫②、③、④)

コミュニケーションを活発にしようと試みても上手くいかないことが多々あります。

ギックスでは他にもモブワークといった複数人で一緒に課題に取り組むための仕組みもありますが、オフィスアワーほどは活発ではありません。
今のモブワークという仕組みは、実施するのに人を呼びかけるための勇気が要る、導線がそこまでシンプルでなく実施のためのガイドが整っていない、というような課題があるように感じています。

オフィスアワーが定着したことを受けて得た学びから、別のコミュニケーション施策を定着させていければと思う次第です。

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