分析が出来る部下を大事に育てていますか? ~ミスプリベンション外伝(中編)

AUTHOR :   ギックス

戦いの前線に送り込んだ、その後は

前回の記事で、細かいミスがなくならない部下を持つ方に向けて、ミスがなくならない人というのは「自分事」になっていないからであり、自分のチーム(=自社)以外の人に対して自分が前面に出て勝負しているという気持ちがあるかないかで、取り組みの本気さが違ってくるので、戦いの前線に送り込むことが、ミスを減らす処方箋だという話をしました。
しかし、経験もないまま、前線(=クライアントとの打合せなど)に送り込んで、ほったらかしにした所で、討ち死にして、あなたにまで被害が及ぶことは想像に難くありません。今回は、部下を“見守る”心構えをお伝えします。

色々言うことは逆効果

ミスがなくならない人に、「ミスをしないように気を付けろ」とか「プロフェッショナルとはこういうものだ」とか、俺が若い時は・・のように繰り返し話をしていませんか?
でも残念ながら、どれほど口で言ったって伝わることはありません。なぜなら、東京タワーの上から見た景色を、その感動を、その高さを、高い所に上ったことがない人に完璧に伝えることは難しいのと同じです。
「俺がやっている背中を見て学べ」というのも違います。それでは、上司のあなたが結局前線にいるままで、部下は守られているとしか感じません。

結局、人間「自分で生きる気」にならないと身につかない

「可愛い子には旅をさせよ」「獅子の子落とし」ではないですが、人間、実際にちょっと無理かなと思えることでも、させないと身につかないことが多いです。ミスをなくすというのは「覚悟」を持たせるということであり、その為に上司が求められるのも「覚悟」ということになります。
ただ覚悟をもって送り込むだけではなく、必ず部下の人に「全体マップ」だけは見せてあげてください。部下の人も当てもなく分析の海に投げ込まれても溺れるだけになってしまう可能性もありますので、、。

具体的にどう“見守れ”ばいいのか?

「前線に送り込め」「口酸っぱく言うな」「背中を見ろではダメ」でも「分析の海で溺れさせないように」といろいろ心構えを書いてきていますが、実際には、ポイントを押さえて指示だし、議論、アドバイスをするだけで分析作業自体はミスなくスムーズに進められる人が多いのも事実です。次回は、自分事として覚悟して仕事を進め、かつ上司のあなたも被害が少なくなるためのアクションを3つのポイントに絞ってお話しします。(つづく)

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